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パイナップル番長奇譚~南国果実系中年怪談〜
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今夜は、南国果実系中年童貞にまつわる怪談をお聞かせするとしよう。
あれは、小雨が降る真夜中のことだった。
その日、私は残業を終えて会社を出たのだが、傘を持っていなかった。
どうせタクシーに乗って帰るつもりだったから、もう濡れても構わないと思い、そのまま会社を出ることにした。
ところが、タクシーに、いざ乗ろうとしたところで、雨のせいか、運悪く一台も空車のタクシーが通らない。
そこで仕方なく、傘もささずに夜道を歩いて帰ることにした。
だが、この選択が間違いだった。
この辺りには人通りがほとんどなく、街灯も少なくて薄気味悪いことこの上ない。
おまけに雨まで降っているものだから、さっさと家に帰りたくて仕方がなかった。
それでもどうにか我慢して歩いているうちに、前方にぼんやりとした明かりが見えてきた。
それが何なのか最初は分からなかったが、近づいてみると公衆電話ボックスであることが分かった。
今の時代に誰が使うのかと思いながら、明かりの横を通り過ぎようとしたときだ。
ふいに電話ボックスの中から声をかけられた。
「ぬほほほほっ! ぬほほほほほっ!」
奇妙で不気味な笑い声であった。
怖くなり、足がすくんで、私は思わず歩行を止めてしまった。
まさか幽霊の声なんじゃないか。
ただ、その奇妙な響き方に本能的な恐怖を覚えたのだ。
「ぬほほほほっ! ぬほほほほほっ!」
また聞こえた。
今度は先ほどよりもはっきりしていた。
誰かが笑っているような感じだが、まるで呪いの呪文のように、何か不吉なものを感じさせる調子である。
気がつくと、いつの間にか私の背後に笑い声の主が迫っていた。
気配を感じ取った瞬間、全身に鳥肌が立った。
振り返りたかったが、怖くてできなかった。
金縛りにあったように身動きができない。
背後にいる存在が何者なのか、確かめることはできなかった。
しかし、次の瞬間のことであった!
突然、私の肩に手が置かれたのだ!。
ぞっとするような毛むくじゃらの手だ。
力士のように大きな手で、武蔵丸に触られたら、こんな感じだろうと私は思ったのだ。
そして、耳元で囁かれたのだ…
「ぬほほほほっ、お嬢さん、雨でブラが透けてる、ぬほほ。
暗い道は危ないよ。ぬほー、自分が家まで送りますよ。ぬほほほほ…」
私は悲鳴を上げて一目散に走って逃げ出した。
後日、インターネットを調べると、私が出会った男は、『パイナップル番長』かもしれない。
彼は相撲界からのスカウトを断り、紆余曲折でニートに追い込まれた後、童貞を拗らせて妖怪になったそうだ。
どうして妖怪があの場所にいたのか分からない。
ひょっとすると、あの妖怪は今でもあそこにいて、雨の日にだけ現れるのかもしれない。
ぬほ、ぬほほ と、そう呟きながら……
*********************
次の話をいたしましょう。
私が小学生の頃の話である。
私の住んでいたところは東京の下町ような場所でした。
いつものように、小学校へ行くため集団登校をしていると、道端に全裸に腰蓑姿の巨大な中年男性が立っていました。
「ぬほほーっ!ぬほほ、もう少し大きくなったら、女の子の特別な大切なものというのを自分にください。ぬほほほーっ!」
と、大きな声で言うのです。
私は恥ずかしさのあまりに顔が赤くなるのを感じながらも、無視をして、みんなと一緒に学校へ行きました。
振り返ると、その中年のおじさんは、スマートフォンを手に持っていました。盗撮されていたかも知れません。
私はその夜、そのおじさんのことが怖くて頭から離れず、夜中に何度も目が覚めてしまいました。
翌日、また集団登校です。
すると、昨日と同じ場所に同じ格好で立っている中年男性がいました。
私はすぐに気がつきました。
あの人はきっと変質者だ、何かされる前に先生に伝えないと……そう思って、目を合わせないようにしました。
しかし、中年男性は私に向かって言うのです。
「おおーい!昨日の娘さん!無視しないでよ!大事なものを自分にくれる約束だったじゃないですかぁ!ぬほほほほほ!」
私は恐怖のあまりその場から逃げてしまいました。
家に帰ってからも、ずっと震えていました。
次の日の朝も、集団登校で同じ通学路を歩いて学校に向かいました。
しかし、もう腰蓑中年男性はいませんでした。
それ以来、私が卒業するまで、全裸に腰蓑姿の中年男性は、もう二度と現れることはありませんでした。
あの後どうなったのかはわかりません。
今思えば、あれはきっと妖怪だったのでしょう。
今でも、耳を澄ますと「ぬほほほほ」という笑い声が聞こえてきそうで、時々、怖くなります。
*********************
それではもう一つ、別の南国系中年童貞怪談をお話ししましょう。
あれは、興味本位で、絶対に入ってはいけないと地元で恐れられている廃屋に肝試しに行ったときのことであった 。
そこは、かつて県境の田舎町に結核の隔離病棟として建てられた建物だった。
激しく老朽化がすすみ、所有者不明のまま放置されているというわけだ。
私たちが訪れたのは夏休みのことだから、季節は夏真っ盛りだったと思う。
夜になると、地元では有名な心霊スポットらしく、多くの若者たちが集まってきた。
若者の中には女性の姿もあった。
彼女たちは全員、彼氏や親しい男性を連れて来ており、男女混合グループが全部で二十人ほどの集団になっていた。
私たちは、まず建物の裏手へ回った。
そこには墓地があり、結核で死んだ患者の骨を埋めたという言い伝えがあるのだ。
歩いていると、建物の裏側に到着した。鬱蒼とした木立に囲まれていて、今にも何かが出てきそうな場所だ。
そして、その日の夜は月が出ておらず、あたりは完全な闇に包まれていた。
いくら目を凝らしても何も見えなかったので、懐中電灯をつけたのだが、そのとき、信じられないものを見た。
それは巨大な人の顔だったのだ。
メガネをかけたキム将軍のような髪型のハワイ人らしき男の顔が懐中電灯に照らされて闇の中に浮いていた。
しかも、目が血走っている。
私たちは悲鳴を上げた。他の者たちも一斉に悲鳴を上げたのだ。
その途端、「ぬほほほ、ぬほほほ」という笑い声が聞こえてきた。
全員がパニックに陥った。
逃げ出そうとする者もいれば、腰を抜かして、その場に座り込んでしまう者もいた。
私は後者だった。腰が抜けてしまい、動けなくなってしまったのだ。
その場の全員の表情は恐怖で溢れており、皆一様に同じ方向を見つめている。
何が起こっているのか分からず混乱していると、再び笑い声が聞こえてきた。
私はようやく気づいた。今まさに我々の目の前に浮かんでいる顔が発する笑い声なのだ。
その証拠に、その巨大な顔の口が動いている。
「ぬほほっ! ぬほほっ!ぬほほっ! ぬほほっ!」
私たちは慌てて駆け出した。
他の連中も我に返って、それぞれの方向へ散っていく。
だが、笑い声はどこまで行っても追いかけてきたのだ!!。
「ぬほほっ! ぬほほっ! ぬほほっ! ぬほほっ!」
まるで呪われたかのように、いつまでもしつこくついてくる。
「ぬほほっ! ぬほほっ! ぬほほっ! ぬほほっ!」
私は、覚悟を決めて振り返ると、全裸に腰蓑容の巨漢が鬼の形相で追いかけてきたのだ。
「ぬほほーっ!! ぬほほーっ!!! 男女でイチャイチャして羨ましいー、自分も混ぜてくれーっ!」 と叫んでいるらしい。
ぬほほーっ!!! ぬほほーっ!!! ぬほほーっ!!!
私は必死で逃げた。他の者も同じだろう。
なんとか全員が無事に逃げることができた。まだ安心はできない。
もう、肝試しを続行する理由はない。早く逃げなければ……。
その後、私は振り返れなかった。
もう後ろを見る余裕なんてなかったからだ。
とにかく無我夢中で走った。
あれは一体、なんだったのだろう。
*********************
さらにもう一つ、南国系中年童貞怪談をお話ししたいと思う。
これは私の友人から聞いた話だ。
友人の知り合いに、とある地方都市でカラオケパブを経営している男性がいた。
その人は6年前に結婚して娘もいるが、仕事が忙しくてなかなか家庭を顧みることができない。
そのため妻との間には溝ができているらしい。
ある日のこと、その男性がいつのように仕事を終えて深夜に帰宅すると、その日は、妻は眠りもせずリビングでテレビを観ていた。
娘の保育園への送り迎えは妻の役割であったので、彼女は寝不足の状態になるだろう。
男は妻に尋ねた。「どうして、今夜は眠ってないの?」
それに対して、妻はこう答えた。
「だって、あなたが帰ってくるのを待ってたんだもの。」
どうやら、妻は、娘を迎えに仕事を終えて保育園に行き、自宅へ帰る途中、何やら怖いものを見てしまったらしい。
男に尋ねられて、妻はすぐにその話をした。
「私が、娘を連れて歩いていたら、変な声がしたのよ。」
「ぬほほ、ぬほほ、っていう笑い声。」
「どこから聞こえるのかと思って探していたら、道路脇に電信柱があったの。」
「そしたらね、その電柱の脇から、腰蓑の葉みたいなのが飛び出していたわ。」
「電信柱に隠れて、ぬほほ、ぬほほ、笑ってるの。」
「私は怖くなって、すぐ家に帰ったわ。」
「ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ…… そう言いながら、その声はずっと私についてきたのよ。」
「ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ…… 私は怖くなって家まで走って帰ったのよ。」
「それで、あなたが帰ってくるのを待っていたの。」
「でも、あなたの姿を見て、私はホッとしたわ。」
男が、「心配だね。警察に連絡したら」と妻に伝えた途端、
「ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ…… 」と、笑い声が聞こえてくるではありませんか!
ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ……
男は驚いて玄関から出てみると、いつの間にか、全身が毛むくじゃらで全裸に腰蓑姿の男がいるではないですか!
「ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ、お嬢さんをお嫁にください。15年後にまた来ます。ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ…… 」
と、男は強烈な臭いを発して消えてしまった。
男は警察に通報したが、結局、犯人は捕まらなかったという。
あれは一体…
*********************
私からも、南国系中年童貞怪談をお話ししたいと思います。
あれは確か、私が二十歳の頃のことだったと思う。
私は上京して、一人暮らしをしていたのだが、寝付けずに、夜中にふと目が覚めてしまった。
トイレに行ってから部屋に戻ってきて、布団に入ったものの、なぜか眠れない。夜中の二時頃だった。
眠れないので、コンビニにお酒を買いに行こうとして、外に出ると、
どこからともなく、「ぬほほー」という声が聞こえてきたのだ。
幻聴かと思って気にせずに歩いていると、再び笑い声のようなものが聞こえてきた。
「ぬほほーっ! ぬほほーっ! 」これは明らかに私の後をつけてきている。
私は恐ろしくなった。
しかし、相手の正体は分からなかった。
私は急いでアパートに帰ると、すぐに鍵をかけてカーテンも閉めた。
カーテンの隙間から外を見てみると、そこには人影が見えた。
「ぬほほーっ! ぬほほーっ! 」と、叫びながら近づいてくる。
「ぬほほーっ! ぬほほーっ!」 私は震え上がった。
その瞬間、 ぴたりと笑い声が止んでしまった。
私は、ほっとして、そのまま朝までぐっすりと眠ってしまった。
翌朝になって、私は目を開けた。
昨夜の恐怖が嘘のようになくなっていた。
やはり、疲れていたのだろうか。それとも、本当に気のせいであったのかもしれない。
その晩、私はもう一度、真相を確かめるために外へ出てみた。
すると、やはり笑い声は聞こえてきたのだ。
「ぬほほーっ! ぬほほーっ! 」と、笑っている。
私は恐怖を覚えて、鍵をかけ、カーテンも閉めて、電気も消して、布団の中に潜り込んだのだ。
翌日、私は勇気を出して、窓の外を確認した。
しかし、何もいなかった。
やはり、ただの思い過ごしだったようだ。
だが、それ以来、私はこの笑い声に悩まされることになった。
「ぬほほーっ! ぬほほーっ! 」と、笑い続けている。
私は怖くてたまらない。
私は、知り合いの伝手を頼って、霊能者に相談する事にしたのだ。もちろん有料である。
その霊能者は私の家まで怪奇現象を調べに来てくれることになったのだ。
その日の夜遅く、やはり、
「ぬほほーっ! ぬほほーっ! 」と、笑い声が聞こえてきた。
そこで、霊能者は、必死にお経を唱えはじめた。
「ぬほほーっ! ぬほほーっ!」 しかし、笑い声は止まらない。
「ぬほほーっ! ぬほほーっ! 」私は思わず耳を塞いでしまう。
その途端、笑い声はピタリと止まったのだった。
すると、今度は、「ぬほほーっ!女の子のアパート一人暮らしは危ないよー、ぬほー」というようなことを呟き始めたではないか。
霊能者は、「妖怪の類なので力になれない」と報酬を返してくれた。
その後、怖くなって、私がオートロック付の賃貸マンションに移り住んでからは、一切、笑い声は聞こえなくなった。
あの笑い声は何なのだろう?
*********************
私の友人が、その知人の家に遊びに行ったときのことだ。
その知人の家は、親と同居の二階建てで、一階が彼女の両親の住まいになって、二階に知人の部屋がある。
その日、知人は友人を自室に招いて、恋の悩みの相談をしていたようだ。
すると、外から何か奇妙な音が聞こえてきたのだという。
「ぬほほほ。ぬほぬほほ。」、どこか獣の鳴き声のようでもあった。
「ぬほぬほ、ぬほほほほほ!」さらに、その音は、どんどん大きくなっていく。
二人は顔を見合わせた。
そして、窓から外の様子を伺う。
庭の向こうには雑木林が広がっており、その木々の間から、大きな人影のようなものが見え隠れしているのが分かった。
あれは一体なんなんだ!? そう思った次の瞬間、
「ぬほほーっ!! ぬほほーっ!!」
と、その巨大な人影が叫んだ。
その途端、雑木林の中から、全身が毛むくじゃらの腰蓑姿の巨漢が飛び出てきて、こちらへ向かって走ってきたのだ。
「ぬほほーっ!! ぬほほーっ!! ぬほほーっ!! 恋話、自分も混ぜてーっ! 」と、どうやら叫んでいるらしい。
その異様な姿に恐れをなし、ロケット花火を打ち込んだところ、巨漢の姿は、いつの間にか異様な臭気を残して消えてしまったということだ。
*********************
私が自宅アパートに帰ると、部屋の中は真っ暗だった。
電気をつけると、部屋の中に全裸に腰蓑姿の巨漢が立っていたのだ。
「きゃぁーっ!!」私は驚いて悲鳴を上げた。
巨漢はゆっくりと振り返った。
「知人の部屋と間違えていました。ぬほほほ 」と言ってベランダから去って行ったのだ。
あれはいったい誰なのか。私は怖くてたまらないたでいた。
そんなある日のことである。
私の家の前を通りかかった小学生くらいの男の子二人が、私に向かって手を振ってくれた。
私は笑顔でそれに答えたつもりだったが、そのうちの一人の子供が、「なんで、おじちゃんは裸に腰蓑姿なの?」と叫んでいます。
私は驚いて後ろを振り返ると、そこには確かに子供の言うとおり、全身が毛むくじゃらで全裸に腰蓑姿の男が立っているではありませんか!
