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第二章
2-21 夜の帳…②
「ディートリヒ、今の君は心が不安定な状態なんだよ。」
少し間隔を空けて話し始める。
「君は今でも自身が奴隷以下の存在であると思っているんじゃないかな。でも今は違うんだよ。」
「でも、過去を忘れることはできません。」
「うん。自分は君に過去を忘れてほしいなんて思っていないよ。
君が受けてきた過去も全部ひっくるめて君を買ったんだ。それは、ディートリヒという君と一緒に生きていくと決めたから。
お昼にも言ったけど、自分は剣も振れないくらい弱いよ。それに…、」
言おうか、言わないか迷ったが、彼女はすべてを洗いざらい話してくれている。彼女の思いにも報いるために、俺も決心した。
「それに…、自分は“渡り人”なんだ。」
彼女は、最初、俺が何を言っているのか理解ができなかったが、扉を開けてこの世界にたった一人で来たこと、お試し期間として30日間この世界で生活し、気づいたことを神様に伝え、より良くしていくことなどを話した。
彼女も“渡り人”という存在は知っていたらしく、徐々にではあるが理解し始める。
「そうですか。渡り人さんだったのですか…。だから、こんな卑しい経験を持つ私を拾ってくださったんですね…。」
「卑しい経験かどうかなんて分からないけど、君を買ったという理由はそこじゃない。
一目見た時、何か心の中に『この女性を買いなさい、一緒に生きなさい』というイメージがあったというか…。だから決心したんだ。」
「神様からの啓示でしょうね。」
「それは良く分からないけど…。」
彼女は少し目を伏せ、静かに爆弾を投下してきた。
「私は神様に嫌われているのでしょうか…。」
神様からの天命が奴隷になり家畜のように生きろというのは、彼女の生き方を全面否定しているのか、はたまた前世で悪い行いをしてきたのかは分からないが、それは残酷であり彼女自身の尊厳にも関わる。でも、俺が話した神様はそんな方じゃなかった。ただ一つ「この世界を変えてほしい。」と…。
世界を変える事は難しい。だから、俺は俺の周りにいる人が笑顔で過ごせることがこの世界を変える事のとっかかりだ、と伝えている。
彼女を見れば「何故、何故…。」と嗚咽している。
誰かを悪に見立て、その悪を糧として生きていく。そんな生き方もあるのだと聞いたこともある。
おそらく、彼女は奴隷となった時、神という存在を否定し神を悪役にすることが、彼女が生き延びていく糧となっていたのかもしれない。
「ディートリヒ。
この世界に何人の人が生きているのか分からないけど、むごい話かもしれないが、神様が全員の事を見守っていることなんてできないと思う。
自分は確かに神様と思われる人から、直接この世界を良き方向に変えてほしいと言われやって来た。だから、この世界の事はまだ何も知らない。
でも、世界を良き方向に変えていくことなんて、一人じゃ何もできない。
そのためにディートリヒ、君と出会ったんだと思う。
君が受けた経験を洗い流すことはできない。でも、ディートリヒ以外の人が同じ目に遇わないためにも君の助けが必要だ。」
俺自身、説得力の無い話の無限ループ状態に陥っていることに気づくも、それでも話し続ける。
「うまく話せないけど、自分は自分の周りの人を笑顔にすることで、少しずつこの世界を変えていこうと思っている。奴隷制度が必要悪であるなら、それはそれで構わないが、少なくとも奴隷の権利を確立すべきだと思う。
まぁ、そんな理想論なんて通るかどうかも分からないけど…。何度も言うけど、自分の周りに居る人を笑顔にしていきたい。
そして、その中にディートリヒが居てほしい。」
ディートリヒはきょとんとしているが、次第に紅潮しはじめる。
「ご主人様、それは奴隷に対して言う言葉ではなく、同じ立場の女性に贈る言葉です。」
あ、プロポーズに間違えられたか…。
「ははは。言葉を伝えるって難しいね。
