地方公務員のおっさん、異世界へ出張する?

白眉

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第十一章

11-2 皆へのプレゼント

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 添い寝だけで終わる訳がないじゃないか…。

しかし6人はキツいよ。無理だよ。死ぬよ。
なので、約束通りメリアさんとレルネさんだけにしてもらう。
申し訳ないけど、皆は明日以降ということ…、あ、4日後か…。

 ディートリヒたちはしぶしぶ部屋に戻っていったが、ちゃんと埋め合わせするモノは買って来たからね。朝になったら渡すから!と思いながら、メリアさんとレルネさんと愛し合った。

「お疲れのところすみませんでした…。でも、居ても経っても居られなかったんです。」
「そうじゃ、イチが居なくなってからは、ディートリヒ達も不安になって、心ここにあらずだったの。」
「俺の家はここですよ。
 帰ってこない理由はありません。」
「しかし、向こうの世界では…コホン…、その事は抜きにしようかの」
「そうです。カズさんが居る。それだけで満足です。」

これまで考えていた事…。
準備を進めている事もちゃんと皆に伝えよう。

「メリアさん、レルネさん…。どうか俺の話を聞いてほしい…。

 確かに俺は向こうの世界に戻っていく。でも、そろそろ決めようかと思う。
 向こうの世界では、俺はしがないおっさんだ…。
 俺は、皆といる方が楽しいし充実している。
 おそらく、俺の寿命はあと20か30年…。
 第二の人生として、この世界に腰を落ち着けたいと思っている。
 でも、そうすると便利なモノを持ってこれなくなる…。
 それが一番気がかりなんだ。」
「カズさん…、あなたってヒトは…。
そんな事で悩まないでください。
ここでは一人ではありません。
 それに私たちはカズさんの便利なモノに期待して、こうやって夫婦になった訳ではありません。
 カズさんさえ居てくれれば、私は満足です。」
「イチよ。儂は便利な道具が欲しいぞ、というのは嘘じゃ。
 前の“渡り人”のように消えてしまうのは、もうこりごりじゃ。」
「メリアさん、レルネさん…、ありがとう…。
 いつか分からないけど、こちらに根を下ろすよ…。」
「皆も喜ぶことでしょう。」

俺は泣いていた。
大粒の涙を流し、おいおいと男泣きをした…。
それをメリアさんとレルネさんが抱きしめてくれる。
愛されているんだ…と感じた。

 向こうの世界で感じられなくなったこの思い…。俺はヒト恋しかったんだ。
嬉しい時、悲しい時、怒った時、笑った時、その感情を皆と共有していきたかったんだ…。
やはり、一人では生きていけないんだ…。
前を向いて歩いていこう。このヒト達を愛し、幸せにしていきたいと心から思う。
ホント、自分勝手だな…。息子や娘はなんて思うんだろう…。
こんな父親ですまない…。

「イチが脆いのは、“渡り人”であるというサガなのじゃろうな…。
 二つの世界を行き来する者…、精神がいつ崩壊してもおかしくはないのじゃろう…。
 崩壊せぬよう、儂らが守ってあげないといけないのぉ…。」
「レルネ、その通りですね。
 カズさんは強い、でも脆い…。その脆さを私達で助けていかないといけませんね。
 ふふ。でもカズさん、可愛いです。食べちゃいたいくらい可愛いです。」
「ほう、メリアもそう思うのか。やはり、母性をくすぐる存在なのじゃな。」

言いたきゃ言え、笑いたきゃ笑えば良い…。
俺は、この二人に心底甘えていきたい…。
ディートリヒにしか見せなかった弱さ、脆さをこの二人なら受け止めてくれる、そう感じた。
俺の居場所…、存在…、そして生きた証をここに残していく…。
それまで、皆と言の葉を重ね、そして繋がっていきたい…。





「カズさん、朝ですよ。起きてください。」
「昨晩はいろいろとあったからの…。でも、そろそろ起きる時間じゃ。メリア、すまないが氷魔法をイチの背中にぶつけてやれ。」
「死んでしまいますよ。」
「いや、死なぬように手加減するのじゃ。」
「そんな事できれば、私は大魔導士になってますよ。」

なんか、俺を肴に遊んでいるとしか思えない。

「大丈夫です。もう起きましたよ。」
「ちっ、起きてしもうたか…。」
「レルネさん、本気でやろうとしてましたね…。
 じゃ、レルネさんのお土産はナシという事で…。」
「わ、わ、嘘じゃ、冗談じゃ。さ、早う下に行くぞ。」

2階に行き、皆と顔を合わせる。
皆が笑顔だ。それに期待を込めた瞳がコワイ…。

「えと…。」
「カズ様、すべてお話しいたしました。皆、承諾しております。」
「そうか…。すまないな。ディートリヒ。」
「それでは、皆に朝の挨拶をお願いしますね。」