私は恐ろしくなって、自分の部屋ら逃げ出しました。
男は「ぬほほーっ」と笑いながら追いかけてきます。
「ぬほほほ、また部屋を間違えてしまいました。ごめんなさい。ぬほほーっ!」と叫びながら。
私は、鍵締まりの意識が低かったことに気づき、オートロックや監視カメラのついているマンションへ越すことにしました。
あれは一体、なんだったのでしょう?
私は今でも不思議に思っています。
*********************
ある夏の日の夕方のことであった。
私は失恋をし、一人で水族館に来ていた。
その水族館で1番大きな水槽の魚たちをぼんやり眺めていると、水槽の中に毛むくじゃらで全裸に腰蓑姿の巨漢が泳いでいたのだ!。
「ぬほほほほ。女性が一人で水族館とは、よろしければご一緒します。ぬほほほほ。」と笑いながら。
よく見ると、その巨漢は、泳いでいるのではなく、スマートフォンのライトで自分自身を照らして、水槽のアクリルガラスに自身を反射させていたのだった。
私はあまりの恐怖に失禁してしまい、その場に座り込んでしまった。
すると、近くを歩いていた警備員が駆け寄ってきてくれて、事情を察してくれたらしく、救急車を呼んでくれた。
しかし、その巨漢を見た人は誰もいなかった。
私は、そのショックのおかげで、失恋からも立ち直ることができた。
あの巨漢はなんだったのだろう。
*********************
ある日のことだった。
私はいつものように出勤して、いつものように仕事をしていた。
すると、上司が私を呼び出した。
上司:「おい、今月の売り上げが悪いぞ。どうなっているんだ?」
私:「すみません。いろいろ努力をしているのですが……」
実は、私は、その月に売り上げ目標を達成できなければ、減給と賞与不支給になると言われていた。
上司:「まったく、お前ときたら、いつもそんな調子だなあ……。まあいい。ところで、今夜あたり、一緒に食事でもどうだ?」
私は驚いた。まさか、こんなときに誘ってくるなんて。
でも、仕方がない。これも仕事だ。
私:「はい。ぜひお願いします。」
私は、仕事を終えるとその足で上司と一緒に居酒屋へ向かった。
店に入って席に着くと、ビールと料理が運ばれてきた。
その途端に、
「ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ…… 」私は不気味な笑い声を聞いたような気がした。
私は周囲を見回したが、誰もいない。
「ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ……」 笑い声は続く。
しかし、どこから聞こえるのか分からない。
私は周囲を見回すのをやめて、目の前の上司を見た。
上司は、楽しそうに酒を飲んでいた。
私は上司に尋ねた。「ねえ、今の笑い声って、何だと思いますか?」
すると、上司は、「そんなことより、この後のこと、解ってるだろうな?」
私は、上司が私の身体が目当てでこの場にいることを悟った。
私は黙っていた。
すると、「ぬほほーっ! ぬほほーっ! 」と大きな笑い声が聞こえてくる。
「ぬほほーっ! ぬほほーっ!上司のセクハラ、上司のパワハラ、不倫、許すまじ!、ぬほほーっ!ぬほほーっ!」
その声のおかげで、私の中で怒りが燃え上がってきた。
私は立ち上がり、上司に大声でこう言った。
「うるせえ! お前みたいなハゲでキモいオヤジの相手なんてするわけないんだよ!」
上司が私に何か反論を言おうとした瞬間、全裸に腰蓑姿の巨漢が現れて、上司を担いで連れて行ってしまった。
ぬほほーっ! ぬほほーっ! と笑い声が遠ざかっていく。
私は安心して、再びビールを飲み始めたのだ。
上司は次の日、私に土下座をして謝ってきたのだ。仕事の売上も上司が操作していたらしい。
しかし、それ以上は何も語ろうとしなかった…
あの巨漢はなんだったのだろう。
*********************
怪談、やっぱり怖いです。
実は私も、耳を澄ますと「ぬほほーっ! ぬほほーっ!」という笑い声が聞こえてくるんです・・・
****おしまい*****
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。また、性的嗜好や差別を助長させる目的で書かれたものではありません。
(注:この文章を読んでいるあなたの世界にも、あなたにしか見えないパイナップル番長が存在し、また、どこの世界にも必ずパイナップル番長は存在するのです。)
あれは、小雨が降る真夜中のことだった。
その日、私は残業を終えて会社を出たのだが、傘を持っていなかった。
どうせタクシーに乗って帰るつもりだったから、もう濡れても構わないと思い、そのまま会社を出ることにした。
ところが、タクシーに、いざ乗ろうとしたところで、雨のせいか、運悪く一台も空車のタクシーが通らない。
