28 / 51
執務室にて
しおりを挟む
顔合わせが終わった後、侯爵に これからの話をするといって 執務室に連れていかれた。つむじの おっさんもついてきた。
魔方陣で出迎えを受けたときは頭頂部、応接室に案内されるときには後頭部ぐらいしかまともに目に入らなかったので、おっさんの顔をはっきり認識したのはこの時が初めてだった。
おっさんはリチャードと言って、侯爵家本邸の執事とのことだったが、30後半のシュッとした感じの男だった。
この若さで侯爵本邸の総括を任されるということは、相当できる男なのだろう。面白くない。
侯爵といい、リチャードといい、前世の俺の周りにいなかったタイプだ。
じゃあ俺を含め まわりがどんなタイプだったかというと、もてないタイプの体育会系だ。ほっとけ。
そんなわけで 正直いけ好かないわけである。
けっして もてなかったひがみではない。ないったらない。
リチャードは侯爵に部屋の入り口で待つように言われて、少し意外そうな表情をして、かしこまりましたと執務室から出て行った。
執務室に入ると、飾り気がほとんどない実務的な内装の部屋だった。
極シンプルな応接セットが置いてあって、そこに座るように言うと、侯爵はこちらからは見えない執務机の引き出しの中から何かを取り出した。
俺の前に座ると、テーブルの上にそれを置いた。
それは、大人の男性サイズの腕輪に見えたが、これはチョーカータイプの魔法防御と位置認識の魔道具であると侯爵は説明した。これを肌身離さずつけておくようにと、侯爵は言った。
言うなればGPS付きの防弾チョッキだ。
貴族の男は、何かしら魔法防御の魔道具を身に着けているらしいが、指輪やピアスが主流だ。
男なのに結婚指輪以外でアクセサリーを、しかもネックレスを付けることにものすごく抵抗を感じた。
GPSのほうは論外だ。プライバシーの侵害もいいところだ。
おれは心底いやそうな顔をしていたのだろう、侯爵は苦笑いをしてこう言った。
「デモンから話はきいているな?お前は魔力がなく魔眼持ちだ。
いや魔力なしや魔眼云々の前に、お前はこれを絶対に身につけていたほうがいい。
目立たないように常に服の下に着けておくんだ。」
「・・・わかりました。」
しぶしぶ返事をすると、侯爵は、装着に魔力を流す必要があるので今つけるように言った。
俺は諦めてリボンを外し、ブラウスをくつろげるとチョーカーの金具を止めた。
侯爵は金具に手を当てて、魔力を流した。
移転魔法のように、何色もの粒子がきらめいたかと思うと、金具に集まってきて、吸い込まれるように消えてしまった。チョーカーの装着が終わって、手を這わせてみると金具が消えてつるりとしていた。
いやいやいや、まんま首輪だこれ・・・それに。
「金具が消えましたが、どうやって外すんですか、これ。」
と聞いたら、外す必要はないという一言で終わってしまった。なんでやねん。。。
魔方陣で出迎えを受けたときは頭頂部、応接室に案内されるときには後頭部ぐらいしかまともに目に入らなかったので、おっさんの顔をはっきり認識したのはこの時が初めてだった。
おっさんはリチャードと言って、侯爵家本邸の執事とのことだったが、30後半のシュッとした感じの男だった。
この若さで侯爵本邸の総括を任されるということは、相当できる男なのだろう。面白くない。
侯爵といい、リチャードといい、前世の俺の周りにいなかったタイプだ。
じゃあ俺を含め まわりがどんなタイプだったかというと、もてないタイプの体育会系だ。ほっとけ。
そんなわけで 正直いけ好かないわけである。
けっして もてなかったひがみではない。ないったらない。
リチャードは侯爵に部屋の入り口で待つように言われて、少し意外そうな表情をして、かしこまりましたと執務室から出て行った。
執務室に入ると、飾り気がほとんどない実務的な内装の部屋だった。
極シンプルな応接セットが置いてあって、そこに座るように言うと、侯爵はこちらからは見えない執務机の引き出しの中から何かを取り出した。
俺の前に座ると、テーブルの上にそれを置いた。
それは、大人の男性サイズの腕輪に見えたが、これはチョーカータイプの魔法防御と位置認識の魔道具であると侯爵は説明した。これを肌身離さずつけておくようにと、侯爵は言った。
言うなればGPS付きの防弾チョッキだ。
貴族の男は、何かしら魔法防御の魔道具を身に着けているらしいが、指輪やピアスが主流だ。
男なのに結婚指輪以外でアクセサリーを、しかもネックレスを付けることにものすごく抵抗を感じた。
GPSのほうは論外だ。プライバシーの侵害もいいところだ。
おれは心底いやそうな顔をしていたのだろう、侯爵は苦笑いをしてこう言った。
「デモンから話はきいているな?お前は魔力がなく魔眼持ちだ。
いや魔力なしや魔眼云々の前に、お前はこれを絶対に身につけていたほうがいい。
目立たないように常に服の下に着けておくんだ。」
「・・・わかりました。」
しぶしぶ返事をすると、侯爵は、装着に魔力を流す必要があるので今つけるように言った。
俺は諦めてリボンを外し、ブラウスをくつろげるとチョーカーの金具を止めた。
侯爵は金具に手を当てて、魔力を流した。
移転魔法のように、何色もの粒子がきらめいたかと思うと、金具に集まってきて、吸い込まれるように消えてしまった。チョーカーの装着が終わって、手を這わせてみると金具が消えてつるりとしていた。
いやいやいや、まんま首輪だこれ・・・それに。
「金具が消えましたが、どうやって外すんですか、これ。」
と聞いたら、外す必要はないという一言で終わってしまった。なんでやねん。。。
23
あなたにおすすめの小説
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
龍の寵愛を受けし者達
樹木緑
BL
サンクホルム国の王子のジェイドは、
父王の護衛騎士であるダリルに憧れていたけど、
ある日偶然に自分の護衛にと推す父王に反する声を聞いてしまう。
それ以来ずっと嫌われていると思っていた王子だったが少しずつ打ち解けて
いつかはそれが愛に変わっていることに気付いた。
それと同時に何故父王が最強の自身の護衛を自分につけたのか理解す時が来る。
王家はある者に裏切りにより、
無惨にもその策に敗れてしまう。
剣が苦手でずっと魔法の研究をしていた王子は、
責めて騎士だけは助けようと、
刃にかかる寸前の所でとうの昔に失ったとされる
時戻しの術をかけるが…
うちの家族が過保護すぎるので不良になろうと思います。
春雨
BL
前世を思い出した俺。
外の世界を知りたい俺は過保護な親兄弟から自由を求めるために逃げまくるけど失敗しまくる話。
愛が重すぎて俺どうすればいい??
もう不良になっちゃおうか!
少しおばかな主人公とそれを溺愛する家族にお付き合い頂けたらと思います。
初投稿ですので矛盾や誤字脱字見逃している所があると思いますが暖かい目で見守って頂けたら幸いです。
※(ある日)が付いている話はサイドストーリーのようなもので作者がただ書いてみたかった話を書いていますので飛ばして頂いても大丈夫です。
※度々言い回しや誤字の修正などが入りますが内容に影響はないです。
もし内容に影響を及ぼす場合はその都度報告致します。
なるべく全ての感想に返信させていただいてます。
感想とてもとても嬉しいです、いつもありがとうございます!
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる