ラストダンスはあなたと…

daisysacky

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第17章  すべてはまぼろしに…

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  それは、表面が少しひび割れしている、小さな絵だった。
そこには、1人の少女がこちらを向いて微笑んでいる。
なぜか妙に、心に響く絵だ。
どうしてそんなに、気になるのだろう…と思うのだけれども、
それはおそらく、その女の子の瞳の奥に、何かが映っているようで、
妙に生々しく感じられて、気になるのだ…
なんで?
何が映っているの?
珠紀は集中して、目をやや細めるようにして、しげしげとのぞき込む。
その瞳の奥に、かすかに人影が映っているように見えた。

「この子は?」
絵から目を離さずに、珠紀が聞くと、山内さんは
「似てるでしょ?」
フフッと笑うと
「この子は…坊ちゃんの幼なじみの子よ」
意味ありげに言う。
幼なじみ?
彼は、1人ぼっちじゃあなかったのか?
珠紀は意外な気がする。
玲は、珠紀と絵の女の子を見比べて、
「やっぱり似てる」
珠紀を見て、微笑んだ。
「そうかぁ~あの人…初恋の相手に似てるから、それで…」
納得したように、秀人もうなづいている。
「先輩もいたの?」
すっかり珠紀は、失念していた。

納得したように、秀人もうなづく。
「この子は…ここの庭師の娘さんよ。
 いつも坊ちゃんと一緒に、よく遊んでいたなぁ」
懐かしそうに、目を細めると、山内さんは、にこやかに
微笑む。
「あなた、よく似ているわ」
珠紀に向かって言う。
「どうして、これを?」

なぜわざわざ自分に見せるのか…と珠紀は不思議に思った。

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