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後日譚~ミサの場合~
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「やんっ、だめ…そんなにはげしくしちゃっ、だめ、ごうさんっ…」
ミサの綺麗な顔が快感で歪む。眉をしかめ、目を閉じている表情でさえも美しい。
「ミサちゃんが可愛いから」
「もぉ、だめっ…あ、んんっだめ、だめっ…」
ミサが気持ちよさそうに小さな声で喘ぐ。裸を見られることもそうだけどまだ恥じらいがあることから大きな声を出して思いっきり乱れることが出来なかった。
少し舌っ足らずで、鈴が鳴るような可愛い声が絞り出すその喘ぎ声は剛の男心を刺激して、ミサの「そんなに激しくしちゃだめ」という言葉は剛の耳に届かない。
「あ、だめだってばっ…!」
「そんな可愛い顔したら止められないよ」
「もう、ばかっ…」
ミサが手を繋いで欲しい、とお願いすると剛が自分の右手とミサの左手を繋いだ。
「ごめん、もう無理かも」
「あ、あんっ、ごうさん、すき、すきっ、だいすきっ…きもちいい…」
目を潤ませて剛に愛を伝えるミサ。
剛は、ミサが自分にベタ惚れなことをわかりきっている。普段なら鬱陶しくなってすぐに捨てたくなるけどミサは違った。
若くて可愛くて、素直で。今まで遊んできた女とは違ってまだまだ飽きそうにない。
胸は小さいけど敏感だし、それ以外のスタイルも、顔も完璧。感じやすいくせに恥じらいがあるところが可愛い。
ミサを初めていかせたのが自分だということも剛の征服感を満たした。
男は「初めて」と言われるのが好きだ。こんなに気持ちいいの初めて…と泣きそうな顔でミサが絶頂した時のことは今思い出しても興奮する。
結婚していて愛する妻と子供がいるから普段ミサのことを考えることは少ないけれど、もし独身ならミサと付き合ってたりしたかもな…なんだかんだでミサのことがけっこう好きなのかも、なんて錯覚に陥ってしまう。
ただそれは一時の感情だということを剛はわかっている。
こんなことをしていて説得力が全く無いけれど、剛は自分の妻のことをとても愛している。
子供が生まれた途端妻じゃなくて母親という感覚になってしまって女として見れなくなった、前ほどの愛情がなくなったなんて話を聞くことがあるけど剛にはそんな感情は一切無い。
忙しくて毎日帰れなくても文句一つ言わず、いつでも笑顔で迎えてくれる自分の妻が愛しくてたまらないし、子供が生まれて時間がゆっくり取りづらいことと自分が忙しいこともあり回数は少し減ったものの、結婚した当初から今もセックスはずっとしている。
なのにこんなことを繰り返すのは、昔に心から信用していた恋人に浮気されこっぴどく振られたからだろう。
いつ何があって、妻に冷められてまた捨てられるかわからない。それが不安で愛人を作ってしまう。
端正な顔立ちで、ミサ含め「奥さんがいてもいい」なんて女が放っておいても寄ってくるからタチが悪い。
昔は愛した人たった1人しか見えなかった。寧々が過去に剛に目も合わせてもらえず振られたのもそのせいだ。
その時の純粋な剛はもういない。そんなこと言い訳になるはずないし、我ながら最悪な人間だと思うけど理性では止めることが出来ない。
ただ、避妊はちゃんとしとかないとな。菜々ちゃん…今は寧々ちゃんだっけ。みたいにピル飲んでる子なら中出しも出来たけどミサちゃんからはそんな話聞いたことないしな。
とは思いつつ、剛は避妊をしないまま何度もミサを抱いている。
「俺も…。ミサちゃん、いくよ…」
「あ、まだだめ、いや…」
剛は最後にミサの中を強く突いて、自分のモノを抜いてミサのお腹に出した。
「もぉ、だめって言ったのに…」
そう言いながらも、剛さん、あたしとするの気持ちいいんだ…と少し嬉しくてミサは微笑んだ。
***
「まさか今日剛さんに会えるなんて思ってなかったな。来週までは会えないって思ってたし」
