となりのソータロー

daisysacky

文字の大きさ
73 / 425
第4章

   31

しおりを挟む
「じゃあ…やっぱり5時に、あの家に来いって?」
 一応確かめるように、宗太郎が言うと、
「そうよ!」
まだ強い口調で、清子が返す。
はぁ~と宗太郎がため息をつくと、
「そうかぁ、わかった」
ようやく引き下がる。
だがまぁ、清子に報告する手間が省けた…と思う。
「まぁ、とりあえず…行ったらわかるでしょ」
早く行きましょ、と先を急ぐように、清子が背中を押すので、
「それは、そうだ」
宗太郎は納得して、うなづいた。


 だが、清子の自転車のお陰で、予定よりも早く着きそうだ。
急に清子は、宗太郎の背中にしがみつくと、
「ごめんね」
なぜか、そうつぶやく。
「えっ、なんで?」
何も悪いことなんか、していないじゃないかぁ~
そう思っていると
「だって、重たいでしょ?下りようか?」
 自転車はすでに、あの雑木林の奥へと入っていた。
 
「だけど、本当に、神林くんからだったのかなぁ」
 今さらのように、宗太郎がつぶやく。
宗太郎の背中を見つめて、
「だけど他に…誰が呼び出すと思うの?」
清子がつかまったまま、そう言う。
「そりゃあ…イタズラとか?
 ワナとか?
 何か考えているヤツが、いるかもしれないじゃないかぁ」
そう口走りながらも、そんなことをして、得をするヤツなんかいるのか?
そう思うと、清子もまた、それが正しいと思う。
「何のために?」と言い返す。
「さぁ?」
前をむいたまま、宗太郎が答える。
「でしょ?」
 余計なことを考えるのは、もうおしまい!とばかりに、清子はバン、と
宗太郎の背中を叩いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

愛するということ

緒方宗谷
恋愛
幼馴染みを想う有紀子と陸の物語

秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~

めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆ ―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。― モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。 だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。 そう、あの「秘密」が表に出るまでは。

【完結】百怪

アンミン
ホラー
【PV数100万突破】 第9回ネット小説大賞、一次選考通過、 第11回ネット小説大賞、一次選考通過、 マンガBANG×エイベックス・ピクチャーズ 第一回WEB小説大賞一次選考通過作品です。 百物語系のお話。 怖くない話の短編がメインです。

君が僕を好きなことを知ってる

大天使ミコエル
BL
【完結】 ある日、亮太が友人から聞かされたのは、話したこともないクラスメイトの礼央が亮太を嫌っているという話だった。 けど、話してみると違和感がある。 これは、嫌っているっていうより……。 どうやら、れおくんは、俺のことが好きらしい。 ほのぼの青春BLです。 ◇◇◇◇◇ 全100話+あとがき ◇◇◇◇◇

十八歳で必ず死ぬ令嬢ですが、今日もまた目を覚ましました【完結】

藤原遊
恋愛
十八歳で、私はいつも死ぬ。 そしてなぜか、また目を覚ましてしまう。 記憶を抱えたまま、幼い頃に――。 どれほど愛されても、どれほど誰かを愛しても、 結末は変わらない。 何度生きても、十八歳のその日が、私の最後になる。 それでも私は今日も微笑む。 過去を知るのは、私だけ。 もう一度、大切な人たちと過ごすために。 もう一度、恋をするために。 「どうせ死ぬのなら、あなたにまた、恋をしたいの」 十一度目の人生。 これは、記憶を繰り返す令嬢が紡ぐ、優しくて、少しだけ残酷な物語。

灰かぶりの姉

吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。 「今日からあなたのお父さんと妹だよ」 そう言われたあの日から…。 * * * 『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。 国枝 那月×野口 航平の過去編です。

猫と王子と恋ちぐら

真霜ナオ
BL
高校一年生の橙(かぶち)は、とある理由から過呼吸になることを防ぐために、無音のヘッドホンを装着して過ごしていた。 ある時、電車内で音漏れ警察と呼ばれる中年男性に絡まれた橙は、過呼吸を起こしてしまう。 パニック状態の橙を助けてくれたのは、クラスで王子と呼ばれている千蔵(ちくら)だった。 『そうやっておまえが俺を甘やかしたりするから』 小さな秘密を持つ黒髪王子×過呼吸持ち金髪の高校生BLです。

結婚前夜に婚約破棄されたけど、おかげでポイントがたまって溺愛されて最高に幸せです❤

凪子
恋愛
私はローラ・クイーンズ、16歳。前世は喪女、現世はクイーンズ公爵家の公爵令嬢です。 幼いころからの婚約者・アレックス様との結婚間近……だったのだけど、従妹のアンナにあの手この手で奪われてしまい、婚約破棄になってしまいました。 でも、大丈夫。私には秘密の『ポイント帳』があるのです! ポイントがたまると、『いいこと』がたくさん起こって……?

処理中です...