そうそう、自分が住んでいた国では、言葉を“言の葉”つまり葉っぱだって言う人もいるんだ。“言の葉”を一枚一枚枝に付けていく。葉っぱが付いた木が会話となったり、文章になったりするんだって言う人もいるんだ。」
「ご主人様は情緒豊かな方ですね。」
「それを自分の国では“ロマンチスト”って言うんだ。」
「ふふ。“ろまんちすと”ですか。良い“言の葉”ですね。」
「落ち着いたかい?」
「はい。少しは…。」
「じゃぁ、最後に一つだけ。神様は君を見放したりはしないよ。現に自分はディートリヒに出会った。だから、自分は神様に感謝している。
ディートリヒにも神様を悪者にだけはしてほしくない。
君に約束する。自分は弱いから何時になるのか分からないし、どんな形になるのかも分からない。でも、いつかリルバレル帝国の貴族を懲らしめ、本心から君が笑顔になれるようにする。
そして、故郷に戻って幸せな姿を皆にみせてやろうよ。」
ディートリヒは俺の話を聞き、涙を流していても笑顔で頷きながら答える。
「はい。すべてはご主人様の仰せのままに。
では、私からもお願いがございます。」
「何?」
「これからも、今日のように悪夢を見る日があると思います。そんな時はお傍にいさせてください。ご主人様が望まれるのであれば、もうお子は産めませんが夜伽もいたします。もうこんな身体ですので、ご主人様は興味は無いのかもしれませんが…。」
「あの、ディートリヒさん…。」
「ひゃい…。」
紅潮しながら盛大に噛んだよ。
「興味が無いとか、そんな事は無いからね。ディートリヒは綺麗だよ。
でも、おっさんにそんな事言っちゃだめだよ。
おっさんも男だからね。
それに、さっきも言ったけど自尊理論になっているだけだから、もっと自分を大切にしてね。」
「いえ、私は奴隷の時に子を産む身体ではなくなっております。が、ご主人様の慰み者くらいにはなると思います…。」
うーん…。
おっさん、それはそれで嬉しい事だけど、白馬に乗った王子様だと思っていたが、いざ夢から覚めた時、王子様に見えていたヒトが中年太りしたおっさんで幻滅されたんじゃイヤだからね。
「あ、言い忘れたけど、自分がディートリヒにかけたスーパーヒールって魔法は、カルムさんが言うには“ヒーレス”と呼ばれるものだそうだよ。」
「え??ヒーレスですって!?」
「そうみたい。だから、欠損部位の復元も内臓の復元もできていると思うから…。」
「では、ご主人様のお子を産めるって事ですね。」
「自分の子供…ゴホン…。子どもを産める身体になったかどうかは分からないけど…。」
あかん…。ディートリヒさん…残念娘になりかけている…。
「まぁ、それはそれで、追々ディートリヒにも良い人と出会えればという事で、ね。」
「そんな人が現れるとは思いませんが…。ふふふ、綺麗ですか…。
わかりました。では、最後のお願いです。」
うわ。まだ最後のお願いがあったのか…。
「ご主人様がお昼に食堂で歌っておられた歌を歌ってくださいませんか。それと、歌の意味も一緒に教えてもらえませんでしょうか。」
「あぁ、あの歌ね。でも歌詞を聞くと悲しくなってしまうかもしれないよ。」
「多分、あの音律から察するに、寂しい意味だと思います。それでも構いません。私はあの歌を糧に生きていけたらと思います。」
「分かったよ。下手だけど許してね。」
歌詞の意味を伝える。
そして、はるか昔ドイツ語を履修していた時の記憶を頼りにドイツ語で、途中途中をハミングしながら「Mutter, Hast Du Mir Vergeben?」を口ずさむ。
「お母さん、私を許してくれますか? お母さん、まだ忘れてはくれないのですか?」
「お母さん、私を許してくれますか? 私のしたことを」
「故郷は私を許してくれますか? 故郷はまだ忘れてはくれないのですか?」
「故郷は私を許してくれますか? 私のしたことを」
彼女は、俺の膝の上で涙を流した。
その涙は、故郷に残る家族への謝罪だったのかもしれない…
その涙は、彼女の過去との決別であったのかもしれない…
その涙は、彼女のこれからの決意であったのかもしれない…
歌い終わると、彼女は微笑み俺に口づけをする。
わずかな時間だったかもしれないが、俺には長く永久な時間でさえ思えた。