そこで仕方なく、傘もささずに夜道を歩いて帰ることにした。
だが、この選択が間違いだった。
この辺りには人通りがほとんどなく、街灯も少なくて薄気味悪いことこの上ない。
おまけに雨まで降っているものだから、さっさと家に帰りたくて仕方がなかった。
それでもどうにか我慢して歩いているうちに、前方にぼんやりとした明かりが見えてきた。
それが何なのか最初は分からなかったが、近づいてみると公衆電話ボックスであることが分かった。
今の時代に誰が使うのかと思いながら、明かりの横を通り過ぎようとしたときだ。
ふいに電話ボックスの中から声をかけられた。
「ぬほほほほっ! ぬほほほほほっ!」
奇妙で不気味な笑い声であった。
怖くなり、足がすくんで、私は思わず歩行を止めてしまった。
まさか幽霊の声なんじゃないか。
ただ、その奇妙な響き方に本能的な恐怖を覚えたのだ。
「ぬほほほほっ! ぬほほほほほっ!」
また聞こえた。
今度は先ほどよりもはっきりしていた。
誰かが笑っているような感じだが、まるで呪いの呪文のように、何か不吉なものを感じさせる調子である。
気がつくと、いつの間にか私の背後に笑い声の主が迫っていた。
気配を感じ取った瞬間、全身に鳥肌が立った。
振り返りたかったが、怖くてできなかった。
金縛りにあったように身動きができない。
背後にいる存在が何者なのか、確かめることはできなかった。
しかし、次の瞬間のことであった!
突然、私の肩に手が置かれたのだ!。
ぞっとするような毛むくじゃらの手だ。
力士のように大きな手で、武蔵丸に触られたら、こんな感じだろうと私は思ったのだ。
そして、耳元で囁かれたのだ…
「ぬほほほほっ、お嬢さん、雨でブラが透けてる、ぬほほ。
暗い道は危ないよ。ぬほー、自分が家まで送りますよ。ぬほほほほ…」
私は悲鳴を上げて一目散に走って逃げ出した。
後日、インターネットを調べると、私が出会った男は、『パイナップル番長』かもしれない。
彼は相撲界からのスカウトを断り、紆余曲折でニートに追い込まれた後、童貞を拗らせて妖怪になったそうだ。
どうして妖怪があの場所にいたのか分からない。
ひょっとすると、あの妖怪は今でもあそこにいて、雨の日にだけ現れるのかもしれない。
ぬほ、ぬほほ と、そう呟きながら……
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次の話をいたしましょう。
私が小学生の頃の話である。
私の住んでいたところは東京の下町ような場所でした。
いつものように、小学校へ行くため集団登校をしていると、道端に全裸に腰蓑姿の巨大な中年男性が立っていました。
「ぬほほーっ!ぬほほ、もう少し大きくなったら、女の子の特別な大切なものというのを自分にください。ぬほほほーっ!」
と、大きな声で言うのです。
私は恥ずかしさのあまりに顔が赤くなるのを感じながらも、無視をして、みんなと一緒に学校へ行きました。
振り返ると、その中年のおじさんは、スマートフォンを手に持っていました。盗撮されていたかも知れません。
私はその夜、そのおじさんのことが怖くて頭から離れず、夜中に何度も目が覚めてしまいました。
翌日、また集団登校です。
すると、昨日と同じ場所に同じ格好で立っている中年男性がいました。
私はすぐに気がつきました。
あの人はきっと変質者だ、何かされる前に先生に伝えないと……そう思って、目を合わせないようにしました。
しかし、中年男性は私に向かって言うのです。
「おおーい!昨日の娘さん!無視しないでよ!大事なものを自分にくれる約束だったじゃないですかぁ!ぬほほほほほ!」
私は恐怖のあまりその場から逃げてしまいました。
家に帰ってからも、ずっと震えていました。
次の日の朝も、集団登校で同じ通学路を歩いて学校に向かいました。
しかし、もう腰蓑中年男性はいませんでした。
それ以来、私が卒業するまで、全裸に腰蓑姿の中年男性は、もう二度と現れることはありませんでした。
あの後どうなったのかはわかりません。
今思えば、あれはきっと妖怪だったのでしょう。
今でも、耳を澄ますと「ぬほほほほ」という笑い声が聞こえてきそうで、時々、怖くなります。
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それではもう一つ、別の南国系中年童貞怪談をお話ししましょう。
あれは、興味本位で、絶対に入ってはいけないと地元で恐れられている廃屋に肝試しに行ったときのことであった 。
そこは、かつて県境の田舎町に結核の隔離病棟として建てられた建物だった。
激しく老朽化がすすみ、所有者不明のまま放置されているというわけだ。
私たちが訪れたのは夏休みのことだから、季節は夏真っ盛りだったと思う。
