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四者面談
侯爵家の面々が集まった優雅な朝食の席。
焼きたての白パンに、スクランブルエッグとベーコンとコンソメスープ、サラダにフルーツ。
恐らくだが、全ての食材の質は最高級で、調理の腕も一流だ。流れるような給仕で、存在を余り感じさせないプロフェッショナルなメイドが何人もいる。
毎朝思うが、このホテルで出されるようなクオリティの食事を毎食出すことが当たり前に出来る侯爵家の財力が計り知れない。この世界の高位貴族って半端ないな。
こんなに毎日旨いものを食って、それに慣らされてしまったら俺は市井に行けるんだろうか。
そんな危機感を感じながらも、うまうまと食べるのに夢中な6歳児の俺である。
朝食の後、俺は侯爵にお願いして話を聞いてもらう予定だった。
朝食後、侯爵と連れだって別室に行こうとすると、一緒に話を聞くと言って なぜか レオとアレクも付いてきた。
これが生粋の貴族という奴か。
兄として末の弟への目付役としての責任感が既に備わっている。
俺なんて妹をもちろん可愛いとは思っていたが、基本的に放置だった気がするので、面倒見の良いこいつらに感心してしまう。
そして当然のように付いてくるレオとアレクに対して侯爵もチラリと見たが、なにも言ってこないので、結果 四者面談となってしまったのだった。
「・・・剣の稽古?」
目の前に座る侯爵が意外そうな声を出した。
おれの両脇に陣取るレオとアレクが同時におれの方を向いてきた。
「はい。先日カイヤ先生から授業でお聞きしたのです。代々王家のおそば近くに仕えるグラン侯爵家は、その魔力があればこそと。
代々高い魔力を持ってして王家を支えてきた先祖の礎の上に今の侯爵家があるとおっしゃっていました。」
レオとアレクがいないときに、俺が魔力なしであることを織り交ぜながら、もっと嫌みったらしく言ってきたがな。
思わず中学時代のむかつく国語教師を思い出した俺である。
とはいえ、侯爵家で浮きまくっている俺としては、その気持ちが分からないでもない。
よってオブラートを10枚掛けにしてやった俺、超やさしい。
そして面談は進んで行った。
「・・・それで?」
侯爵が話を促したので、俺は要求を言った。
「私は魔力がないので 魔力によって侯爵家のお役に立つことは出来ません。
先日、ヘルメス様から剣をいただいて思ったのです。剣の腕を研いて市井の者達を守ることでお役に立てないかと。」
元警察官だからな。将来の選択肢としては悪くない気がする。
「騎士を目指すと言うことか?」
「はい。」
本当は貴族社会からは離脱したい所なんだが、魔眼持ちが魔力なしで市井に下りて魔眼持ちがばれたが最後、間違いなくある日突然行方不明になると、とある男に言われた。
とある男とは、もちろんデモンだ。
「大人になったら、侯爵家を出て市井でやっていくつもり。じいさんがやってた冒険者とかちょい憧れる。」的なことを言ったら、妙にひんやりした声でそう淡々と言われて恐ろしさ5割増しだった。
いやお前こそガラをさらうその筋の者みたいだからな!?そう心の中で叫ぶ俺にデモンはこうも言った。
自分の身を守るためには貴族であり続け、王家の傘の中にいることは必須である、と。
魔眼持ちであることで必ずしも王家にどうこうされる訳ではないが、ばれないに越したことはないと言われたのだった。
「王家直轄の騎士団の下部組織に、幼年科があることにはある。」
えっ、そんなのあるんだ!俺はおあつらえ向きな訓練場所を知っておっ、と思った。
するとそこでレオとアレクが声を上げた。
「王家直属というと近衛騎士団ですか?
