2 / 2
第一章 学園編
学園
しおりを挟む
「ほぉ~でかいな。ここが王立学園か」
国王との会話から2日後、クリスは王立学園の目の前に立っていた。
クリス自身は学園に通わずに賢者や大賢者になったので、名前こそ聞いたことはあったが、実際に見るのは初めてでスケールの大きさに驚いた。
髙い塀に囲まれた学園を眺めながらゆっくりと入り口へ向かって歩くと、両側に衛兵の立っている門が見えてきた。
「すいません」
「はい、いかがされましたか?」
「本日からこの学園で教師をやることになったのですが...」
「さようでございますか、ではこのまま真っすぐ歩いていかれると、校舎の入り口が見えてきます。そこに受付のかたがいらっしゃるので、そこで詳しく聞いてみてください」
そう言いながら、門を開けてくれた。
クリスは衛兵にお礼を言い、そのまま真っすぐ歩いて校舎のほうへと向かった。少し門から距離があり、3分ほど歩いたところでやっと校舎の入り口が見えてきたのでそのまま中へ入り、受付嬢に
本日伺った要件を話した。担当者を呼んでくるから少し待っていてほしいと頼まれ、近くに置いてあった椅子にゆっくりと腰を下ろした。
5分ほど待ったころに、先ほどの受付嬢と一緒にもう1人の女性が近づいてきた。
「クリス様、お待たせいたしました。学園長のところまでご案内いたします」
その女性が俺の名前に敬称をつけていたことに、受付嬢は少し驚いていたので、目の前にいる女性がこの学園で相当上の立場なんだろうなと予想できた。
「あぁ、ありがとう。よろしく頼むよ」
俺はそう言いながら席から立ち上がり、女性の後ろをついていきながら学園長のところへと向かった。
前を歩く女性は淡々と進んでいき、5階にある学園長室の前まで一言もしゃべることなく到着した。
女性は扉をノックし、
「学園長、クリス様をお連れいたしました」
というと、中から「入りなさい」と一言返ってきた。
女性に続いてクリスは中に入ると、目を瞠るような美人が待っていた。
「初めまして、王立学園の学園長をしております〖ティアナ・ダールベルク〗と申します。よろしくお願いしますクリスさん」
強いな。クリスは学園長をみてそう思った。それもそのはず彼女は現役を退いているが、元大賢者10位の実力者。
まだ現役を続けられるのではないかと思うくらい、彼女から漏れ出る魔力は濃かった。
「存じておりますよティアナ殿。クリス・リチャードです。流石元10位だけはありますね。とてもお強いようで」
「いえいえ、昔に比べたらだいぶ力も衰えましたよ。それに10位だったのは、たった1年間だけでしたので」
少し照れながらも学園長は謙遜していたが、
当時弱冠18歳にして賢者見習いの称号を取得しそこからたった15年で大賢者まで昇りつめた。そして35歳の時に現役引退し、王立学園の学園長の座に就いている。
そんな彼女を〖グレイス王国〗で知らない者はほぼいないだろうし、学生にとっては憧れの存在だ。
それに年齢は40代近いはずだが、20歳代といわれてもわからないくらいの美貌を持っていることから男性ファンが今でも数多くいるそうだ。
「そんなご謙遜なさらずに。あと僕をここまで案内してくれた彼女も相当な実力者にみえますね」
学園長の横に立っている彼女を見ながらそう言うと、
「ふふっ、流石ね。彼女は私のお手伝いをしてくれているんだけど、元賢者の称号を持っていたのよ」
「お二人に比べたら全然ですよ。初めましてクリス様、ティアナ様のお手伝いをしている〖ニコル〗と申します。よろしくお願いします」
部屋に案内するまでの彼女と違いとても笑顔が素敵で可愛らしかった。
俺は少し照れながらも、短くよろしくと返した。
「それにしても本当にこの国最強の賢者様が、まだ弱冠19歳だったとはね。噂では聞いていましたが、驚きましたよ。正直まだ少し疑ってる自分がいるわ、ニコルはどう?」
学園長がそう驚くのも無理はない、俺は基本祝賀会やパーティーなどめんどくさいことが嫌いだから欠席するようにしているため俺の顔を実際に知っているのは
この国でも上位貴族や賢者の一握りだけだ。なので俺の正体に関する噂は様々なものが飛び交っている。
「はい、私もまだ少し信じられていないです。クリス様も強そうに見えますが、学園長ほどにどうしても見えないんです」