一人ずつにキスをしていく。
雇用している10名は目のやり場に困っているが、アデリンさんのところのお針子さんたちとサーシャとネーナは好奇心なのか、目をキラキラ輝かせている。

クラリッセさんが作ってくれた朝食を食べ、皆がくつろぐ。

「すまないが、今日もお休みにしようか。」
「え、よろしいんですか。」
「あぁ、差し当たって、石鹸としゃんぷりんを売る準備くらいしかないからね。
 それと、皆で今日は店を出す際の練習をしよう。」

先ずは昨日リストをもらったとおりに袋に入れてある下着を渡すことにする。

「えと、これはメリアさんね。そしてレルネさん、ディートリヒ、ナズナ、ベリル、スピネル、アイナ、ミリー、ニコル。」

可愛い紙袋に入れて渡す。

「この袋…、可愛いですね。これをここで作ることはできますか。」
「紙はダンジョンの楮でできるから問題ないと思うが、染料を考えないといけないな。」
「イチよ。そんなの簡単じゃ。儂にまかせておけ。スピネル、ミリー後ほど紙を漉くぞ。」
「分かりました。」

「そして、これがクラリッセさん。サーシャさん、ネーナさん。
 こっちがレイケシアさん、アデリンさん、トニュフさんに、フラヴィさん、エルリカさん、アネッテさん、最後にルカさん。ってルカさんは向こうの店か。んじゃ、後で渡しておくか。」
「イチよ、それなら儂が行ってくるぞ。」

「ありがとうございます!」

皆がお礼を言ってくれた。
レイケシアさんに至っては、既に眼が血走っている。

「それじゃ、みんな部屋に戻って着けてきて良いよ。
 んと、1時間後にここに集合ね。あ、アデリンさん、昨日お願いしたもの出来てるなら持ってきてね。」

全員が、猛ダッシュだ。アデリンさんに至っては、サムズアップをしながらダッシュして行った。
レルネさんはルカさんに持っていくと言って家を出る。
メリアさんと寝室に行く。

「では、カズさん、着けてくださいませんか。」
「ひゃい!」

妖艶な眼差しで俺を見つめるレルネさん…。
うん。綺麗ですよ。

「こんなに綺麗になるんですね…。それにこれを着ればカズさんを襲うことができる、と。」
「いえ、それはあくまでも下着ですからね。下着ではないモノも入ってますので。」
「この黒いスベスベしたものですね。
 これは何というモノなのですか。」
「ナイトガウンというもので、夜寝るときに着るものです。」
「ふふ。これは凄いですね。私が見ても艶やかに見えますね。」
「こういったものも、将来的には作っていければと思います。
 やはり、女性は美しくあって欲しいですからね。」
「で、こちらは何か下着とは違う素材のようですが…。」
「これは水着です。クローヌで造る大きなお風呂のようなところで着るものです。」
「下着とは違い、ピチっとしますね。
 ただ…、少し恥ずかしいのですが…、あの…、出ちゃうんですが…。」
「え、何が?あ、ごめんなさい。」

そうだよね…。少し食い込んだ水着は大切なところを覆う○が出てしまうんだった。

「この世界で脱毛剤はあるんですか?」
「あ、脇に使うものならあります。」
「ただ、薬品であれば大切な部分にダメージが残りますので、俺が治療しましょうか。」
「ではお願いします。」

死滅の光で毛根を無くせばいけないか。
それをメリアさんで試すのも何だけど、最初はメリアさんしかいない。

“死滅の光!”

うわ!綺麗になった。跡もない。これ使えるね。

「カズさん、これを皆さんにしてあげてください。」
「えと…、妻と伴侶は良いのですが…、それ以外の女性は…。」
「あ、では、その魔法を教えてくださいませんか。」

メリアさんに、ウィルスという存在を教えるのは難しい。
なので、先ず一本髪の毛を抜いてもらい、毛根があるのを確認してもらう。

「この部分が毛根といって、髪の毛などを作る場所です。
 この場所を無くすようにイメージしながらマナを当てるという感じです。」
「分かりました。丁度レルネが戻って来たので、レルネに試してみましょう。レルネ~カズさんの部屋に紙袋持って入ってきて~!」
「え、あ、それはマズい…。」

レルネさんが入ってきて、メリアさんが水着を着るように言う。
レルネさん、水着を見つけて着るも、出ない…。

「なんじゃ、メリアとは全然違う水着ではないか?
 なんで、メリアは下着のようなのに、儂のは一枚なのじゃ?それにメリアは黒なのに、儂のは紺なのじゃ?」

「えと、レルネさんとアイナさんには小さい子が着る水着を入れてあるんです…。」

すみません…。遊び半分、冗談半分でスクール水着を入れてます…。
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