君の瞳に囚われて

ビスケット

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見える目

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侯爵家からの迎えが来るまであと一ヶ月を切ったある日、侯爵家別邸の広大な庭では、今日も今日とて鬼ごっこにきょうじている二人がいた。

40がらみの中年の男と、黒髪をきらめかせながらちょこまかと逃げ回るまだ小さな子供だ。
子供は、全身黒衣をまとい、常に身を隠せる場所にあたりを付けながらも、男を見失わないように逃げ回り、男の火魔法をかわし続けていた。

そして、その日初めて 男にチェックメイトと言わせることなく、逃げ切ったのだった。

「昼食の仕込みの時間になりましたので これまでです。」
デモンが、そう言ったとき、俺は身を隠した茂みの中で ガッツポーズをして勝利をかみしめたのだった。

ひょっこりと  茂みから姿を現して、デモンに近づいていったその時、何気なにげなく立つデモンの手に、火魔法の魔力の粒子が集まっているのに気がついた。
「その手に乗るか!」
俺は素早く身をひるがえし、手近な木影に身を隠して叫んだ。
「デモンの嘘つき!もう鬼ごっこは終わったって言ったくせに!」

「坊ちゃん、なぜ私が攻撃することが分かったんですか?」
デモンの周りから粒子が消えていくのを確認してから姿を現すと、俺はデモンに言った。
「何でって。火魔法を使おうとしてたじゃない。」

「どうしてそれが分かったのですか?」
「どうしてって、魔力が集まってたからさすがに分かるよ。」
デモンは、一瞬考えをめぐらすと、更にうてきた。
「坊ちゃん、今 私が何をしようとしているか分かりますか?」
見ると、デモンの手に青い粒子がきらめいていた。
水魔法みずまほう?」
「・・・なるほど。正解です。」
言った瞬間に水鉄砲みずでっぽうを顔に当てられたのだった。
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