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妖サイト立ち上げ
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チーフ…凛花さんに正体がバレてしまいもうダメや。オワタ!研究室行きや!と怯えたが、凛花さんは変わっていて誰にも言わないと言った。
…考えてみればこの人がベラベラと秘密を喋る人間だとは思えなかった。それに気付くと安心できた。驚いていたけど怖がってもいなかった。むしろ犬飼いたいと思ってたとか言う。
狐やっちゅーねん!
結局何事もないように俺はここで暮らすことになった。毎日専門学校が終わるとバイトへ行き凛花さんと会い、店長に挨拶して料理に取り掛かる。凛花さんはまかないを沢山食べるから店長と一緒にたくさん作る。
常磐井店長は
「火口くんが入ってきてくれて良かった!!あの化け物がたくさん食べ尽くすから客に出す分が減って困るよ。胃が痛くなるし…」
と店長は青ざめた。
「大丈夫ですか?全くあの人は!ほんと…どういう胃をしてるんでしょうね?」
と二人で顔をしかめる。
元気に接客している凛花さんは…なんとなく眩しかった。
*
いつもみたいにバイトが終わり鍵をかけて店長と別れる。店長には一緒に暮らしてることは言ってないし妖のことも秘密だ。
「火口くん…私やっぱりもう我慢できないの!!ちょっとコンビニでチーかま買ってくるから!後でその…なって??」
と訴えた。
私は…モフモフ禁断症状が出始めていた!!
火口くんが犬になると…大変に毛並みが良くフワフワで撫でたり抱きしめたりできる。
しかし最近はストップがかかっていた。何故か赤くなり
「身が持たんわ!!このアホお!後、犬やなくて狐って何回いやええんや!!」
と怒られる。
しかしチーかまに釣られない火口くんは
「いやや。いらん。当分狐にはならへん!!…それにやることあるんや」
「何?専門学校の課題とか?」
「そんなんやない…。ほら、凛花さん前に他の妖にも会いたい言うてやん?せやから会わせたろ思て…妖専用のサイト作って喫茶【ヴィーナスの涙】に呼ぼう思てんねん。
店長の休みの時やけどそん時は貸し切りとかにして普通の人間は入れさせん」
「へえ!凄!そんなので呼べるんだね!」
「まぁ、妖にしか見えへんページやからな。妖の目は妖の世界と人間の世界両方見える時があるから。気付いた人が来てくれるかもな」
と火口くんはよくわからないことを言う。
彼は早速部屋に帰るとノートパソコンを持ち出してあっという間にサイトを作り上げた。
スマホで撮影していたうちの喫茶店の写真を載せていい感じに仕上げていったが私には普通のバイト先のサイトページにしか見えなかった。
「人間には普通のサイト、妖には妖だけにしかわからんようになっとる」
「つまんない、私には普通のサイトに見える!」
「せやな…。妖達には喫茶ヴィーナスの涙の定休日と店長の休みの日に来てええ事と、一応人間の姿でお越し下さい。安全と判断したら変化を解いても可。としとくわ」
「やった!これで他の妖怪が見れる!」
と喜んだが
「妖怪やなくて妖!妖怪なんて呼び方古いわ!それになんかそう呼ばれると悪さしよるみたいに聞こえてやや!」
と火口くんが言う。
「ごめん…」
「いや、こっちこそ。…ついつい。でも妖は臆病者やから…」
「アニメとかで見るように術を使ったりしないの?」
「それは…悪さする奴は少しはそういう力を持っとる。人を病気にしたり天候を操ったりそういうやつや。…俺なんかはまだマシやけど姿だけで化け物と言われる奴おるからな。それで判断されてる奴らはたくさんおるで」
「えっ?じゃあ河童とかはあの「尻子玉抜くぞ!」
とか言う奴も作り話?
「せやな。そんなん大昔の人が考えたんやろ?実際には何もしとらんし。たまたま川で溺れた子供に難癖つけて妖のせいにされただけっちゅーやつや」
と火口くんは言う。
「人間に酷いことされて恨んで呪いーみたいにならないの?」
「それはよっぽど雑な人間やったら怒るんちゃう?でも人間かて一緒やない?学校や仕事でいじめやらパワハラで恨みを持つ人間も怖いで。ジャンル違うけど生霊は人間が作ったもんやからな。俺ら妖は恨んだ人間のが恐ろしい!
ま、基本そういうややこしい奴にはこっちから関わらへんねん」
と火口くんは言う。
「ふーん、そういうもんか」
「一応予約制にしといたから定休日も俺は店に行くわ。店長には仕込み言うて鍵借りとく」
「じゃあ私も行くけど襲われないかな?」
「妖の方が逃げ出すわ。最初は驚かせんように面でも被っとき?100均に売っとるやろ。パーティーグッズコーナーとか」
と言うので
「おお!100均か!!全く行ってないわ!!中学の時友達と帰りに少し寄ったくらいで、私がカード出すと店員さん困って結局友達に小銭借りたとこだ!!あそこ物たくさんあっていいよね!!」
と言うと呆れた顔をした。
「こ、これだからお嬢様は困るんや」
と言い、キッチンに立った。
もうすぐお昼の時間だしね。
狐うどんがいいと言ったら却下された。
「何で狐とか狸うどんがあるんやろ?なんかいややなぁ。パスタでええわ」
とかブツブツ言って美味しそうなパスタをサラリと作り上げた。
喫茶店にも新メニューを入れたいと火口くんが言い、彼はよくノートを持ち考えていた。私も新メニューの味見とかをさせてもらえるのでそれには歓迎だ。
…考えてみればこの人がベラベラと秘密を喋る人間だとは思えなかった。それに気付くと安心できた。驚いていたけど怖がってもいなかった。むしろ犬飼いたいと思ってたとか言う。
狐やっちゅーねん!
