君の瞳に囚われて

ビスケット

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金の鈴

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そんな風に、侯爵に俺のことが駄々洩れだったとはつゆ知らず、部屋の外で待機中のリチャードを呼ぶ鈴を侯爵が鳴らすのを聞きながら、おっさんが入ってくる前にボタンを留めとくかと思ったその時、俺はそれにようやく気が付いて茫然としてしまった。

俺は体にGPSを埋め込まれた犯罪者よろしく、絶対に逃げられなくなったことに。
逃げてもすぐ場所が割れて追手がくるやんけ。
攻撃力もないのに、逃げ隠れまでもができなくなってしまった。
おれ・・・詰んだ・・・

せっかくデモンのやつに着せられそうになった、あのやたらときらきらしい服から逃げおおせたと思ったのに、今後は何を着ようとも俺は丸裸であるということだ。
正直意識が飛んでしまった。

気が付いたら、おっさんに服のボタンとリボンを結ばれていて、今日だけで二回も、おっさんのつむじを拝む羽目になってしまったのだった。

俺の安全を確保するためとはいえ、これを嵌められたからには もう逃げも隠れも出来なくなったと諦めて、何とかここで戦うすべを探す方向で動いていこう と切り替え、同時に侯爵はやっぱり気に入らない野郎だと再確認したのだった。

いま首に嵌められているチョーカーは、白金のベースに転移の魔方陣に似た複雑な文様と透かし彫りが入っていて、真ん中に黄金色の大ぶりな石がはめられていた。
なぜだろう、ここに来る前に魔方陣の前で金のリボンを握り締めていた あいつの顔がちらついた。

まんま首輪にしか見えないチョーカーに嵌められた 金色の石が、猫の首輪に着けられた 鈴みたいに見えてきて、やるせなさにちょっと泣いてしまったのは秘密である。
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