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第5章 シンデレラをプロデュース
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「あら、あなた…手と足が長いのねぇ」
「顏も華奢ねぇ」
ボソボソと試着室の向こうで、楽しそうな声が聞こえる。
迷惑そうでもなさそうなので、よかった…とホッと胸をなでおろす。
あまりにもユリカさんに褒められると、照れくさくて、嘘くさくも
聞こえるので、半分聞き流す。
それでも「細いわねぇ」「羨ましいなぁ」という声が、聞こえてくる。
エラもどう反応したらいいのか、わからない…
恥ずかしそうにはにかんで、つい試着室のカーテンの後ろに
隠れてしまうけれど。
「どう?」
「いいじゃない」
「じゃ、これはどう?」
黙って、鏡の前に立っていると、今度は次々と服を差し込まれて、
また着替え。
それだけでも疲れてしまい、頭がボーっとする。
身体もポッポと熱くなって、最後にはヘトヘトになってしまう…
さすがにもういいや…と思い始めたころ…
またもカーテンのすき間から、着せ替え人形よろしく、差し出された服に
着替えていると…
「あ、いいんじゃない?」
さらに何枚か試着して、いちいちカーテンを開いて、チェックするユリカさん。
「あ、それもいい!」
楽しそうに、声をかけてくる。
(ユリカさん、疲れたりしないのかしら…)
他人事ながら、エラ自身もひどく疲れたので、元気にのぞきに来るユリカさんの
ことを、不思議に思う。
そうして何点か、着替えた後で、
「もう、いいわよ」
ようやく解放された。
(そもそも、この人は…一緒に楽しんでいるのかも)
心の中で、そう思うのだった。
「顏も華奢ねぇ」
ボソボソと試着室の向こうで、楽しそうな声が聞こえる。
迷惑そうでもなさそうなので、よかった…とホッと胸をなでおろす。
あまりにもユリカさんに褒められると、照れくさくて、嘘くさくも
聞こえるので、半分聞き流す。
それでも「細いわねぇ」「羨ましいなぁ」という声が、聞こえてくる。
エラもどう反応したらいいのか、わからない…
恥ずかしそうにはにかんで、つい試着室のカーテンの後ろに
隠れてしまうけれど。
「どう?」
「いいじゃない」
「じゃ、これはどう?」
黙って、鏡の前に立っていると、今度は次々と服を差し込まれて、
また着替え。
それだけでも疲れてしまい、頭がボーっとする。
身体もポッポと熱くなって、最後にはヘトヘトになってしまう…
さすがにもういいや…と思い始めたころ…
またもカーテンのすき間から、着せ替え人形よろしく、差し出された服に
着替えていると…
「あ、いいんじゃない?」
さらに何枚か試着して、いちいちカーテンを開いて、チェックするユリカさん。
「あ、それもいい!」
楽しそうに、声をかけてくる。
(ユリカさん、疲れたりしないのかしら…)
他人事ながら、エラ自身もひどく疲れたので、元気にのぞきに来るユリカさんの
ことを、不思議に思う。
そうして何点か、着替えた後で、
「もう、いいわよ」
ようやく解放された。
(そもそも、この人は…一緒に楽しんでいるのかも)
心の中で、そう思うのだった。
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