ラストダンスはあなたと…

daisysacky

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第5章  謎の肖像画

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「えっ、何を言ってるのよ」
 あざけるような声で、アヤカが大きな声を上げる。
「そんなこと、あるわけないでしょ」
 いつもはおとなしいコトミのことを、明らかにバカにしているようだ。
それでもコトミは小さな声で
「ううん…何だか、おかしいの。動いてる…」
ポツンとつぶやくと、救いを求めるように、珠紀の方を見つめる。
みんなは一斉に、彼女を振り向き
「えっ、なにそれ」
「やめてよぉ」
気味悪そうに、玲が声を上げる。
「そういうの、ホント、苦手なんだからぁ」
いつも強気な彼女も、苦手なものはあるようだ。
するとにこやかに、アヤカが玲の方を向くと
「ごめん、ごめん!
 この子ったら…今日はおかしいの。
 ずっとこんなことばかり、言うのよ」
あわてて玲に近付くと、ペコペコととりなすように謝る。
「ホント、やめてよね」
憤慨したように、コトミを見ると…彼女はすぐに下を向いて、黙り込む。

 確かに、何だか気味が悪いなぁ~と、その美しい青年の絵を
珠紀が見つめると…
一瞬肖像画の絵と、眼が合ったような気がした。
 えっ!
彼女はドキンとして、一瞬息をのむ。
さっきまで…この絵の人物は、別の方向を見てはいなかった?
珠紀は、その場に立ちすくむ。
確かにコトミの言う通り…この絵は、生きてる?
 さらによく見よう…と、顔を引きつらせつつも、もう1度顔を
近付けると…今度は、何というか…その目は、明らかに
生気がないように見えた。
 おかしい…
 気のせいなのか?
「ねっ」
珠紀に近付いて、小さくコトミはささやく。
「見たでしょ?」
確信のある目だ…
「うん…」
だけども、一瞬だったので…珠紀はやはり自信がない。
そんなことが、あるわけがない、と頭では理解している。
でも珠紀の中の直感が…あきらかにおかしい、と警告音を発していた。
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