37 / 142
第四章 1年生 2学期
5
しおりを挟む
エイジア製菓学校の学校祭、俺はカフェ専科の実行委員に選ばれている。
やる以上、成功させるのは当然だ。
最初のミーティングで委員長に立候補したら、すんなりと了承された。
「先生、過去の学校祭の資料をお願いします」
担任に頼んで 過去の実施プランと結果報告を用意してもらった。
「さすがに香川くんは社会人からだけあって、手順に無駄が無いね」
「一から始めるなんて、効率が悪すぎます。
過去から学べば、プランの7割は出来たも同然ですよ」
学校から許可をもらい、放課後に資料を読み込んでいく。
1週間で叩き台のプランを作り上げて、委員会に臨んだ。
「あと、一か月で学校祭になる。
俺たちに残された時間は少ない。そこで実施プランの叩き台を作ってみた。読んでくれ」
実行委員のLINEグループにPDFファイルを貼り付けた。
委員たちが、静かにスマホの画面を見ている。
「ここ10年間の実施プランと結果報告を、全て調べて作ってる。
異論、反論があれば、言って欲しい」
あえて追い打ちをかける、文句が有れば聞いてやるよくらいの気持ちだ。
俺のプランはあっさりと了承されて、製菓学科との会合になった。
結果から言うと、向こうのプランは穴だらけだった。
俺が過去の失敗を例にあげて反論したら、ぐうの音も出ないほど静かになる。
実現可能なプランをこちらが提案すると、飛びついてきて無事に会議はクリア出来た。
「香山さん、さすがです」
製菓側の委員、山本涼介が褒めてくれる。
「時間が無いんだ、会議は夢を語る場所じゃない」
「まさか15分で終わるとは思ってなかったです」
「会議は決める場所だ、決議だけなら5分もあればいい」
カフェ学科は俺が一任を取り付けているから、あとは製菓の担当が涼介なら話が早い。
「涼介、製菓側の責任者になれ。俺と二人で牛耳ろうぜ」
「やりますか」
「邪魔な女子を手なずけて、俺たちで仕切る」
涼介はもっと出来るはずだが、男子高出身だけに女子に遠慮がある。
紗彩との仲も、あと一歩踏み込めていないようだ。
俺と組んで成長すれば、周りの評価も変わるだろう。
面倒な事は、人に押し付ける。
今の若者気質を逆手に取り、涼介が委員長に立候補して合議制から製菓の一任を取り付けた。
あとは俺たちで全部決めていいから、成功したも同然だ。
ティータイムは、ドリンクとスイーツ3点セットが候補だ。
製菓の実習室でアップルパイとモンブランの試作をしている山本涼介と山田健太に付き合っていた。
「アップルパイとモンブランって、定番過ぎません?」
健太が俺に聞いてくる。
「健太、客を考えてみろ。学生の親、兄弟や友達、受験生と保護者がメインのはずだ。
市販のケーキと比べやすい定番のケーキは、俺たちの腕が試される。
製菓の人間は手が抜けないはずだ」
「香山さん、怖いことを考えてますね」
「プレッシャーがあるから、成長出来るんだ。
俺がトップに立つ以上、誰も甘やかさないよ」
やる以上、成功させるのは当然だ。
最初のミーティングで委員長に立候補したら、すんなりと了承された。
「先生、過去の学校祭の資料をお願いします」
担任に頼んで 過去の実施プランと結果報告を用意してもらった。
「さすがに香川くんは社会人からだけあって、手順に無駄が無いね」
「一から始めるなんて、効率が悪すぎます。
過去から学べば、プランの7割は出来たも同然ですよ」
学校から許可をもらい、放課後に資料を読み込んでいく。
1週間で叩き台のプランを作り上げて、委員会に臨んだ。
「あと、一か月で学校祭になる。
俺たちに残された時間は少ない。そこで実施プランの叩き台を作ってみた。読んでくれ」
実行委員のLINEグループにPDFファイルを貼り付けた。
委員たちが、静かにスマホの画面を見ている。
「ここ10年間の実施プランと結果報告を、全て調べて作ってる。
異論、反論があれば、言って欲しい」
あえて追い打ちをかける、文句が有れば聞いてやるよくらいの気持ちだ。
俺のプランはあっさりと了承されて、製菓学科との会合になった。
結果から言うと、向こうのプランは穴だらけだった。
俺が過去の失敗を例にあげて反論したら、ぐうの音も出ないほど静かになる。
実現可能なプランをこちらが提案すると、飛びついてきて無事に会議はクリア出来た。
「香山さん、さすがです」
製菓側の委員、山本涼介が褒めてくれる。
「時間が無いんだ、会議は夢を語る場所じゃない」
「まさか15分で終わるとは思ってなかったです」
「会議は決める場所だ、決議だけなら5分もあればいい」
カフェ学科は俺が一任を取り付けているから、あとは製菓の担当が涼介なら話が早い。
「涼介、製菓側の責任者になれ。俺と二人で牛耳ろうぜ」
「やりますか」
「邪魔な女子を手なずけて、俺たちで仕切る」
涼介はもっと出来るはずだが、男子高出身だけに女子に遠慮がある。
紗彩との仲も、あと一歩踏み込めていないようだ。
俺と組んで成長すれば、周りの評価も変わるだろう。
面倒な事は、人に押し付ける。
今の若者気質を逆手に取り、涼介が委員長に立候補して合議制から製菓の一任を取り付けた。
あとは俺たちで全部決めていいから、成功したも同然だ。
ティータイムは、ドリンクとスイーツ3点セットが候補だ。
製菓の実習室でアップルパイとモンブランの試作をしている山本涼介と山田健太に付き合っていた。
「アップルパイとモンブランって、定番過ぎません?」
健太が俺に聞いてくる。
「健太、客を考えてみろ。学生の親、兄弟や友達、受験生と保護者がメインのはずだ。
市販のケーキと比べやすい定番のケーキは、俺たちの腕が試される。
製菓の人間は手が抜けないはずだ」
「香山さん、怖いことを考えてますね」
「プレッシャーがあるから、成長出来るんだ。
俺がトップに立つ以上、誰も甘やかさないよ」
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』
月神世一
SF
【あらすじ】
「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」
坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。
かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。
背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。
目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。
鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。
しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。
部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。
(……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?)
現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。
すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。
精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。
これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる