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第13章 あべこべシンデレラ

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 もう一度、辺りを見回すと…
どうやら人里離れた小さな家の近くで、自分が倒れていたらしい…
ということはわかった。
 そうして、ここにいた別の女の子と、どうも入れ替わったらしい…
ということも、彼女にはわかった。
でもこの人たちは、先ほど起きたことも、どこまで理解しているのだろう、
とエラはボンヤリとする。

「あら、あなた…あの時のお姫様よね?」
 今までの自分は、まるで透明人間だったのか、と思うくらい、
自分の存在を、ようやく認識してもらえたみたいだ。
この継母は…自分のことを、ちゃんとわかっているのだろうか、と
思うのだけれど、エラは曖昧に、
「えぇ、まぁ」と言葉を濁す。
「まぁ、丁度よかったわ!
 あなたのせいで、うちの娘の人生が、メチャクチャになったのよ!
 責任を取ってもらえないかしら?」
いきなり強い口調で、エラを責め立てる。
「えっ」
だけどまだ、この状況を完全に飲み込めていないエラは、
一体、どういうこと?とボンヤリとする。
 さらに継母の隣にいる、年若い女の子の存在にも気が付く。
(あら?あの子は、だれ?)
 その少女は、継母に腕をぐっとつかまれたまま、呆然とした顔つきで、
こちらを見ている。
今まで気配さえなかったのに…一体どうやって、ここに来たのだ?
と狐につままれた顔をしているので、やはり自分たちの入れ替わりには、
気付いているようだ。
(さすがに、見た目も、身長も、年齢も・・・あの女の子とはまったく
違うのは、隠しようのない事実なので)
だけどそのことに、うろたえる様子もなく、動じる気配など微塵も
感じさせない継母に大して、この少女は不気味なものを見るような目付きで、
少し腰が引けた状態で、エラのことをじぃっと見詰めていた。

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