夜になると、地元では有名な心霊スポットらしく、多くの若者たちが集まってきた。
若者の中には女性の姿もあった。
彼女たちは全員、彼氏や親しい男性を連れて来ており、男女混合グループが全部で二十人ほどの集団になっていた。
私たちは、まず建物の裏手へ回った。
そこには墓地があり、結核で死んだ患者の骨を埋めたという言い伝えがあるのだ。
歩いていると、建物の裏側に到着した。鬱蒼とした木立に囲まれていて、今にも何かが出てきそうな場所だ。
そして、その日の夜は月が出ておらず、あたりは完全な闇に包まれていた。
いくら目を凝らしても何も見えなかったので、懐中電灯をつけたのだが、そのとき、信じられないものを見た。
それは巨大な人の顔だったのだ。
メガネをかけたキム将軍のような髪型のハワイ人らしき男の顔が懐中電灯に照らされて闇の中に浮いていた。
しかも、目が血走っている。
私たちは悲鳴を上げた。他の者たちも一斉に悲鳴を上げたのだ。
その途端、「ぬほほほ、ぬほほほ」という笑い声が聞こえてきた。
全員がパニックに陥った。
逃げ出そうとする者もいれば、腰を抜かして、その場に座り込んでしまう者もいた。
私は後者だった。腰が抜けてしまい、動けなくなってしまったのだ。
その場の全員の表情は恐怖で溢れており、皆一様に同じ方向を見つめている。
何が起こっているのか分からず混乱していると、再び笑い声が聞こえてきた。
私はようやく気づいた。今まさに我々の目の前に浮かんでいる顔が発する笑い声なのだ。
その証拠に、その巨大な顔の口が動いている。
「ぬほほっ! ぬほほっ!ぬほほっ! ぬほほっ!」
私たちは慌てて駆け出した。
他の連中も我に返って、それぞれの方向へ散っていく。
だが、笑い声はどこまで行っても追いかけてきたのだ!!。
「ぬほほっ! ぬほほっ! ぬほほっ! ぬほほっ!」
まるで呪われたかのように、いつまでもしつこくついてくる。
「ぬほほっ! ぬほほっ! ぬほほっ! ぬほほっ!」
私は、覚悟を決めて振り返ると、全裸に腰蓑容の巨漢が鬼の形相で追いかけてきたのだ。
「ぬほほーっ!! ぬほほーっ!!! 男女でイチャイチャして羨ましいー、自分も混ぜてくれーっ!」 と叫んでいるらしい。
ぬほほーっ!!! ぬほほーっ!!! ぬほほーっ!!!
私は必死で逃げた。他の者も同じだろう。
なんとか全員が無事に逃げることができた。まだ安心はできない。
もう、肝試しを続行する理由はない。早く逃げなければ……。
その後、私は振り返れなかった。
もう後ろを見る余裕なんてなかったからだ。
とにかく無我夢中で走った。
あれは一体、なんだったのだろう。
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さらにもう一つ、南国系中年童貞怪談をお話ししたいと思う。
これは私の友人から聞いた話だ。
友人の知り合いに、とある地方都市でカラオケパブを経営している男性がいた。
その人は6年前に結婚して娘もいるが、仕事が忙しくてなかなか家庭を顧みることができない。
そのため妻との間には溝ができているらしい。
ある日のこと、その男性がいつのように仕事を終えて深夜に帰宅すると、その日は、妻は眠りもせずリビングでテレビを観ていた。
娘の保育園への送り迎えは妻の役割であったので、彼女は寝不足の状態になるだろう。
男は妻に尋ねた。「どうして、今夜は眠ってないの?」
それに対して、妻はこう答えた。
「だって、あなたが帰ってくるのを待ってたんだもの。」
どうやら、妻は、娘を迎えに仕事を終えて保育園に行き、自宅へ帰る途中、何やら怖いものを見てしまったらしい。
男に尋ねられて、妻はすぐにその話をした。
「私が、娘を連れて歩いていたら、変な声がしたのよ。」
「ぬほほ、ぬほほ、っていう笑い声。」
「どこから聞こえるのかと思って探していたら、道路脇に電信柱があったの。」
「そしたらね、その電柱の脇から、腰蓑の葉みたいなのが飛び出していたわ。」
「電信柱に隠れて、ぬほほ、ぬほほ、笑ってるの。」
「私は怖くなって、すぐ家に帰ったわ。」
「ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ…… そう言いながら、その声はずっと私についてきたのよ。」
「ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ…… 私は怖くなって家まで走って帰ったのよ。」
「それで、あなたが帰ってくるのを待っていたの。」
「でも、あなたの姿を見て、私はホッとしたわ。」
男が、「心配だね。警察に連絡したら」と妻に伝えた途端、
「ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ…… 」と、笑い声が聞こえてくるではありませんか!
ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ……
男は驚いて玄関から出てみると、いつの間にか、全身が毛むくじゃらで全裸に腰蓑姿の男がいるではないですか!
「ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ、お嬢さんをお嫁にください。15年後にまた来ます。ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ…… 」
と、男は強烈な臭いを発して消えてしまった。
男は警察に通報したが、結局、犯人は捕まらなかったという。
あれは一体…
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私からも、南国系中年童貞怪談をお話ししたいと思います。
あれは確か、私が二十歳の頃のことだったと思う。
私は上京して、一人暮らしをしていたのだが、寝付けずに、夜中にふと目が覚めてしまった。
トイレに行ってから部屋に戻ってきて、布団に入ったものの、なぜか眠れない。夜中の二時頃だった。
眠れないので、コンビニにお酒を買いに行こうとして、外に出ると、
どこからともなく、「ぬほほー」という声が聞こえてきたのだ。
幻聴かと思って気にせずに歩いていると、再び笑い声のようなものが聞こえてきた。
「ぬほほーっ! ぬほほーっ! 」これは明らかに私の後をつけてきている。
私は恐ろしくなった。
しかし、相手の正体は分からなかった。
私は急いでアパートに帰ると、すぐに鍵をかけてカーテンも閉めた。
カーテンの隙間から外を見てみると、そこには人影が見えた。
「ぬほほーっ! ぬほほーっ! 」と、叫びながら近づいてくる。
「ぬほほーっ! ぬほほーっ!」 私は震え上がった。
その瞬間、 ぴたりと笑い声が止んでしまった。
私は、ほっとして、そのまま朝までぐっすりと眠ってしまった。
翌朝になって、私は目を開けた。
昨夜の恐怖が嘘のようになくなっていた。
やはり、疲れていたのだろうか。それとも、本当に気のせいであったのかもしれない。
その晩、私はもう一度、真相を確かめるために外へ出てみた。
すると、やはり笑い声は聞こえてきたのだ。
「ぬほほーっ! ぬほほーっ! 」と、笑っている。
私は恐怖を覚えて、鍵をかけ、カーテンも閉めて、電気も消して、布団の中に潜り込んだのだ。
翌日、私は勇気を出して、窓の外を確認した。
しかし、何もいなかった。
やはり、ただの思い過ごしだったようだ。
だが、それ以来、私はこの笑い声に悩まされることになった。
「ぬほほーっ! ぬほほーっ! 」と、笑い続けている。
私は怖くてたまらない。
私は、知り合いの伝手を頼って、霊能者に相談する事にしたのだ。もちろん有料である。
その霊能者は私の家まで怪奇現象を調べに来てくれることになったのだ。
その日の夜遅く、やはり、
「ぬほほーっ! ぬほほーっ! 」と、笑い声が聞こえてきた。
そこで、霊能者は、必死にお経を唱えはじめた。
「ぬほほーっ! ぬほほーっ!」 しかし、笑い声は止まらない。
「ぬほほーっ! ぬほほーっ! 」私は思わず耳を塞いでしまう。
その途端、笑い声はピタリと止まったのだった。
すると、今度は、「ぬほほーっ!女の子のアパート一人暮らしは危ないよー、ぬほー」というようなことを呟き始めたではないか。
霊能者は、「妖怪の類なので力になれない」と報酬を返してくれた。
その後、怖くなって、私がオートロック付の賃貸マンションに移り住んでからは、一切、笑い声は聞こえなくなった。
あの笑い声は何なのだろう?
*********************
私の友人が、その知人の家に遊びに行ったときのことだ。
その知人の家は、親と同居の二階建てで、一階が彼女の両親の住まいになって、二階に知人の部屋がある。
その日、知人は友人を自室に招いて、恋の悩みの相談をしていたようだ。
すると、外から何か奇妙な音が聞こえてきたのだという。
「ぬほほほ。ぬほぬほほ。」、どこか獣の鳴き声のようでもあった。
「ぬほぬほ、ぬほほほほほ!」さらに、その音は、どんどん大きくなっていく。
二人は顔を見合わせた。
そして、窓から外の様子を伺う。
庭の向こうには雑木林が広がっており、その木々の間から、大きな人影のようなものが見え隠れしているのが分かった。
あれは一体なんなんだ!? そう思った次の瞬間、
「ぬほほーっ!! ぬほほーっ!!」
と、その巨大な人影が叫んだ。
その途端、雑木林の中から、全身が毛むくじゃらの腰蓑姿の巨漢が飛び出てきて、こちらへ向かって走ってきたのだ。
「ぬほほーっ!! ぬほほーっ!! ぬほほーっ!! 恋話、自分も混ぜてーっ! 」と、どうやら叫んでいるらしい。
その異様な姿に恐れをなし、ロケット花火を打ち込んだところ、巨漢の姿は、いつの間にか異様な臭気を残して消えてしまったということだ。
*********************
私が自宅アパートに帰ると、部屋の中は真っ暗だった。
電気をつけると、部屋の中に全裸に腰蓑姿の巨漢が立っていたのだ。
「きゃぁーっ!!」私は驚いて悲鳴を上げた。
巨漢はゆっくりと振り返った。
「知人の部屋と間違えていました。ぬほほほ 」と言ってベランダから去って行ったのだ。
あれはいったい誰なのか。私は怖くてたまらないたでいた。
そんなある日のことである。
私の家の前を通りかかった小学生くらいの男の子二人が、私に向かって手を振ってくれた。
私は笑顔でそれに答えたつもりだったが、そのうちの一人の子供が、「なんで、おじちゃんは裸に腰蓑姿なの?」と叫んでいます。
私は驚いて後ろを振り返ると、そこには確かに子供の言うとおり、全身が毛むくじゃらで全裸に腰蓑姿の男が立っているではありませんか!