それくらい抒情的な口づけを交わし、彼女は横になって安心して眠った。
俺の膝は痺れてしばらく動けなかった。
少し間隔を空けて話し始める。
「君は今でも自身が奴隷以下の存在であると思っているんじゃないかな。でも今は違うんだよ。」
「でも、過去を忘れることはできません。」
「うん。自分は君に過去を忘れてほしいなんて思っていないよ。
君が受けてきた過去も全部ひっくるめて君を買ったんだ。それは、ディートリヒという君と一緒に生きていくと決めたから。
お昼にも言ったけど、自分は剣も振れないくらい弱いよ。それに…、」
言おうか、言わないか迷ったが、彼女はすべてを洗いざらい話してくれている。彼女の思いにも報いるために、俺も決心した。
「それに…、自分は“渡り人”なんだ。」
彼女は、最初、俺が何を言っているのか理解ができなかったが、扉を開けてこの世界にたった一人で来たこと、お試し期間として30日間この世界で生活し、気づいたことを神様に伝え、より良くしていくことなどを話した。
彼女も“渡り人”という存在は知っていたらしく、徐々にではあるが理解し始める。
「そうですか。渡り人さんだったのですか…。だから、こんな卑しい経験を持つ私を拾ってくださったんですね…。」
「卑しい経験かどうかなんて分からないけど、君を買ったという理由はそこじゃない。
一目見た時、何か心の中に『この女性を買いなさい、一緒に生きなさい』というイメージがあったというか…。だから決心したんだ。」
「神様からの啓示でしょうね。」
「それは良く分からないけど…。」
彼女は少し目を伏せ、静かに爆弾を投下してきた。
「私は神様に嫌われているのでしょうか…。」
神様からの天命が奴隷になり家畜のように生きろというのは、彼女の生き方を全面否定しているのか、はたまた前世で悪い行いをしてきたのかは分からないが、それは残酷であり彼女自身の尊厳にも関わる。でも、俺が話した神様はそんな方じゃなかった。ただ一つ「この世界を変えてほしい。」と…。
世界を変える事は難しい。だから、俺は俺の周りにいる人が笑顔で過ごせることがこの世界を変える事のとっかかりだ、と伝えている。
彼女を見れば「何故、何故…。」と嗚咽している。
誰かを悪に見立て、その悪を糧として生きていく。そんな生き方もあるのだと聞いたこともある。
おそらく、彼女は奴隷となった時、神という存在を否定し神を悪役にすることが、彼女が生き延びていく糧となっていたのかもしれない。
「ディートリヒ。
この世界に何人の人が生きているのか分からないけど、むごい話かもしれないが、神様が全員の事を見守っていることなんてできないと思う。
自分は確かに神様と思われる人から、直接この世界を良き方向に変えてほしいと言われやって来た。だから、この世界の事はまだ何も知らない。
でも、世界を良き方向に変えていくことなんて、一人じゃ何もできない。
そのためにディートリヒ、君と出会ったんだと思う。
君が受けた経験を洗い流すことはできない。でも、ディートリヒ以外の人が同じ目に遇わないためにも君の助けが必要だ。」
俺自身、説得力の無い話の無限ループ状態に陥っていることに気づくも、それでも話し続ける。
「うまく話せないけど、自分は自分の周りの人を笑顔にすることで、少しずつこの世界を変えていこうと思っている。奴隷制度が必要悪であるなら、それはそれで構わないが、少なくとも奴隷の権利を確立すべきだと思う。
まぁ、そんな理想論なんて通るかどうかも分からないけど…。何度も言うけど、自分の周りに居る人を笑顔にしていきたい。
そして、その中にディートリヒが居てほしい。」
ディートリヒはきょとんとしているが、次第に紅潮しはじめる。
「ご主人様、それは奴隷に対して言う言葉ではなく、同じ立場の女性に贈る言葉です。」
あ、プロポーズに間違えられたか…。
「ははは。言葉を伝えるって難しいね。
そうそう、自分が住んでいた国では、言葉を“言の葉”つまり葉っぱだって言う人もいるんだ。“言の葉”を一枚一枚枝に付けていく。葉っぱが付いた木が会話となったり、文章になったりするんだって言う人もいるんだ。」
