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第2章
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この屋上は、普段は人が寄り付かない。
だがたまに、授業をサボる生徒がここに来たり、一息入れようとして
来るのか、タバコの吸い殻が落ちているのを、用務員さんが時折、
掃除をしに来ている…と聞く。
(やだなぁ~何もないと、いいけどなぁ)
宗太郎の心に、臆病風が吹いた。
石段を上がり切ると、鉄の扉が立ちはだかっている。
おそらくそこは、非常用の扉のはずだから…
鍵がかかっていない限りは、開くはずだ。
「開かなくても、いいや」
声に出してそう言うと、宗太郎はゆっくりと、丸いドアノブに手を
かける。
回してみると、何の抵抗もなく、あっさりと開いた。
(えっ?やっぱり、鍵がかかってない)
とすれば、やはりあの転校生が、ここにいるのか?
意を決して、扉を開くと、ビュウ~と風が吹き抜けた。
手を挟まないようにと、しっかりと押さえると、身体をそのすき間に、
すべり込ませた。
思ったよりも、広い空間が目の前に広がっている。
ガラーンとしていて、想像したような、サボっている学生や、
タバコを吸う生徒もいない。
「なぁんだ、誰もいないじゃないかぁ」
内心ホッとして、宗太郎は早速、グルリと吹きさらしの屋上を眺める。
丸い貯水槽が、一番高い所にあり、簡単な鉄の梯子がついている。
だが、鉄の柵も何もなく…
こんな所にいたら、飛び降り自殺をする人と、間違われるのではないか…
と、宗太郎はふと思う。
「やっぱり、いないじゃないかぁ」
言葉とは裏腹に、転校生の姿が見えないことに、宗太郎はホッとしている。
(ここに来て、ボーッとしていても、おかしくはないかぁ)
あながち見た、という話も、ウソではないのかもしれない。
「さぁ、もういいか」
帰ろう…と、扉の方へと向かうと、向かい側の建物から、チカチカと
何かが光るのが見えた。
だがたまに、授業をサボる生徒がここに来たり、一息入れようとして
来るのか、タバコの吸い殻が落ちているのを、用務員さんが時折、
掃除をしに来ている…と聞く。
(やだなぁ~何もないと、いいけどなぁ)
宗太郎の心に、臆病風が吹いた。
石段を上がり切ると、鉄の扉が立ちはだかっている。
おそらくそこは、非常用の扉のはずだから…
鍵がかかっていない限りは、開くはずだ。
「開かなくても、いいや」
声に出してそう言うと、宗太郎はゆっくりと、丸いドアノブに手を
かける。
回してみると、何の抵抗もなく、あっさりと開いた。
(えっ?やっぱり、鍵がかかってない)
とすれば、やはりあの転校生が、ここにいるのか?
意を決して、扉を開くと、ビュウ~と風が吹き抜けた。
手を挟まないようにと、しっかりと押さえると、身体をそのすき間に、
すべり込ませた。
思ったよりも、広い空間が目の前に広がっている。
ガラーンとしていて、想像したような、サボっている学生や、
タバコを吸う生徒もいない。
「なぁんだ、誰もいないじゃないかぁ」
内心ホッとして、宗太郎は早速、グルリと吹きさらしの屋上を眺める。
丸い貯水槽が、一番高い所にあり、簡単な鉄の梯子がついている。
だが、鉄の柵も何もなく…
こんな所にいたら、飛び降り自殺をする人と、間違われるのではないか…
と、宗太郎はふと思う。
「やっぱり、いないじゃないかぁ」
言葉とは裏腹に、転校生の姿が見えないことに、宗太郎はホッとしている。
(ここに来て、ボーッとしていても、おかしくはないかぁ)
あながち見た、という話も、ウソではないのかもしれない。
「さぁ、もういいか」
帰ろう…と、扉の方へと向かうと、向かい側の建物から、チカチカと
何かが光るのが見えた。
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