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第10章 思いがけない味方登場
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「杏子は?オバサン、どうしてる?」
「うん、帰ってから毎晩電話があるわ」
「いいなぁ」
自分たち親子とは、全然違う…とふと思う。
杏子のお母さんは…淑子と違い、とても優しくて仲良し親子なのだ。
つい最近まで、杏子の部屋に泊まり込んで、荷物の片づけなどを
していたという。
自分では、とても考えられないことだ…と羨ましくなる。
「うちは、うるさいぐらいだから…
待子くらい、放っておいて欲しいなぁと思うわ」
ちょっぴり羨ましそうに杏子は言う…
「えぇっ~!」
信じられなくて、待子は驚きの声をあげる。
「うちは放っておかれるというよりは、放置されすぎぃ~」
そう真面目な顏で言うと、ちょっと羨望の瞳を杏子に向けて、
「私も…杏子みたいに、可愛がられたらよかったんだけどねぇ」
しみじみとそう言った。
「君たち…ずいぶん、仲がいいんだねぇ」
コーヒーを片手に、マスターが近付いて来た。
いつも感心することだが、あれほど待っていたお客さんが、
いつの間にかなごやかに、食事をとりつつ談笑している。
すると不意に、杏子がヘラッと笑うと、
「待子!あなた…バイトを探しているのよね?」
いきなりマスターに言う。
これは、反則だ。
まだハッキリとは、杏子には話してはいない。
今回家を出るのにあたって…母と約束したのだ。
奨学金を申請して、必要以上にお金を請求しません…と。
家賃と必要最低限の食費のみ。
あとは自力で、どうにかしなさい、と厳命されたのだ。
「そうなのよねぇ~母さんには、これ以上、あてには
出来ないのよねぇ」
おそらく…それ以上は、びた一文、出してはくれないだろう…
するとマスターは、じぃっとその会話に耳を傾けると、
「そうなんだ…」と言った。
「うん、帰ってから毎晩電話があるわ」
「いいなぁ」
自分たち親子とは、全然違う…とふと思う。
杏子のお母さんは…淑子と違い、とても優しくて仲良し親子なのだ。
つい最近まで、杏子の部屋に泊まり込んで、荷物の片づけなどを
していたという。
自分では、とても考えられないことだ…と羨ましくなる。
「うちは、うるさいぐらいだから…
待子くらい、放っておいて欲しいなぁと思うわ」
ちょっぴり羨ましそうに杏子は言う…
「えぇっ~!」
信じられなくて、待子は驚きの声をあげる。
「うちは放っておかれるというよりは、放置されすぎぃ~」
そう真面目な顏で言うと、ちょっと羨望の瞳を杏子に向けて、
「私も…杏子みたいに、可愛がられたらよかったんだけどねぇ」
しみじみとそう言った。
「君たち…ずいぶん、仲がいいんだねぇ」
コーヒーを片手に、マスターが近付いて来た。
いつも感心することだが、あれほど待っていたお客さんが、
いつの間にかなごやかに、食事をとりつつ談笑している。
すると不意に、杏子がヘラッと笑うと、
「待子!あなた…バイトを探しているのよね?」
いきなりマスターに言う。
これは、反則だ。
まだハッキリとは、杏子には話してはいない。
今回家を出るのにあたって…母と約束したのだ。
奨学金を申請して、必要以上にお金を請求しません…と。
家賃と必要最低限の食費のみ。
あとは自力で、どうにかしなさい、と厳命されたのだ。
「そうなのよねぇ~母さんには、これ以上、あてには
出来ないのよねぇ」
おそらく…それ以上は、びた一文、出してはくれないだろう…
するとマスターは、じぃっとその会話に耳を傾けると、
「そうなんだ…」と言った。
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