「ははは、見た目的にそう思われても仕方がないですね。まぁお時間あるときにでも、実力をしっかりお見せいたしますよ。で、そろそろ本題のほうにはいりませんか?」
雑談が長く続いてしまったので、クリスはそう切り出した。
「そうだったわ、まず今回教師のお仕事を引き受けてくださりありがとうございます。クリスさんには、今年入学した生徒のSクラスを担当してもらいたいと思っております。」
「あぁ、お礼はいいさ。国王から十分にされている。Sクラスにはどんな生徒たちがいるんだ?」
「Sクラスは、基本的に上位貴族の実力者が揃っています。一部平民出身者もいますが、あまり仲は良くないみたいです」
なるほどな。ある程度予想はしていたが、貴族の子供は基本的にプライドが無駄に高いからな...。この仕事一筋縄ではいかなそうだな。
「わかった、それで生徒たちには今日から会えるのかな」
「はい、もちろんです」
「では、案内をよろしく頼むよ」
クリスはゆっくりと立ち上がり、学園長とニコルの後に続き、Sクラスへと向かっていった。
国王との会話から2日後、クリスは王立学園の目の前に立っていた。
クリス自身は学園に通わずに賢者や大賢者になったので、名前こそ聞いたことはあったが、実際に見るのは初めてでスケールの大きさに驚いた。
髙い塀に囲まれた学園を眺めながらゆっくりと入り口へ向かって歩くと、両側に衛兵の立っている門が見えてきた。
「すいません」
「はい、いかがされましたか?」
「本日からこの学園で教師をやることになったのですが...」
「さようでございますか、ではこのまま真っすぐ歩いていかれると、校舎の入り口が見えてきます。そこに受付のかたがいらっしゃるので、そこで詳しく聞いてみてください」
そう言いながら、門を開けてくれた。
クリスは衛兵にお礼を言い、そのまま真っすぐ歩いて校舎のほうへと向かった。少し門から距離があり、3分ほど歩いたところでやっと校舎の入り口が見えてきたのでそのまま中へ入り、受付嬢に
本日伺った要件を話した。担当者を呼んでくるから少し待っていてほしいと頼まれ、近くに置いてあった椅子にゆっくりと腰を下ろした。
5分ほど待ったころに、先ほどの受付嬢と一緒にもう1人の女性が近づいてきた。
「クリス様、お待たせいたしました。学園長のところまでご案内いたします」
その女性が俺の名前に敬称をつけていたことに、受付嬢は少し驚いていたので、目の前にいる女性がこの学園で相当上の立場なんだろうなと予想できた。
「あぁ、ありがとう。よろしく頼むよ」
俺はそう言いながら席から立ち上がり、女性の後ろをついていきながら学園長のところへと向かった。
前を歩く女性は淡々と進んでいき、5階にある学園長室の前まで一言もしゃべることなく到着した。
女性は扉をノックし、
「学園長、クリス様をお連れいたしました」
というと、中から「入りなさい」と一言返ってきた。
女性に続いてクリスは中に入ると、目を瞠るような美人が待っていた。
「初めまして、王立学園の学園長をしております〖ティアナ・ダールベルク〗と申します。よろしくお願いしますクリスさん」
強いな。クリスは学園長をみてそう思った。それもそのはず彼女は現役を退いているが、元大賢者10位の実力者。
まだ現役を続けられるのではないかと思うくらい、彼女から漏れ出る魔力は濃かった。
「存じておりますよティアナ殿。クリス・リチャードです。流石元10位だけはありますね。とてもお強いようで」
「いえいえ、昔に比べたらだいぶ力も衰えましたよ。それに10位だったのは、たった1年間だけでしたので」
少し照れながらも学園長は謙遜していたが、
当時弱冠18歳にして賢者見習いの称号を取得しそこからたった15年で大賢者まで昇りつめた。そして35歳の時に現役引退し、王立学園の学園長の座に就いている。
そんな彼女を〖グレイス王国〗で知らない者はほぼいないだろうし、学生にとっては憧れの存在だ。
それに年齢は40代近いはずだが、20歳代といわれてもわからないくらいの美貌を持っていることから男性ファンが今でも数多くいるそうだ。
「そんなご謙遜なさらずに。あと僕をここまで案内してくれた彼女も相当な実力者にみえますね」