結局何事もないように俺はここで暮らすことになった。毎日専門学校が終わるとバイトへ行き凛花さんと会い、店長に挨拶して料理に取り掛かる。凛花さんはまかないを沢山食べるから店長と一緒にたくさん作る。
常磐井店長は
「火口くんが入ってきてくれて良かった!!あの化け物がたくさん食べ尽くすから客に出す分が減って困るよ。胃が痛くなるし…」
と店長は青ざめた。
「大丈夫ですか?全くあの人は!ほんと…どういう胃をしてるんでしょうね?」
と二人で顔をしかめる。
元気に接客している凛花さんは…なんとなく眩しかった。
*
いつもみたいにバイトが終わり鍵をかけて店長と別れる。店長には一緒に暮らしてることは言ってないし妖のことも秘密だ。
「火口くん…私やっぱりもう我慢できないの!!ちょっとコンビニでチーかま買ってくるから!後でその…なって??」
と訴えた。
私は…モフモフ禁断症状が出始めていた!!
火口くんが犬になると…大変に毛並みが良くフワフワで撫でたり抱きしめたりできる。
しかし最近はストップがかかっていた。何故か赤くなり
「身が持たんわ!!このアホお!後、犬やなくて狐って何回いやええんや!!」
と怒られる。
しかしチーかまに釣られない火口くんは
「いやや。いらん。当分狐にはならへん!!…それにやることあるんや」
「何?専門学校の課題とか?」
「そんなんやない…。ほら、凛花さん前に他の妖にも会いたい言うてやん?せやから会わせたろ思て…妖専用のサイト作って喫茶【ヴィーナスの涙】に呼ぼう思てんねん。
店長の休みの時やけどそん時は貸し切りとかにして普通の人間は入れさせん」
「へえ!凄!そんなので呼べるんだね!」
「まぁ、妖にしか見えへんページやからな。妖の目は妖の世界と人間の世界両方見える時があるから。気付いた人が来てくれるかもな」
と火口くんはよくわからないことを言う。
彼は早速部屋に帰るとノートパソコンを持ち出してあっという間にサイトを作り上げた。
スマホで撮影していたうちの喫茶店の写真を載せていい感じに仕上げていったが私には普通のバイト先のサイトページにしか見えなかった。
「人間には普通のサイト、妖には妖だけにしかわからんようになっとる」
「つまんない、私には普通のサイトに見える!」
「せやな…。妖達には喫茶ヴィーナスの涙の定休日と店長の休みの日に来てええ事と、一応人間の姿でお越し下さい。安全と判断したら変化を解いても可。としとくわ」
「やった!これで他の妖怪が見れる!」
と喜んだが
「妖怪やなくて妖!妖怪なんて呼び方古いわ!それになんかそう呼ばれると悪さしよるみたいに聞こえてやや!」
と火口くんが言う。
「ごめん…」
「いや、こっちこそ。…ついつい。でも妖は臆病者やから…」
「アニメとかで見るように術を使ったりしないの?」
「それは…悪さする奴は少しはそういう力を持っとる。人を病気にしたり天候を操ったりそういうやつや。…俺なんかはまだマシやけど姿だけで化け物と言われる奴おるからな。それで判断されてる奴らはたくさんおるで」
「えっ?じゃあ河童とかはあの「尻子玉抜くぞ!」
とか言う奴も作り話?
「せやな。そんなん大昔の人が考えたんやろ?実際には何もしとらんし。たまたま川で溺れた子供に難癖つけて妖のせいにされただけっちゅーやつや」
と火口くんは言う。
「人間に酷いことされて恨んで呪いーみたいにならないの?」
「それはよっぽど雑な人間やったら怒るんちゃう?でも人間かて一緒やない?学校や仕事でいじめやらパワハラで恨みを持つ人間も怖いで。ジャンル違うけど生霊は人間が作ったもんやからな。俺ら妖は恨んだ人間のが恐ろしい!
ま、基本そういうややこしい奴にはこっちから関わらへんねん」
と火口くんは言う。
「ふーん、そういうもんか」
「一応予約制にしといたから定休日も俺は店に行くわ。店長には仕込み言うて鍵借りとく」
「じゃあ私も行くけど襲われないかな?」
「妖の方が逃げ出すわ。最初は驚かせんように面でも被っとき?100均に売っとるやろ。パーティーグッズコーナーとか」
と言うので
「おお!100均か!!全く行ってないわ!!中学の時友達と帰りに少し寄ったくらいで、私がカード出すと店員さん困って結局友達に小銭借りたとこだ!!あそこ物たくさんあっていいよね!!」
と言うと呆れた顔をした。
「こ、これだからお嬢様は困るんや」
と言い、キッチンに立った。
もうすぐお昼の時間だしね。
狐うどんがいいと言ったら却下された。
「何で狐とか狸うどんがあるんやろ?なんかいややなぁ。パスタでええわ」
とかブツブツ言って美味しそうなパスタをサラリと作り上げた。
喫茶店にも新メニューを入れたいと火口くんが言い、彼はよくノートを持ち考えていた。私も新メニューの味見とかをさせてもらえるのでそれには歓迎だ。
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