私は恐ろしくなって、自分の部屋ら逃げ出しました。
男は「ぬほほーっ」と笑いながら追いかけてきます。
「ぬほほほ、また部屋を間違えてしまいました。ごめんなさい。ぬほほーっ!」と叫びながら。
私は、鍵締まりの意識が低かったことに気づき、オートロックや監視カメラのついているマンションへ越すことにしました。
あれは一体、なんだったのでしょう?
私は今でも不思議に思っています。
*********************
ある夏の日の夕方のことであった。
私は失恋をし、一人で水族館に来ていた。
その水族館で1番大きな水槽の魚たちをぼんやり眺めていると、水槽の中に毛むくじゃらで全裸に腰蓑姿の巨漢が泳いでいたのだ!。
「ぬほほほほ。女性が一人で水族館とは、よろしければご一緒します。ぬほほほほ。」と笑いながら。
よく見ると、その巨漢は、泳いでいるのではなく、スマートフォンのライトで自分自身を照らして、水槽のアクリルガラスに自身を反射させていたのだった。
私はあまりの恐怖に失禁してしまい、その場に座り込んでしまった。
すると、近くを歩いていた警備員が駆け寄ってきてくれて、事情を察してくれたらしく、救急車を呼んでくれた。
しかし、その巨漢を見た人は誰もいなかった。
私は、そのショックのおかげで、失恋からも立ち直ることができた。
あの巨漢はなんだったのだろう。
*********************
ある日のことだった。
私はいつものように出勤して、いつものように仕事をしていた。
すると、上司が私を呼び出した。
上司:「おい、今月の売り上げが悪いぞ。どうなっているんだ?」
私:「すみません。いろいろ努力をしているのですが……」
実は、私は、その月に売り上げ目標を達成できなければ、減給と賞与不支給になると言われていた。
上司:「まったく、お前ときたら、いつもそんな調子だなあ……。まあいい。ところで、今夜あたり、一緒に食事でもどうだ?」
私は驚いた。まさか、こんなときに誘ってくるなんて。
でも、仕方がない。これも仕事だ。
私:「はい。ぜひお願いします。」
私は、仕事を終えるとその足で上司と一緒に居酒屋へ向かった。
店に入って席に着くと、ビールと料理が運ばれてきた。
その途端に、
「ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ…… 」私は不気味な笑い声を聞いたような気がした。
私は周囲を見回したが、誰もいない。
「ぬほほ、ぬほほ、ぬほほ……」 笑い声は続く。
しかし、どこから聞こえるのか分からない。
私は周囲を見回すのをやめて、目の前の上司を見た。
上司は、楽しそうに酒を飲んでいた。
私は上司に尋ねた。「ねえ、今の笑い声って、何だと思いますか?」
すると、上司は、「そんなことより、この後のこと、解ってるだろうな?」
私は、上司が私の身体が目当てでこの場にいることを悟った。
私は黙っていた。
すると、「ぬほほーっ! ぬほほーっ! 」と大きな笑い声が聞こえてくる。
「ぬほほーっ! ぬほほーっ!上司のセクハラ、上司のパワハラ、不倫、許すまじ!、ぬほほーっ!ぬほほーっ!」
その声のおかげで、私の中で怒りが燃え上がってきた。
私は立ち上がり、上司に大声でこう言った。
「うるせえ! お前みたいなハゲでキモいオヤジの相手なんてするわけないんだよ!」
上司が私に何か反論を言おうとした瞬間、全裸に腰蓑姿の巨漢が現れて、上司を担いで連れて行ってしまった。
ぬほほーっ! ぬほほーっ! と笑い声が遠ざかっていく。
私は安心して、再びビールを飲み始めたのだ。
上司は次の日、私に土下座をして謝ってきたのだ。仕事の売上も上司が操作していたらしい。
しかし、それ以上は何も語ろうとしなかった…
あの巨漢はなんだったのだろう。
*********************
怪談、やっぱり怖いです。
実は私も、耳を澄ますと「ぬほほーっ! ぬほほーっ!」という笑い声が聞こえてくるんです・・・
****おしまい*****
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。また、性的嗜好や差別を助長させる目的で書かれたものではありません。
(注:この文章を読んでいるあなたの世界にも、あなたにしか見えないパイナップル番長が存在し、また、どこの世界にも必ずパイナップル番長は存在するのです。)
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