ラストダンスはあなたと…

daisysacky

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第1章  大学生デビュー

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   整った顔立ちの友人の顔を見ると、賢人はさぐりを入れるように、
聞いてみる。
秀人はわざと、目をそらすと…
「ところで、今年はあそこへ行くぞ」とおごそかに宣言する。
「あそこってどこだ?」
いきなりはぐらかす友人に、ケラケラ笑いながら、賢人は言う。
「とっておきの場所ってトコだろ?
 なんだよ、それ!
 ムードのいい所か?」
ニヤニヤしながら聞くと、傍にいた仲間も
「まさか、変なトコじゃないだろうなぁ?」
大げさに目をクルンと回すと、笑ってみせる。
「そうじゃなくて、あそこさ!
 この前、ネットで見ただろ?」
 急に真顔になると、秀人は携帯を取り出す。

 先日たまたまネットを見てた時に、何気なく、
これ、車で行くと、どのくらい時間がかかるのか…
可能ではあるなぁと、仲間たちとほんの数週間前に話していたところだ…
「えっ?」
男たちは、急に笑いを止めて
「それ、本気か?」
幾分真面目な顔になった。
「それにしても、あれ…やばいんだろ?」
「出るっていうぜ」
「大丈夫なのかなぁ」
急に冷めた顔になるので、秀人は
「なんだよ」とケンタたちの顔を見比べる。
「なんだ、やっぱり怖くなったのか?」
ニヤニヤしながら、からかうように言った。
 
 ケントはポケットに手を突っ込み、スマホを取り出すと
慣れた手つきで、何やら検索を始める。
それを興味津々で、黙って男たちがのぞき込む。
「おまえの言ってるのって、これだろ?」
ついと差し出す液晶画面には、煽情的な煽り文句で
「ついに怪人現る?」
 大きな見出しと共に、不鮮明な画像が、表示された。
秀人はそれをしばし、眺めると
「なぁ、そこへ…行ってみないか?」
と、仲間をたきつけるように、キッパリと言う。
「えっ」
急に言われて、戸惑うけれども…
賢人たちは、何だか落ち着かない様子になる。

「なぁ、行くって、サークルでか?」
目をキョロキョロさせて、賢人たちは、悪いことなどしてはいないのだけど・・・
賢人は落ち着かない様子になる。
「そうだよ」
「何しに行くんだよ」
縁起でもない…と、賢人はちょっとムッした顔つきになった。



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