桜ハウスへいらっしゃい！

第１３章 桜ハウスを守れ！

１２

「会ったことはないんです」
待子はまだ、越して来てからまだ間が立っていないから…
大家さんの弟である、サラさんのお父さんに、会ったことがないと
思い出す。
「そうなの？」
意外そうな目で、サラさんは目をパチクリとさせた。
「おばさんのこと…みんなけちょんけちょんにけなすけれど…
　案外ここが気になるみたいでねぇ～
　家をでたら、ここへ行け、とうるさいの！
　子供のころから、何かあると必ず、預けられたからなぁ」
思い出すように、サラさんは目を細めた。


　裏庭を突っ切って、下宿の勝手口の方へ、回り込もうとしていた
ところで…大家さんの姿は、もう見えない。
一応気にするように、目で探すと、
「あっ、もう大丈夫！
　もう家にの中に、入ったから…」
サラさんがいたずらっぽい目で笑う。
「私ねぇ～この家が大好きよ！
　いつも　いろんな大人がいてね、子供だった私に、
　お菓子をくれたりしたの！」
負けないくらいニッコリと微笑む。
「オバサンも…子守がたくさんいる、って喜んでいたしね。
　私…自分の家よりもね、ここの方が好きだなぁ」
楽しそうにそう言うから、本当にそうなんだろうなぁ～と
待子もうなづいた。
「そうなんですか？」
思わず待子が聞くと、
「そう！自分の家みたいなものだし…
　占いに来るオバサンたちの相手とか、いつもさせられて
　すっかり大人慣れしている、すっごくオマセな子供だったのよ」
サラさんはニッコリと微笑むと、待子と佐伯さんの顔を
見比べていた。