地方公務員のおっさん、異世界へ出張する?

白眉

文字の大きさ
201 / 318
第八章

8-13 ダウンタウンへ繰り出そう

しおりを挟む
「ただいまぁ~。」
「あ、カズ様、お帰りなさいませ。」

 昼過ぎに宿に戻り、部屋に入った瞬間、倒れた。

「お貴族様の付き合いってのは、ほんとに疲れるんだな。」
「私どももそう思います。さ、どうぞ中に。ベリルさんカズ様に膝枕を。」
「はい!(やった)」

 ベリルさん何故かガッツポーズだ。

「皆、お昼ご飯食べた?」
「はい(((はい)))。」
「よかった。んじゃ、夕方までどうしようね。」
「お館様、もし宜しければ、私どもの服のお披露目をしたいのですが…。」
「そうだったね。あ、そう言えばアイナは?」
「何か面白いモノを見つけたらしく、街に行ってます。」
「んじゃ、都合がいいね。皆お願いしていいかい?」
「はい((はい))(え…)。」
「ん?どうしたベリル?」
「主殿…、せっかく膝枕が出来るのに、もうお終いだなんて…。」
「あ、ごめん。んじゃ、服を着替えてからもお願いできるかな。」
「はい!喜んで!」



「で、皆さん、何故に同じ服装なんでしょうか…。」

 4人が着ている服は、どう見てもゴスロリ服…、『お帰りなさい、旦那様。にゃん!』とか言うメイド喫茶風のコスチュームなんだが…。

「はい。それはカズ様が伯爵家のメイドやトーレスさんのお店の服をまじまじとご覧になられておいででした。」
「うん…、でもそれを知っているのはディートリヒだけだよね…。」
「はい。しかし、そこで優位に立ってもいけませんので、全員に共有しております。」
「そう…ですか…。」

 ど真ん中のどストライクです…。
もうチヤホヤされたいです…。もみくちゃでもいいです…。
しかし、そこは敢えて出してはいけない…。が、理性と本能が…。

「で、では、ベリル…、さっきの続きで膝枕をお願いします。」
「はい。よろこんで。にゃん」

いや、竜人族だから、そこは『がおー』だよ…。
と思うも、誘惑には抗う事はできない。

「どうですか、主殿。」
「うん。気持ちいいです。極楽です。」
「で、カズ様、誰が一番ですか?」
「ディートリヒ…、それを今決めろというのか…。」
「はい。」
「…無理だ。俺に優劣をつけることなど出来ない。それほどまでに君たちはパーフェクトだ!」
「では、4人でいたしましょうか。」

 しまった。そんな約束をしていた事を思い出した。

「へ、あ、あの約束ですね…。」
「はい。アイナも居ませんから…。是非お試しください、ご・主・人・様。」



 大運動会でした。
よく体力がもったものだ…。おそるべし52歳!
やる時はやるおっさん、自分で自分を褒めてあげたい。

「ところで、この服は皆同じ店で買ったんだろうな…。」
「はい、カズ様、魔道具を扱っているお店でした。」
「もしかして、そこもハイエルフさんが経営してたりするのか?」
「いえ、ハイエルフさんではありませんでしたが…ゴニョゴニョ。」
「そうか…。」

 何かディーさんが言ってたが、すでに俺の頭はゴスロリ衣装にシフトチェンジだ。
ゴスロリ・メイド服は素晴らしい。
あれ程までに緻密に精錬された服はないと思う。
A〇B4〇のようなカラフルなモノでなくていい…。モノトーンが良いのだ。
それがこの世界にマッチしている。否、同化していると言って過言でない。

「俺もいつか大きな屋敷に住むようなことがあったら、メイドさんに皆が着ていたような服を着させるのも良いかな。」
「お館様、それは心の声として聞いておきますが、お手付だけは止めておいた方がよいでしょう。」
「ん?それは何故かな?」
「主殿のお相手ができるような体力をもっている女性など、そうそうおりませんよ。」
「へ?俺そんなに動いていないけど…。寧ろお願いする方ばかりだけど…。」
「主様が動かずとも、我々をすぐにイかせてしまう技術が凄いのです。
 色街のブランディーヌ様にも教えていただきましたが、それ以上に主様の技術の方が凄いのです。」
「ん?そんなもんかな。」

 良くは分からん…。
何が良いのか、何が凄いのかを事細かに説明してくれるのだが、それはそれで恥ずかしい。
でも、お互いが愛し合うには良い事だと思っている。

「そういえば、さっきの服についていたヒラヒラの部分もそのお店で作っているのかい。」
「はい。一点一点手作りという事でした。」
「それじゃ、高かったんじゃないの。」
「いえ、安かったですよ。大銀貨15枚で購入できましたから。」

