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下界にて
8:カーラ
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ディックが床に這いつくばって、見失った魔道具を探していると、玄関の方からドアをドンドンと叩く音と、ディックを呼ぶ声がした。ディックは慌てて立ち上がって、応対に出た。
玄関の外にいたのは、数人の男女。
その中に、私が前世のゲームで見知った顔が二人いた。それは、前日譚で私の継母と継父になる男女。
「おい、でかける準備はできたか?」
「あ…ああ。…すぐにでも出られるぞ。」
未来の継父の問いに、ディックが名残惜しそうに言った。ごめん伯父さん。外泊中のお愉しみはお預けよ。
「よし。で、こいつが俺の知り合いで、お前の留守の間マリアンヌとユーテリアの面倒を見てくれる、カーラだ。カーラ、こいつがディック。」
「カーラよ。よろしく、ディック。」
「よろしく。奥の寝台に妻のマリアンヌが休んでる。病気で体が消耗してるので、いたわってやって欲しい。そこにいる赤ん坊が娘のユーテリアだ。」
「よろしくね、ユッティ。」
「あう(人をUTみたいに呼ぶな!)」
…それにしても、ご近所さんたちには、お母さんたちは「夫婦」って事になってるのか…。
こうして、ディック達は日暮れとともに、町に向かって出かけて行った。掘っ立て小屋に残ったのは、眠っているお母さんと私、それと未来の継母カーラ、の三人だけになった。
カーラ、よく見ると身籠ってるみたいだな。
おかしいな、前日譚では、カーラ達の連れ子は私より歳上って言ってた気がするんだけどな。他に子供がいたという描写はなかったし。さてはユーテリアを騙してやがったな…。
カーラは、マリアンヌが眠っているのを確かめると、面倒くさそうに呟いた。
「さーて、まずはあんたに飯を食わせて、おねんねしてもらおうかしら。」
そう言って、戸棚から椀を取り出し、持ってきた水筒の中身を少し入れた。お母さんのお乳はもうほとんど出ないので、私のご飯は重湯だ。カーラは私を乱暴に抱き上げ、椀の中身をスプーンですくって、私に飲ませようとした。
え、何この匂い。これ、本当に食べられるの!?
意を決して少し舐めてみたが、まずい。ディックが作ってくれる重湯の方が何万倍も美味しい。
思わず顔を背けたら、カーラが私の口を指でつまんで無理やりこじ開け、口の中にこの謎の白い液体を容赦なく流し込み始めた。
数分間の、食事という名の拷問ののち、私はやっとカーラから解放された。
床に座り続ける気力もなく、絨毯の上で突っ伏して、何気なく壁際の家具の下に目線を向けると、さっき私が収納したと思い込んでいた魔道具が、家具の下に転がっているのが見えた。
「(…なんだ、握力が足りなくて、転がってっただけか…)」
何か、家捜しを始めたカーラの目を盗み、魔道具を回収した。
この魔道具、名前を擬陰と言い、要するに自慰のための魔具だ。この魔道具は呪具ではなく、ちょっとお高いけど、この世界ではその辺の雑貨屋でも売ってるありふれた物で、模倣獣という魔物の素材を使い、性属性の魔法で作られている。
この魔道具に、生き物の体組織の一部…髪の毛とか爪とか…を与えると、その生き物の性器を忠実に再現するのだ。体組織はその都度毎回用意しなきゃならないが、魔道具自体は何度でも使える。
ところで設定資料では、陰毛を使う方が頭髪を使うより効果が高い、みたいな事が書いてあったけど、実はこの世界の人って、(ゲームのビジュアルがそうであるように)陰毛が生えてる人っていないのよね…。お母さんも生えてなかったし。あの説明、一体なんだったのかしら。
「(ディックの奴、ひょっとしてお母さんのアソコで愉しむつもりだったの!?兄妹なのに!)」
まあ、アディアナ様は近親愛をお認めなので、実はこの世界では兄弟姉妹の夫婦も珍しくはないのだ。さすがエロゲ世界。
私の計画はこうだ。
まず、夜中、ユリナス達が町を出発する頃を見計らって、眠っているお母さんの股の間に移動する。
それから、魔道具にディックの髪の毛をセットして、それを、お母さんのアソコに…ぶすり。
そうすると、お母さんの聖気が弱まり、中和しきれなかった瘴気がお母さんの体から溢れ出る、はず。
大賢者の最も重要なお仕事は瘴気の浄化。だから逆転の発想で、聖気ではなく、瘴気の気配をつかって、ユリナスをおびき寄せれば良い。
私、天才!
