封印から目覚めると鬼娘の私は陰陽師のお嫁になっていました

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私鬼なんですけどいいんですか?

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「え?嫁?私が貴族様のですか?」

「え?貴族?…ああ、昔はそうだったけど今は貴族じゃなくてちょっとだけお金持ってる程度だよ」

「………あの…ゆーへー様…私は鬼です。人のかか様に鬼のとと様を持っておりましたけど…村人に殺されて…」
 と言うとゆーへー様は…

「うん、文献にある通りだね。とても辛かったよね…。泣いていいよ?君にとってはまだ昨日のことの様でしょ?」
 と言う。

「………泣きません…。泣いたら角とか出るし」

「そう…」
 と言うとゆーへー様は代わりに泣き始めて私はおろおろした。

「ゆーへー様!?どうして!?」

「君が可哀想で…」
 と泣く。

「あの…。私のような者の為に泣かないでくださいませ…」
 どうしたらいいのこれ?1200年経ってるし、あの男の子孫だし、いきなり嫁にとか言われるし。

 しかし貴族の子孫の嫁とはそれなりにお金持ちらしい。この着物も上等だし…よく見るとこの牢屋も最後に見た時より新しくて全く土の匂いはしないし壁も何か見たこともない硬いものだし畳は美しいし私が寝ていた布団も上等でおったまげた。

「そ、それでね、これから1200年後のこと知ってもらう為に、家に君の部屋も用意してるし、いろいろ少し勉強したら僕と学校に行こうね?ええと…それからね…、とりあえず物の怪退治とか悪い鬼退治とか手伝ってください」
 と言われた。

「1200年経っても悪い鬼はいるんですか」

「うん、まぁいるよ。今は陰陽師も減っていてね、いても隠れて鬼退治とかしてるんだ。普通の人に騒がれないようにね。そして悪い鬼も隠れて人を食べている。そう言うのを退治する」
 とゆーへー様は言う。

「でも、私戦ったことも、鬼になったこともあまりなく…感情を殺してきたから…」

「君は人として生きてきたいい鬼だからね…。君からは人を殺した特徴はない。判るんだよ。嫌なら無理強いはしないし…君の正体を守る為に僕のお嫁さんになってもらうしかないけど…ややややっぱり嫌かな?」
 とまた赤くなり俯く。

「私…何もないし…。ゆーへー様に頼るしかできません…お役に立てるならなんでもしますし…嫌なんてそんな、私みたいな下々の民に…」

「いや、今は身分とか関係ないから!きき君の気持ちを聞かせて!ぼぼぼ僕は大丈夫だよ!きき、君凄く綺麗だし……」
 とゆーへー様は真っ赤になった。

「そんな…ゆーへー様こそお綺麗です…。都の娘が見たら皆見惚れてしまいますよ…」
 と言うとゆーへー様が

「じじじゃあ!お嫁さんになってくれますか?」
 と聞き、コクリと私がうなづいたのを見てゆーへー様がうっとりとした。

「ああ、よよ良かった!こここ子供の頃からずっと君がここで寝ている姿を見てきたよ。僕の成長を待って封印を解いたんだ」

「そうなんですね…」
 寝顔ずっと見られているのか。でも着替えさせられたりしてきたらしいから他の女人にもバッチリ見られていることだろう。

「そ、その…君…名前は?名前だけは文献に載っていなくて知ることが出来なかったから…教えて欲しいんだ」

「はい、旦那様…私は鈴と申します」
 と言うとまた恥ずかしそうに

「だっだだだ、旦那様なんて!!す、鈴さんかあ…。僕のことも名前で呼んでもいいんだよ?今の世は近しい人には遠慮ないから!あ、昔もかな?」
 と言われるので

「判りました。ゆーへー様」
 と言うと

「様もいいよっ!ええと…そうだね、ゆうへい。優平くんとでも」

「くん??」

「うん、今はね苗字や名前の後に男にはくんを付けて女にはちゃんやさんを付けることが一般的。年上や尊敬する人に対しては男女問わずさんって付けることがある。偉い人には様だね」
 と丁寧に教えてくれた。なるほどゆーへーではなくゆうへいでしたか。

「判りました。ゆうへいくん」
 と私が言うとゆうへいくんは胸を押さえて

「フグゥ!!」
 と変な声を出して真っ赤になった。
 そしていきなり頭を下げて謝った。

「それからごめん!!君の封印を解く為と言え、そそそのっ、君を起こす為に…君を僕の嫁にする為に僕の血を口移しで与えました!!だから君は眠りから覚めたんだ!!ごめんね!!」
 と言う。私はまたポカンとした。
 人の血を…ゆうへいくんの血を飲ませられた??どう言うことかよく判らないけどそれが目覚めのきっかけらしくそれなくしては私は眠ったままだったわけで。

「ごめんごめん!!ごめんなさい!!」
 とゆうへいくんは謝り続け意味が判らない。

「あの…よく解りません。目覚めさせていただいたのに何故謝られるのです?それに私は下の者です。好きになさっても怒れません」
 と言うと

「それは…今とは違う認識だよ…今は勝手に同意なくそう言うことをしてはいけないんだ。そういう世に変わってる」

「………」

「でも…君を目覚めさせた僕にも責任はあるし、君のこと僕はずっと想ってきた…。だから今の当主として僕は君を嫁にすることにしたんだ!鈴さん!」
 とゆうへいくんは私の手をソッと握った。
 こんなに優しく握ってくれたのはおととさんとおかかさんしか知らない。

 それに何か心臓がバクバク言い出した。
 そして私の角が…

「だっ!ダメ!!」
 と私は頭の角を隠す。
 ううっ!!見られた!?角!!嫌われる!!怖がられる!私は鬼だから!!

 しかしゆうへいくんは

「角?大丈夫だよ、そんなの…僕は土御神の陰陽師の末裔だからね…十二神将の鬼も引き継いで鬼の角なんて見慣れているよ。怖くないよ。むしろ…鈴さんの角は…かかか可愛い!!」
 とゆうへいくんは言った!!可愛いと!!
 村人から恐れられた、この角が?

「ほ、本当に可愛いですか?」
 と言うとゆうへいくんは

「うん!とっても可愛いよ!!」
 と笑った!
 それに私はとても嬉しく心が暖かくなった。
 こ、こんな気持ちおととさん達以外で初めて…。

「あ、ありがとうございます…ゆうへいくん…」
 するとゆうへいくんは照れて

「さぁ、地上に出よう!目が眩むから気をつけて?」
 と私に手を差し出した。
 そして私は地下の階段を上がる。階段も硬いもので土じゃなかった。
 そして光を浴びて外へ出る。

 綺麗な桜の花がとても広いお庭に咲き乱れ、池には鯉が泳いでいて…手入れされたお屋敷が目に入った。
 何というか凄いお金持ちだと思った!!
 ど、どどうしよう。私本当にいいんだろうか?ゆうへいくんのお嫁さんで??


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