 それでも15万か…。下着よりは安いが、あのレースは魅力的だ。
今、下着のストックはB80くらいしかない…。
夕食まで2時間くらいか…。

「みな、今からその店に行ってみたいんだが。」
「やはりお館様はご興味がおありなんですね。
 分かりました。では、皆一緒に行きましょう。」





 その店はザックさんの店から5分程歩いた大通りから一本入った裏道にひっそりとたたずんでいた。

「主様、こちらです。」

 スピネルがちょこちょこと先に扉を開け入って行く。

「いらっしゃい。」

中で、女性の声が聞こえる。
出てこられたのは、ボンキュッボンの褐色のエルフさん…。
ハイエルフには見えないけど、エルフさんじゃん…。

「ふふ。殿方がこの店に入って来るなんて数百年ぶりだね。」
「お邪魔しますね。
昨日、ここにいる女性が服を買ったということを教えていただきましたので…。」
「あんた、“むっつりスケベ”かい?」

ん?懐かしい言葉を聞いたような気がする。

「あの、今何と?」
「あぁ、“むっつりスケベ”の事か?」
「そうです。その言葉を何故知っているのかと。」
「数百年前、ひょいと現れた男に教えてもらったんだよ。」
「もしかして、“ヲタ”とか“アキバ”とか“メイド喫茶”とか言ってませんでしたか?」
「あぁ、言ってたね。」

はい、“迷い人”さん、この都市にも出現報告がありました。
しかし、俺が行くところ“迷い人”さん有りだな。“迷い人”さん巡礼の旅だ。

「そのヒトは“渡り人”ですね。」
「あぁそう言ってた。確か自分のことを“シャトー”と言ってたような…。」

シャトー?あ、サトウさんね。
うん。一般的な名前だ。割り出すこともできんよ。

「俺も“渡り人”なんです。あ、俺、ニノマエと言います。」
「そうなのかい?あたしはアデリンだ。よろしく。
 で、ご用件は?」
「アデリンさんの店でメイド服といいますか…」
「あぁ、“ゴスポリ”だろ?」
「え、ゴスポリ?」
「シャトーが言ってた。あの服はゴスポリだと。」
「えと、それは“ゴスロリ”というものですね。」
「まぁ、名前はどうでも良いが、あれは良いだろ?一部の貴族の間でも人気でな。」

 やはり、その道のヒトは居るんだ…。

「それで、お願いしたいことが2つありまして…。」
「ん?何だ?金になることなら何でもするぞ。」
「では、ゴスポリについているあのフリフリの部分を仕入れたいのですがどうでしょう?」
「何に使うんだ?」
「これです。」

 俺は下着を見せた。

「あぁ、久しく見てなかったが、大昔にシャトーが泣いて作ってくれと言ってたやつだな。」

 俺、サトーさんと同じレベルだ…。
同属だよ、完全に。

「はい。これを今度作ることになりました。」
「何?ほんとに作れるのか。」
「はい。そのための工場もノーオの街に建設しています。」
「そうか、奴の夢が叶ったという訳だな…、それは良かった。」
「で、フリフリの部分は?」
「勿論大丈夫だ。ただし、月で言えば10m作れるかどうかだが。」
「構いません。では10mをおいくらで」
「そんなのあんたに任せるよ。」
「んじゃ、金貨1枚、勿論それ以上であればもっと嬉しいです。」
「ほぉ、太っ腹だね。よし、請け合おう。そうさね、それだけあれば20mはかたいね。」
「では、よろしくお願いします。次なんですが…。
 ゴスポリの服に必要なモノなんですが、こんなモノを作ってみませんか?
 勿論、俺もたくさん買います。」

 俺は持っていたノートに絵を描いた。

「あんた、これはストッキングと言って、どこでも売ってるもんだ。ただなぁ、ずり落ちるんだよ。」
「ずり落ちないために必要なものがこれなんですよ。」

 俺は描いた絵を指さす。

「ほう、これは一体なんだい?」
「これは、ガーターベルトと言います。」
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

金髪女騎士の♥♥♥な舞台裏

AIに♥♥♥な質問
ファンタジー
高貴な金髪女騎士、身体強化魔法、ふたなり化。何も起きないはずがなく…。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

兄様達の愛が止まりません!

恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。 そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。 屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。 やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。 無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。 叔父の家には二人の兄がいた。 そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…

処理中です...