「俺もミサちゃんに会えると思ってなかったよ。忙しいからねミサちゃん」
「剛さんこそ」
2人でベッドに寝転んで、剛の腕に抱きつくミサ。なかなか会えない分一緒にいられる時間は出来るだけ甘えていたくて、剛と一緒に過ごしている時のミサはずっと剛にくっついている。
「来週はゆっくり出来そう?」
「お昼頃には撮影終わるみたいだし、後はゆっくり出来そうです。終わったらすぐ新幹線乗りますね。温泉楽しみ!」
「良かった。俺も仕事終わったらすぐ旅館向かうね」
ミサちゃん、温泉行かない?新しく出来る地方のファッションビルに視察に行くんだけど。ちょっと距離あるから泊まりだし、もし来れるなら旅館取ろうかなって。
1ヶ月前に剛に誘われ、どうしても行きたかったミサは休みを取ろうとしたけど撮影の日程上どうしても午前中に仕事が入ってしまった。けど次の日は休みだ。剛も仕事が終われば一緒にゆっくり過ごせそうで、ミサは楽しみで仕方なかった。
奥さんも子供もいる人と旅行なんて、最低だよね、あたし…
でもお願い。奥さん、あたしに剛さんを貸してください…
ミサは剛との関係に完全に酔っていた。
***
「じゃああたし、そろそろ帰りますね」
シャワーを浴び、身支度を整えたミサがクローゼットに入れていたコートを取り出した。
「もう帰っちゃうの?」
「明日撮影で、朝早いんですよぉ…」
「そっか。寂しいな」
「あたしも寂しいです…けど、来週があるから我慢します。風邪引かないようにちゃんと気をつけますねっ」
ミサが剛に抱きつき、背伸びをしてキスをして笑った。
「えへへ」
「あ、ミサちゃん。来週は出来るだけ目立たないようにしてきてね。ミサちゃんみたいな可愛い子が温泉街にいたら目立つし誰かにミサちゃんって気付かれたら大変だから」
「わかってますよぉ。じゃ、来週っ」
ミサが手を振って、ドアを開けて出ていった。
あぁ、またミサちゃんに置いてかれた。…置いてかれるのってけっこう寂しいもんなんだな。今まで置いてく方だったから知らなかった。…早く帰って子供と遊ぼ…
剛もシャワーを浴びに行った。
ミサの綺麗な顔が快感で歪む。眉をしかめ、目を閉じている表情でさえも美しい。
「ミサちゃんが可愛いから」
「もぉ、だめっ…あ、んんっだめ、だめっ…」
ミサが気持ちよさそうに小さな声で喘ぐ。裸を見られることもそうだけどまだ恥じらいがあることから大きな声を出して思いっきり乱れることが出来なかった。
少し舌っ足らずで、鈴が鳴るような可愛い声が絞り出すその喘ぎ声は剛の男心を刺激して、ミサの「そんなに激しくしちゃだめ」という言葉は剛の耳に届かない。
「あ、だめだってばっ…!」
「そんな可愛い顔したら止められないよ」
「もう、ばかっ…」
ミサが手を繋いで欲しい、とお願いすると剛が自分の右手とミサの左手を繋いだ。
「ごめん、もう無理かも」
「あ、あんっ、ごうさん、すき、すきっ、だいすきっ…きもちいい…」
目を潤ませて剛に愛を伝えるミサ。
剛は、ミサが自分にベタ惚れなことをわかりきっている。普段なら鬱陶しくなってすぐに捨てたくなるけどミサは違った。
若くて可愛くて、素直で。今まで遊んできた女とは違ってまだまだ飽きそうにない。
胸は小さいけど敏感だし、それ以外のスタイルも、顔も完璧。感じやすいくせに恥じらいがあるところが可愛い。
ミサを初めていかせたのが自分だということも剛の征服感を満たした。
男は「初めて」と言われるのが好きだ。こんなに気持ちいいの初めて…と泣きそうな顔でミサが絶頂した時のことは今思い出しても興奮する。
結婚していて愛する妻と子供がいるから普段ミサのことを考えることは少ないけれど、もし独身ならミサと付き合ってたりしたかもな…なんだかんだでミサのことがけっこう好きなのかも、なんて錯覚に陥ってしまう。
ただそれは一時の感情だということを剛はわかっている。
こんなことをしていて説得力が全く無いけれど、剛は自分の妻のことをとても愛している。
