ラストダンスはあなたと…

daisysacky

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第6章  禁断の花園

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 突然の出来事に、珠紀は息をのんだ。
男は素顔をこちらにさらすと、激した口調で
「どうだ?醜いだろう。
 こんな化け物に捕まったというのがわかっても、君はアイツらが
 助けに来る、と思うのか?」
彼女に迫る勢いで、顔を突き出した。

 目の前に現れたのは…想像を絶する、これまでに見たこともないくらい
悲惨な顔面だった。
思わずハリウッドの特殊メイクか、と思うほどに…
肌は焼け焦げ、無数のあばたに覆われ、クレーターのようにデコボコしていた。
元の顔が想像も出来ないくらいに、ひどいやけどと、傷跡であった。
だがごつい皮膚の中に、眼だけが強い光を放っており、怖いくらいに
ギラギラと光っていた。
男の生に対する執念のようなものを、感じられた。
皮膚という皮膚が、焼け焦げ、溶けて、ケロイド状になっており、
どれだけひどい事故にあったのか…想像に難くない。

 珠紀は言葉を失い、目を背けたくても、じぃっとそのすさまじい姿に目を
奪われて…無言で吸い寄せられるようにただ、見ている。
そんな彼女に気が付くと、男は黙って、さらに手袋を外して見せた。
その手首にも…無数の傷跡と、焼け焦げた痕…
欠損した人差し指の指先や、くっついた中指と薬指を見て…
珠紀は思わず、顔を両手で覆った。

「どうだ、醜いだろう?」
珠紀を試すように、男ははっきりとした口調で、言葉をかける。
どうせきれいごと、言ってるだけだろう、と男は絶句する彼女をあざけるように、
冷ややかな目付きで、隠された傷跡を、彼女の眼前にさらすと、
耐えきれず、彼女の目から、涙のしずくがあふれてきた。
「恐ろしいだろ?怖いだろう?」
それでも男の手は緩むことなく、彼女に詰め寄って来る。
今迄自分のことを、蔑んできたたくさんの人々に対する怒りを、
今この瞬間に、ぶつけているように見受けられた。

 だが震える肩を揺らせて、珠紀は激しく頭を振ると
「いいえ、いいえ」
かすかな声で、言葉をつまらせて涙をぬぐった。
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