思わずディックの髪の毛と魔道具を握ってガッツポーズしたら、黒い笑みを浮かべたカーラと目があってしまった。
玄関の外にいたのは、数人の男女。
その中に、私が前世のゲームで見知った顔が二人いた。それは、前日譚で私の継母と継父になる男女。
「おい、でかける準備はできたか?」
「あ…ああ。…すぐにでも出られるぞ。」
未来の継父の問いに、ディックが名残惜しそうに言った。ごめん伯父さん。外泊中のお愉しみはお預けよ。
「よし。で、こいつが俺の知り合いで、お前の留守の間マリアンヌとユーテリアの面倒を見てくれる、カーラだ。カーラ、こいつがディック。」
「カーラよ。よろしく、ディック。」
「よろしく。奥の寝台に妻のマリアンヌが休んでる。病気で体が消耗してるので、いたわってやって欲しい。そこにいる赤ん坊が娘のユーテリアだ。」
「よろしくね、ユッティ。」
「あう(人をUTみたいに呼ぶな!)」
…それにしても、ご近所さんたちには、お母さんたちは「夫婦」って事になってるのか…。
こうして、ディック達は日暮れとともに、町に向かって出かけて行った。掘っ立て小屋に残ったのは、眠っているお母さんと私、それと未来の継母カーラ、の三人だけになった。
カーラ、よく見ると身籠ってるみたいだな。
おかしいな、前日譚では、カーラ達の連れ子は私より歳上って言ってた気がするんだけどな。他に子供がいたという描写はなかったし。さてはユーテリアを騙してやがったな…。
カーラは、マリアンヌが眠っているのを確かめると、面倒くさそうに呟いた。
「さーて、まずはあんたに飯を食わせて、おねんねしてもらおうかしら。」
そう言って、戸棚から椀を取り出し、持ってきた水筒の中身を少し入れた。お母さんのお乳はもうほとんど出ないので、私のご飯は重湯だ。カーラは私を乱暴に抱き上げ、椀の中身をスプーンですくって、私に飲ませようとした。
え、何この匂い。これ、本当に食べられるの!?
意を決して少し舐めてみたが、まずい。ディックが作ってくれる重湯の方が何万倍も美味しい。
思わず顔を背けたら、カーラが私の口を指でつまんで無理やりこじ開け、口の中にこの謎の白い液体を容赦なく流し込み始めた。
数分間の、食事という名の拷問ののち、私はやっとカーラから解放された。
床に座り続ける気力もなく、絨毯の上で突っ伏して、何気なく壁際の家具の下に目線を向けると、さっき私が収納したと思い込んでいた魔道具が、家具の下に転がっているのが見えた。
「(…なんだ、握力が足りなくて、転がってっただけか…)」
何か、家捜しを始めたカーラの目を盗み、魔道具を回収した。
この魔道具、名前を擬陰と言い、要するに自慰のための魔具だ。この魔道具は呪具ではなく、ちょっとお高いけど、この世界ではその辺の雑貨屋でも売ってるありふれた物で、模倣獣という魔物の素材を使い、性属性の魔法で作られている。
この魔道具に、生き物の体組織の一部…髪の毛とか爪とか…を与えると、その生き物の性器を忠実に再現するのだ。体組織はその都度毎回用意しなきゃならないが、魔道具自体は何度でも使える。
ところで設定資料では、陰毛を使う方が頭髪を使うより効果が高い、みたいな事が書いてあったけど、実はこの世界の人って、(ゲームのビジュアルがそうであるように)陰毛が生えてる人っていないのよね…。お母さんも生えてなかったし。あの説明、一体なんだったのかしら。
「(ディックの奴、ひょっとしてお母さんのアソコで愉しむつもりだったの!?兄妹なのに!)」
まあ、アディアナ様は近親愛をお認めなので、実はこの世界では兄弟姉妹の夫婦も珍しくはないのだ。さすがエロゲ世界。
私の計画はこうだ。
まず、夜中、ユリナス達が町を出発する頃を見計らって、眠っているお母さんの股の間に移動する。
それから、魔道具にディックの髪の毛をセットして、それを、お母さんのアソコに…ぶすり。
そうすると、お母さんの聖気が弱まり、中和しきれなかった瘴気がお母さんの体から溢れ出る、はず。
大賢者の最も重要なお仕事は瘴気の浄化。だから逆転の発想で、聖気ではなく、瘴気の気配をつかって、ユリナスをおびき寄せれば良い。
私、天才!
思わずディックの髪の毛と魔道具を握ってガッツポーズしたら、黒い笑みを浮かべたカーラと目があってしまった。
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