学園長の横に立っている彼女を見ながらそう言うと、
「ふふっ、流石ね。彼女は私のお手伝いをしてくれているんだけど、元賢者の称号を持っていたのよ」
「お二人に比べたら全然ですよ。初めましてクリス様、ティアナ様のお手伝いをしている〖ニコル〗と申します。よろしくお願いします」
部屋に案内するまでの彼女と違いとても笑顔が素敵で可愛らしかった。
俺は少し照れながらも、短くよろしくと返した。
「それにしても本当にこの国最強の賢者様が、まだ弱冠19歳だったとはね。噂では聞いていましたが、驚きましたよ。正直まだ少し疑ってる自分がいるわ、ニコルはどう?」
学園長がそう驚くのも無理はない、俺は基本祝賀会やパーティーなどめんどくさいことが嫌いだから欠席するようにしているため俺の顔を実際に知っているのは
この国でも上位貴族や賢者の一握りだけだ。なので俺の正体に関する噂は様々なものが飛び交っている。
「はい、私もまだ少し信じられていないです。クリス様も強そうに見えますが、学園長ほどにどうしても見えないんです」
「ははは、見た目的にそう思われても仕方がないですね。まぁお時間あるときにでも、実力をしっかりお見せいたしますよ。で、そろそろ本題のほうにはいりませんか?」
雑談が長く続いてしまったので、クリスはそう切り出した。
「そうだったわ、まず今回教師のお仕事を引き受けてくださりありがとうございます。クリスさんには、今年入学した生徒のSクラスを担当してもらいたいと思っております。」
「あぁ、お礼はいいさ。国王から十分にされている。Sクラスにはどんな生徒たちがいるんだ?」
「Sクラスは、基本的に上位貴族の実力者が揃っています。一部平民出身者もいますが、あまり仲は良くないみたいです」
なるほどな。ある程度予想はしていたが、貴族の子供は基本的にプライドが無駄に高いからな...。この仕事一筋縄ではいかなそうだな。
「わかった、それで生徒たちには今日から会えるのかな」
「はい、もちろんです」
「では、案内をよろしく頼むよ」
クリスはゆっくりと立ち上がり、学園長とニコルの後に続き、Sクラスへと向かっていった。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
続・冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
の続編です。
アンドリューもそこそこ頑張るけど、続編で苦労するのはその息子かな?
辺境から結局建国することになったので、事務処理ハンパねぇー‼ってのを息子に押しつける俺です。楽隠居を決め込むつもりだったのになぁ。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした
茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。
貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。
母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。
バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。
しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
王妃ですが都からの追放を言い渡されたので、田舎暮らしを楽しみます!
藤野ひま
ファンタジー
わたくし王妃の身でありながら、夫から婚姻破棄と王都から出て行く事を言い渡されました。
初めての田舎暮らしは……楽しいのですが?!
夫や、かの女性は王城でお元気かしら?
わたくしは元気にしておりますので、ご心配御無用です!
〔『仮面の王と風吹く国の姫君』の続編となります。できるだけこちらだけでわかるようにしています。が、気になったら前作にも立ち寄っていただけると嬉しいです〕〔ただ、ネタバレ的要素がありますのでご了承ください〕
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
面白いです!
続きお願いします🙇♂️