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第10話 転生せよ!ポニョ!
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「喜んでもらえて良かったです!」
『私も嬉しいです!あなたと好きなものを共有できて、本当に楽しいです!』
俺は林静を勘違いさせてしまった。
宗介は、完全に自分に心を開いたと――
次の瞬間だった。
『金銭的な問題を解決する方法があります暗号通貨をご存知ですか?』
震えた。
終わってしまうじゃないか…そんな事を聞くな林静!
林静とのLINEのやり取りが走馬灯のように頭を巡った。
この話を切り出した以上、林静はもう俺のポニョではなくなる。
流石にこの話には付き合いきれない。
『今の日本経済であれば、海外の金融事業などで生計を立てているはずです。
数あるプロジェクトの中で、暗号通貨は現在最も人気のある投資プロジェクトの1つです。
利益が大きく、投資に制限がなく、引き出しも簡単で、土日の制限もありません。勉強したいなら、私が教えてあげます(ハート)』
林静からの響かないハートは初めてだった。
転生させよう。詐欺師から林静を善人に!
これが俺の祈り、本当の願いだ。
今までのような口調ではダメだ。
真剣に話そう。
実は俺は為替取引をしている。
「ありがとう。
私は、私なりに日々勉強を続けています。
もちろん投資についても、自分の判断で慎重に取り組んでおり、すべて自己責任という考えのもとで行っています。
ただ、投資には絶対というものはありません。
もしあなたが勧めてくれた暗号通貨プロジェクトで、私が損失を出してしまった場合、それは結果としてあなたに対する信頼を失ってしまうことにもなりかねません。
私は誰かに投資を勧められて動くことはありませんし、自分から誰かに勧めることもありません。
だからこそ、私たちのやり取りは、そういった利害のない関係であってほしいと願っています。」
わかってくれポニョ。もうやめるんだ!
『いいえ、あなたは誤解しています。あなたが贈り物をくれたので、私はあなたを助けたいのです。
お金はかけさせませんが、勉強させてあげますから、いいですか。
行きましょう。ポニョがあなたを勉強させます。
ポニョが宗介の立ち上げ資金として預け入れてくれます。宗介は信じますか?』
……信じたい。ポニョの言葉を、信じたい。
だってそうだろう? 俺はこの3日間、どれだけ笑わせてもらった? どれだけ心が救われた?
だから俺は、今ここで突き放したくなかった。
たとえ99.99%が嘘でも、0.01%にかけてみたかった。
それが俺にできる“最後の祈り”だったのかもしれない。
「それはポニョにリスクがあります。
ノーリスクな投資はないです。
それに、それをするには口座を立ち上げるために私の個人情報が必要になるはずです」
『投資機関ではありませんこれは暗号通貨の使い方を教えたいだけです
宗介は心配しないで、私は何も考えていません、ただあなたの優しさに報いたいだけです。このお金はポニョのですから、宗介さんは心配しないでください、ただ勉強するだけです。儲けたら宗介は元金をポニョに返すことができます。』
……それでも。
信じたい。君が言う「報いたい」が、本心だったとしたら。
嘘でもいい。今この言葉だけは、信じさせてくれ――ポニョ。
『私も嬉しいです!あなたと好きなものを共有できて、本当に楽しいです!』
俺は林静を勘違いさせてしまった。
宗介は、完全に自分に心を開いたと――
次の瞬間だった。
『金銭的な問題を解決する方法があります暗号通貨をご存知ですか?』
震えた。
終わってしまうじゃないか…そんな事を聞くな林静!
林静とのLINEのやり取りが走馬灯のように頭を巡った。
この話を切り出した以上、林静はもう俺のポニョではなくなる。
流石にこの話には付き合いきれない。
『今の日本経済であれば、海外の金融事業などで生計を立てているはずです。
数あるプロジェクトの中で、暗号通貨は現在最も人気のある投資プロジェクトの1つです。
利益が大きく、投資に制限がなく、引き出しも簡単で、土日の制限もありません。勉強したいなら、私が教えてあげます(ハート)』
林静からの響かないハートは初めてだった。
転生させよう。詐欺師から林静を善人に!
これが俺の祈り、本当の願いだ。
今までのような口調ではダメだ。
真剣に話そう。
実は俺は為替取引をしている。
「ありがとう。
私は、私なりに日々勉強を続けています。
もちろん投資についても、自分の判断で慎重に取り組んでおり、すべて自己責任という考えのもとで行っています。
ただ、投資には絶対というものはありません。
もしあなたが勧めてくれた暗号通貨プロジェクトで、私が損失を出してしまった場合、それは結果としてあなたに対する信頼を失ってしまうことにもなりかねません。
私は誰かに投資を勧められて動くことはありませんし、自分から誰かに勧めることもありません。
だからこそ、私たちのやり取りは、そういった利害のない関係であってほしいと願っています。」
わかってくれポニョ。もうやめるんだ!
『いいえ、あなたは誤解しています。あなたが贈り物をくれたので、私はあなたを助けたいのです。
お金はかけさせませんが、勉強させてあげますから、いいですか。
行きましょう。ポニョがあなたを勉強させます。
ポニョが宗介の立ち上げ資金として預け入れてくれます。宗介は信じますか?』
……信じたい。ポニョの言葉を、信じたい。
だってそうだろう? 俺はこの3日間、どれだけ笑わせてもらった? どれだけ心が救われた?
だから俺は、今ここで突き放したくなかった。
たとえ99.99%が嘘でも、0.01%にかけてみたかった。
それが俺にできる“最後の祈り”だったのかもしれない。
「それはポニョにリスクがあります。
ノーリスクな投資はないです。
それに、それをするには口座を立ち上げるために私の個人情報が必要になるはずです」
『投資機関ではありませんこれは暗号通貨の使い方を教えたいだけです
宗介は心配しないで、私は何も考えていません、ただあなたの優しさに報いたいだけです。このお金はポニョのですから、宗介さんは心配しないでください、ただ勉強するだけです。儲けたら宗介は元金をポニョに返すことができます。』
……それでも。
信じたい。君が言う「報いたい」が、本心だったとしたら。
嘘でもいい。今この言葉だけは、信じさせてくれ――ポニョ。
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