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第10章 思いがけない味方登場
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マイコはおもむろに、ポケットから携帯灰皿を取り出すと、
タバコに火をつける。
紫煙が流れると、待子はキュッと眉間にシワを寄せたまま、
黙って廊下に出ると、きれいに洗った空き缶を差し出す。
「事情があるのは、わかりましたが…そのたびに、ウチに駆けこまれても、
困ります」
グッとこぶしを握り締めると、この際キチンとはっきりさせねば、と
待子は心に強く思う。
先ほど杏子にも言われたのだ。
こういう人を放置するのは、よろしくない。
ピシッと言わないとダメだ、キチンとしないとエスカレートする、
と教えてくれたのだ。
そうするとマイコは口からタバコを離すと
「えっ、やっぱりダメ?ちょっとくらい、いいじゃないのぉ」
と、なおも待子の様子をうかがう。
きっと待子は断らない、と高をくくっていたのだ。
この子は、強くは言えない子だ…と。
「私ね、男を見る目がないのよ」
そうつぶやくと、手に持つタバコをギュッと空き缶に
押し付けると、遠い目をした。
先ほどまでの、無神経なくらいな強引さは鳴りをひそめている…
「いいかしら?すわっても」
そうひと言断ると、ベッドの上に腰を下ろす。
(なにしろ狭いので、家具はあまり置いていない…
テーブル代わりの机と、ベッドがあるだけだ)
「どうぞ」
待子は素直にうなづくと、台所に行って、
インスタントコーヒーのビンを取り出した。
タバコに火をつける。
紫煙が流れると、待子はキュッと眉間にシワを寄せたまま、
黙って廊下に出ると、きれいに洗った空き缶を差し出す。
「事情があるのは、わかりましたが…そのたびに、ウチに駆けこまれても、
困ります」
グッとこぶしを握り締めると、この際キチンとはっきりさせねば、と
待子は心に強く思う。
先ほど杏子にも言われたのだ。
こういう人を放置するのは、よろしくない。
ピシッと言わないとダメだ、キチンとしないとエスカレートする、
と教えてくれたのだ。
そうするとマイコは口からタバコを離すと
「えっ、やっぱりダメ?ちょっとくらい、いいじゃないのぉ」
と、なおも待子の様子をうかがう。
きっと待子は断らない、と高をくくっていたのだ。
この子は、強くは言えない子だ…と。
「私ね、男を見る目がないのよ」
そうつぶやくと、手に持つタバコをギュッと空き缶に
押し付けると、遠い目をした。
先ほどまでの、無神経なくらいな強引さは鳴りをひそめている…
「いいかしら?すわっても」
そうひと言断ると、ベッドの上に腰を下ろす。
(なにしろ狭いので、家具はあまり置いていない…
テーブル代わりの机と、ベッドがあるだけだ)
「どうぞ」
待子は素直にうなづくと、台所に行って、
インスタントコーヒーのビンを取り出した。
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