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第15章
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「おじいさんの娘さんなのかなぁ」
先生が、さらに宗太郎に聞く。
「さぁ?」
案外宗太郎も、そのあたりのことは、わからないようだ。
「でも、お姉さんを守ってくれって言ってる」
「そうなのか?」
「何か…あるみたいだ」
清子たちには見えない、その女性のことを、大切そうに
宗太郎は見つめている。
「お姉さんの名前は、知っているの?」
先生は、なおも聞く。
「うーん、下の名前しか知らない」
「そう」
先生は、チラリと神林君の方を見る。
それが唯一の手掛かりになるのかもしれないからだ。
「じゃあ、何と言うの?」
その言葉にハッとして、神林君も清子も、固唾をのんで返事を待つ。
宗太郎は一瞬、口を閉じる。
そうして、軽く息を吐くと、
「さよ」とだけ答えた。
「さよ?」
清子は、神林君の方を向いて、反応を確かめる。
彼は黙って、頭を振る。
(身内ではないのかぁ~)
清子は、少しガッカリする。
何で自分がガッカリするのか、自分でもよくわからない。
「じいちゃんがね、大切な人の娘だって言ってるよ」
ふいに、宗太郎が言う。
何だかまるで、この場でユーレイと会話をしているみたいだ。
「へぇ~そうなの?」
それにしても、そんな人を、どうして隠すようにしているのだろう?
(まさか…おじいさんの秘密って、これ?)
一気に、緊張感が高まる。
「それでね、この子に…財産を渡したいって言ってるよ」
何気なく放ったそのひと言に、その場にいた者が一気に固まった。
先生が、さらに宗太郎に聞く。
「さぁ?」
案外宗太郎も、そのあたりのことは、わからないようだ。
「でも、お姉さんを守ってくれって言ってる」
「そうなのか?」
「何か…あるみたいだ」
清子たちには見えない、その女性のことを、大切そうに
宗太郎は見つめている。
「お姉さんの名前は、知っているの?」
先生は、なおも聞く。
「うーん、下の名前しか知らない」
「そう」
先生は、チラリと神林君の方を見る。
それが唯一の手掛かりになるのかもしれないからだ。
「じゃあ、何と言うの?」
その言葉にハッとして、神林君も清子も、固唾をのんで返事を待つ。
宗太郎は一瞬、口を閉じる。
そうして、軽く息を吐くと、
「さよ」とだけ答えた。
「さよ?」
清子は、神林君の方を向いて、反応を確かめる。
彼は黙って、頭を振る。
(身内ではないのかぁ~)
清子は、少しガッカリする。
何で自分がガッカリするのか、自分でもよくわからない。
「じいちゃんがね、大切な人の娘だって言ってるよ」
ふいに、宗太郎が言う。
何だかまるで、この場でユーレイと会話をしているみたいだ。
「へぇ~そうなの?」
それにしても、そんな人を、どうして隠すようにしているのだろう?
(まさか…おじいさんの秘密って、これ?)
一気に、緊張感が高まる。
「それでね、この子に…財産を渡したいって言ってるよ」
何気なく放ったそのひと言に、その場にいた者が一気に固まった。
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