【完結】まずは結婚からで。〜出会って0日、夫夫はじめました〜

小門内田

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第三章

day.62(川崎視点)

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純也が大物のお客様に指名されたと聞いて、居ても立ってもいられなくなったアタシと大林は、厨房の物陰からコソッとあのコを見守ることにした。

「純也、大丈夫かしら?緊張すればする程、ミスしちゃうコだから、心配だわ。」

珍しく大林も緊張しているようで、真剣な眼差しで、純也のことを見つめている。

「オレも心配だ。」

「一体、どのお客様が純也を指名したのかしら………って、アタシの推しじゃない!?」

純也が向かっていったテーブルに座っている人物を見て、驚きのあまり腰を抜かしそうになった。

「お客様を勝手に推すな。」

「別にいいじゃない!推すのは勝手よ!それにしても、あの2人、知り合いなのかしら?」

珍しく、こんな状況でも純也が落ち着いている。
っていうか、なんか照れてない?

「瀧本、頼むからやらかしてくれるなよ……!」

ヒヤヒヤしながら見守る大林とは違い、アタシはあの2人の関係性が気になってきた。
そこに、もう1人の人物が、純也の後ろから近付いてくる。

「あら?イケメンがもう1人追加されたわ!」

「コラッ、静かにしろ!」

思わず興奮して大声を出してしまい、大林に怒られてしまった。
不服だけど、仕方ないわね。

「あら、純也はあの人とも知り合いみたいね。」

「全員知り合いなら、こっちとしては好都合だけどな。」

じーっと見ていると、突然、アタシの推しが純也の顔の前にメニューをドンと置いた。

「えっ!?もしかして、メニューでブロックしてるの!!??」

「は?何言ってんだ?」

「だって、アタシ達からは純也が一切見えないってことは、純也だって彼しか見えないってことよね!?囲い込みよ!キャー!!アタシもされたいわ!」

「んなわけねぇだろ。」

興奮しているアタシを、シラけた目で見てきた大林を無視し、そのまま暫く2人を見守り続けていると、今度はアタシまでもシラける事態になってきた。

「………ねぇ、大林?」

「…………………何だ?」

「アタシ達、一体何を見ているのかしら?」

どうやら、アタシの推しは純也の彼氏だったようで、2人はアイコンタクトでイチャイチャしている。

「……………………オレが聞きたい。」

そう呟いた大林は、スッとその場から動き始めた。

「どうやら心配する必要はなさそうだから、オレは仕事に戻る。川崎、お前もそろそろ戻れよ。」

やれやれと仕事に戻っていった大林を見送り、もう少しだけ、ご機嫌な純也を見守る。

「アナタが最近生き生きとしていたのは、そういうことだったのね。」

フフッと笑いながら、アタシも仕事に戻っていった―。
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