「ご主人様は情緒豊かな方ですね。」
「それを自分の国では“ロマンチスト”って言うんだ。」
「ふふ。“ろまんちすと”ですか。良い“言の葉”ですね。」
「落ち着いたかい?」
「はい。少しは…。」
「じゃぁ、最後に一つだけ。神様は君を見放したりはしないよ。現に自分はディートリヒに出会った。だから、自分は神様に感謝している。
ディートリヒにも神様を悪者にだけはしてほしくない。
君に約束する。自分は弱いから何時になるのか分からないし、どんな形になるのかも分からない。でも、いつかリルバレル帝国の貴族を懲らしめ、本心から君が笑顔になれるようにする。
そして、故郷に戻って幸せな姿を皆にみせてやろうよ。」
ディートリヒは俺の話を聞き、涙を流していても笑顔で頷きながら答える。
「はい。すべてはご主人様の仰せのままに。
では、私からもお願いがございます。」
「何?」
「これからも、今日のように悪夢を見る日があると思います。そんな時はお傍にいさせてください。ご主人様が望まれるのであれば、もうお子は産めませんが夜伽もいたします。もうこんな身体ですので、ご主人様は興味は無いのかもしれませんが…。」
「あの、ディートリヒさん…。」
「ひゃい…。」
紅潮しながら盛大に噛んだよ。
「興味が無いとか、そんな事は無いからね。ディートリヒは綺麗だよ。
でも、おっさんにそんな事言っちゃだめだよ。
おっさんも男だからね。
それに、さっきも言ったけど自尊理論になっているだけだから、もっと自分を大切にしてね。」
「いえ、私は奴隷の時に子を産む身体ではなくなっております。が、ご主人様の慰み者くらいにはなると思います…。」
うーん…。
おっさん、それはそれで嬉しい事だけど、白馬に乗った王子様だと思っていたが、いざ夢から覚めた時、王子様に見えていたヒトが中年太りしたおっさんで幻滅されたんじゃイヤだからね。
「あ、言い忘れたけど、自分がディートリヒにかけたスーパーヒールって魔法は、カルムさんが言うには“ヒーレス”と呼ばれるものだそうだよ。」
「え??ヒーレスですって!?」
「そうみたい。だから、欠損部位の復元も内臓の復元もできていると思うから…。」
「では、ご主人様のお子を産めるって事ですね。」
「自分の子供…ゴホン…。子どもを産める身体になったかどうかは分からないけど…。」
あかん…。ディートリヒさん…残念娘になりかけている…。
「まぁ、それはそれで、追々ディートリヒにも良い人と出会えればという事で、ね。」
「そんな人が現れるとは思いませんが…。ふふふ、綺麗ですか…。
わかりました。では、最後のお願いです。」
うわ。まだ最後のお願いがあったのか…。
「ご主人様がお昼に食堂で歌っておられた歌を歌ってくださいませんか。それと、歌の意味も一緒に教えてもらえませんでしょうか。」
「あぁ、あの歌ね。でも歌詞を聞くと悲しくなってしまうかもしれないよ。」
「多分、あの音律から察するに、寂しい意味だと思います。それでも構いません。私はあの歌を糧に生きていけたらと思います。」
「分かったよ。下手だけど許してね。」
歌詞の意味を伝える。
そして、はるか昔ドイツ語を履修していた時の記憶を頼りにドイツ語で、途中途中をハミングしながら「Mutter, Hast Du Mir Vergeben?」を口ずさむ。
「お母さん、私を許してくれますか? お母さん、まだ忘れてはくれないのですか?」
「お母さん、私を許してくれますか? 私のしたことを」
「故郷は私を許してくれますか? 故郷はまだ忘れてはくれないのですか?」
「故郷は私を許してくれますか? 私のしたことを」
彼女は、俺の膝の上で涙を流した。
その涙は、故郷に残る家族への謝罪だったのかもしれない…
その涙は、彼女の過去との決別であったのかもしれない…
その涙は、彼女のこれからの決意であったのかもしれない…
歌い終わると、彼女は微笑み俺に口づけをする。
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