お父様、そこは魔力に恵まれなかった貴族子弟が集まった騎士団ですよね。5代前の王の肝いりで設立され、以来王への絶対的な忠誠心から付いた別名が〈王家の盾〉。」
「しかも、その厳しさで有名な。」
「そうだ。しかし、カインは王宮に近づけさせる訳にはいかない。ヘルメス様に剣を下賜されたのは想定外だった。
・・・レオポルド、アレクシスには言っておく。
カインは魔眼を持っている。そして、魔力はない。それがどういうことか分かるな?」
二人とも絶句していた。
「お父様、なぜカインを・・・」
聖域から出したのだという言葉をアレクシスは発することはなかった。
全ての貴族に課された王立魔法学院への入学は避けられないし、何より聖域から出てこなければこうしてカインを知ることなどなかったのだと思ったからだった。
「お母様はご存じなのですか。」
それにレオポルドが、続けた。
「ヘレネの耳に入れれば王家との板挟みで思い悩ませることになる。明らかになる日までは言うことはない。このことを知るのは私とデモンとお前達だけだ。」
「・・・承知しました。」
レオポルドとアレクシスはお互いにチラリと視線を合わせると、絶対にヘルメスに知られてはいけないという思いを共有したのだった。
焼きたての白パンに、スクランブルエッグとベーコンとコンソメスープ、サラダにフルーツ。
恐らくだが、全ての食材の質は最高級で、調理の腕も一流だ。流れるような給仕で、存在を余り感じさせないプロフェッショナルなメイドが何人もいる。
毎朝思うが、このホテルで出されるようなクオリティの食事を毎食出すことが当たり前に出来る侯爵家の財力が計り知れない。この世界の高位貴族って半端ないな。
こんなに毎日旨いものを食って、それに慣らされてしまったら俺は市井に行けるんだろうか。
そんな危機感を感じながらも、うまうまと食べるのに夢中な6歳児の俺である。
朝食の後、俺は侯爵にお願いして話を聞いてもらう予定だった。
朝食後、侯爵と連れだって別室に行こうとすると、一緒に話を聞くと言って なぜか レオとアレクも付いてきた。
これが生粋の貴族という奴か。
兄として末の弟への目付役としての責任感が既に備わっている。
俺なんて妹をもちろん可愛いとは思っていたが、基本的に放置だった気がするので、面倒見の良いこいつらに感心してしまう。
そして当然のように付いてくるレオとアレクに対して侯爵もチラリと見たが、なにも言ってこないので、結果 四者面談となってしまったのだった。
「・・・剣の稽古?」
目の前に座る侯爵が意外そうな声を出した。
おれの両脇に陣取るレオとアレクが同時におれの方を向いてきた。
「はい。先日カイヤ先生から授業でお聞きしたのです。代々王家のおそば近くに仕えるグラン侯爵家は、その魔力があればこそと。
代々高い魔力を持ってして王家を支えてきた先祖の礎の上に今の侯爵家があるとおっしゃっていました。」
レオとアレクがいないときに、俺が魔力なしであることを織り交ぜながら、もっと嫌みったらしく言ってきたがな。
思わず中学時代のむかつく国語教師を思い出した俺である。
とはいえ、侯爵家で浮きまくっている俺としては、その気持ちが分からないでもない。
よってオブラートを10枚掛けにしてやった俺、超やさしい。
そして面談は進んで行った。
「・・・それで?」
侯爵が話を促したので、俺は要求を言った。
「私は魔力がないので 魔力によって侯爵家のお役に立つことは出来ません。
先日、ヘルメス様から剣をいただいて思ったのです。剣の腕を研いて市井の者達を守ることでお役に立てないかと。」
元警察官だからな。将来の選択肢としては悪くない気がする。
「騎士を目指すと言うことか?」
「はい。」
本当は貴族社会からは離脱したい所なんだが、魔眼持ちが魔力なしで市井に下りて魔眼持ちがばれたが最後、間違いなくある日突然行方不明になると、とある男に言われた。
とある男とは、もちろんデモンだ。
「大人になったら、侯爵家を出て市井でやっていくつもり。じいさんがやってた冒険者とかちょい憧れる。」的なことを言ったら、妙にひんやりした声でそう淡々と言われて恐ろしさ5割増しだった。
いやお前こそガラをさらうその筋の者みたいだからな!?そう心の中で叫ぶ俺にデモンはこうも言った。
自分の身を守るためには貴族であり続け、王家の傘の中にいることは必須である、と。
魔眼持ちであることで必ずしも王家にどうこうされる訳ではないが、ばれないに越したことはないと言われたのだった。
「王家直轄の騎士団の下部組織に、幼年科があることにはある。」
えっ、そんなのあるんだ!俺はおあつらえ向きな訓練場所を知っておっ、と思った。
するとそこでレオとアレクが声を上げた。
「王家直属というと近衛騎士団ですか?
お父様、そこは魔力に恵まれなかった貴族子弟が集まった騎士団ですよね。5代前の王の肝いりで設立され、以来王への絶対的な忠誠心から付いた別名が〈王家の盾〉。」
「しかも、その厳しさで有名な。」
「そうだ。しかし、カインは王宮に近づけさせる訳にはいかない。ヘルメス様に剣を下賜されたのは想定外だった。
・・・レオポルド、アレクシスには言っておく。
カインは魔眼を持っている。そして、魔力はない。それがどういうことか分かるな?」
二人とも絶句していた。
「お父様、なぜカインを・・・」
聖域から出したのだという言葉をアレクシスは発することはなかった。
全ての貴族に課された王立魔法学院への入学は避けられないし、何より聖域から出てこなければこうしてカインを知ることなどなかったのだと思ったからだった。
「お母様はご存じなのですか。」
それにレオポルドが、続けた。
「ヘレネの耳に入れれば王家との板挟みで思い悩ませることになる。明らかになる日までは言うことはない。このことを知るのは私とデモンとお前達だけだ。」
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