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第7章 突然あらわれた謎の住人
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「ただし、条件があるわ」
喜ぶ、黒づくめの中田さんに向かって、大家さんは穏やかな
顔付でこう言った。
「条件?」
「そう」
まっすぐに、大家さんは中田さんの顔を見つめる。
「人のことを、詮索しないこと。
余計なことは言わないこと」
「それだけ?」
「今の所は」
わかったわ、と女はうなづき、こうして…ひとまず大家さんの家に
厄介になることに。
「ありがとうございます」
急にしおらしくなり、深々と頭を下げる女性に…
待子はただただ 呆気にとられるばかりで、
「よかったですね」と繰り返し言った。
それにしても、この人は何しに帰ってきたのだろう…と、
次から次へと、疑問が頭にもたげて来るけれど…
「大家さんに、会いに来たんでしょ?」
待子の気持ちを読むように…レイコさんがいつの間にか現れて…
サラリと言ってのけたのだ。
「大家さんも、人がいいなぁ~」
マイコもそう言うと、
「ま、とりあえず…あなた、よかったわね!」
話を聞くつもりが、なぜか待子が励まされる形に。
なんなんだ、ここの人は?と思うけれど、
おそらく心が優しい人なのだろう…と、ムリヤリ自分に言い聞かせて…
(やじうま根性ともいう…)
果たして個々の人と、仲良くやっていけるのかな?と不安で…
知らない人ばかりに囲まれた生活に、突入したのだった。
そうして、あと言う間に、杏子との約束していた時間に
なろうとしていた…
喜ぶ、黒づくめの中田さんに向かって、大家さんは穏やかな
顔付でこう言った。
「条件?」
「そう」
まっすぐに、大家さんは中田さんの顔を見つめる。
「人のことを、詮索しないこと。
余計なことは言わないこと」
「それだけ?」
「今の所は」
わかったわ、と女はうなづき、こうして…ひとまず大家さんの家に
厄介になることに。
「ありがとうございます」
急にしおらしくなり、深々と頭を下げる女性に…
待子はただただ 呆気にとられるばかりで、
「よかったですね」と繰り返し言った。
それにしても、この人は何しに帰ってきたのだろう…と、
次から次へと、疑問が頭にもたげて来るけれど…
「大家さんに、会いに来たんでしょ?」
待子の気持ちを読むように…レイコさんがいつの間にか現れて…
サラリと言ってのけたのだ。
「大家さんも、人がいいなぁ~」
マイコもそう言うと、
「ま、とりあえず…あなた、よかったわね!」
話を聞くつもりが、なぜか待子が励まされる形に。
なんなんだ、ここの人は?と思うけれど、
おそらく心が優しい人なのだろう…と、ムリヤリ自分に言い聞かせて…
(やじうま根性ともいう…)
果たして個々の人と、仲良くやっていけるのかな?と不安で…
知らない人ばかりに囲まれた生活に、突入したのだった。
そうして、あと言う間に、杏子との約束していた時間に
なろうとしていた…
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