子供が生まれた途端妻じゃなくて母親という感覚になってしまって女として見れなくなった、前ほどの愛情がなくなったなんて話を聞くことがあるけど剛にはそんな感情は一切無い。
忙しくて毎日帰れなくても文句一つ言わず、いつでも笑顔で迎えてくれる自分の妻が愛しくてたまらないし、子供が生まれて時間がゆっくり取りづらいことと自分が忙しいこともあり回数は少し減ったものの、結婚した当初から今もセックスはずっとしている。
なのにこんなことを繰り返すのは、昔に心から信用していた恋人に浮気されこっぴどく振られたからだろう。
いつ何があって、妻に冷められてまた捨てられるかわからない。それが不安で愛人を作ってしまう。
端正な顔立ちで、ミサ含め「奥さんがいてもいい」なんて女が放っておいても寄ってくるからタチが悪い。
昔は愛した人たった1人しか見えなかった。寧々が過去に剛に目も合わせてもらえず振られたのもそのせいだ。
その時の純粋な剛はもういない。そんなこと言い訳になるはずないし、我ながら最悪な人間だと思うけど理性では止めることが出来ない。
ただ、避妊はちゃんとしとかないとな。菜々ちゃん…今は寧々ちゃんだっけ。みたいにピル飲んでる子なら中出しも出来たけどミサちゃんからはそんな話聞いたことないしな。
とは思いつつ、剛は避妊をしないまま何度もミサを抱いている。
「俺も…。ミサちゃん、いくよ…」
「あ、まだだめ、いや…」
剛は最後にミサの中を強く突いて、自分のモノを抜いてミサのお腹に出した。
「もぉ、だめって言ったのに…」
そう言いながらも、剛さん、あたしとするの気持ちいいんだ…と少し嬉しくてミサは微笑んだ。
***
「まさか今日剛さんに会えるなんて思ってなかったな。来週までは会えないって思ってたし」
「俺もミサちゃんに会えると思ってなかったよ。忙しいからねミサちゃん」
「剛さんこそ」
2人でベッドに寝転んで、剛の腕に抱きつくミサ。なかなか会えない分一緒にいられる時間は出来るだけ甘えていたくて、剛と一緒に過ごしている時のミサはずっと剛にくっついている。
「来週はゆっくり出来そう?」
「お昼頃には撮影終わるみたいだし、後はゆっくり出来そうです。終わったらすぐ新幹線乗りますね。温泉楽しみ!」
「良かった。俺も仕事終わったらすぐ旅館向かうね」
ミサちゃん、温泉行かない?新しく出来る地方のファッションビルに視察に行くんだけど。ちょっと距離あるから泊まりだし、もし来れるなら旅館取ろうかなって。
1ヶ月前に剛に誘われ、どうしても行きたかったミサは休みを取ろうとしたけど撮影の日程上どうしても午前中に仕事が入ってしまった。けど次の日は休みだ。剛も仕事が終われば一緒にゆっくり過ごせそうで、ミサは楽しみで仕方なかった。
奥さんも子供もいる人と旅行なんて、最低だよね、あたし…
でもお願い。奥さん、あたしに剛さんを貸してください…
ミサは剛との関係に完全に酔っていた。
***
「じゃああたし、そろそろ帰りますね」
シャワーを浴び、身支度を整えたミサがクローゼットに入れていたコートを取り出した。
「もう帰っちゃうの?」
「明日撮影で、朝早いんですよぉ…」
「そっか。寂しいな」
「あたしも寂しいです…けど、来週があるから我慢します。風邪引かないようにちゃんと気をつけますねっ」
ミサが剛に抱きつき、背伸びをしてキスをして笑った。
「えへへ」
「あ、ミサちゃん。来週は出来るだけ目立たないようにしてきてね。ミサちゃんみたいな可愛い子が温泉街にいたら目立つし誰かにミサちゃんって気付かれたら大変だから」
「わかってますよぉ。じゃ、来週っ」
ミサが手を振って、ドアを開けて出ていった。
あぁ、またミサちゃんに置いてかれた。…置いてかれるのってけっこう寂しいもんなんだな。今まで置いてく方だったから知らなかった。…早く帰って子供と遊ぼ…
剛もシャワーを浴びに行った。
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