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第14章 一時休戦
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「シェルターがあればいいのにね」
思わず待子が言うと、ひよりちゃんはキョトンとした顔で、
「シェルターってなに?」と聞く。
「シェルターって、隠れ家みたいな…すぐに逃げ込める安全な場所!」
「ここだって…私にとって、とっても安全な場所だったんだけどね」
ひよりちゃんは、真面目な顔をして言う。
「だって、みんなが親切で、私たちを守ってくれるし」
少し寂しそうに、ひよりちゃんは待子の顔を見上げる。
ひよりちゃんの顔は…この家から逃げ出した時よりも、だいぶ落ち着いた表情に
なっている。
おそらく生活が少し、落ち着いてきたのだろう…
普通の小学生は、こんな風に、大人の事情とか、顔色を
気にしないものなのだろうが…
この子は、おそらく物心がつく前から…常に気にして生きていた、と
わかるのだ。
なぜだかとても、けなげに見えてきた。
「ねぇ~また、帰って来ない?ここへ」
思わずポロリ…と、待子は言ってしまう…
この家にいた頃のひよりちゃんは…もっとイキイキとしていたはずだ。
「えっ?」
先ほどまで、笑顔でいたひよりちゃんの顔いろが変わる。
「えっ?いいのかなぁ」
遠慮がちに言うけれども、すがる目で、待子を見上げるので…
さすがに『しまった』とあわてて口を手で押さえた。
「ごめん、変なことを言って!
ただ、みんなで…ひよりちゃん達のこと、守ってあげられないかなぁと、
思っただけ」
そう言いながらも、なんだかとてもいいアイディアのように思われた。
そうして、なんだかそれが、出来そうな気がしてきたのだ。
何を根拠に?と思うけれど、ただ単純に、またみんなで暮らせたら…
と、待子は思うのだ。
「部屋はまだ、そのままにしてあるの。
いつでも、帰って来れるはずだよ」
ポツリとひよりちゃんに言うと、
「いいなぁ、それ」
小声で、ひよりちゃんは、つぶやいた。
とても寂しそうな顔をして。
思わず待子が言うと、ひよりちゃんはキョトンとした顔で、
「シェルターってなに?」と聞く。
「シェルターって、隠れ家みたいな…すぐに逃げ込める安全な場所!」
「ここだって…私にとって、とっても安全な場所だったんだけどね」
ひよりちゃんは、真面目な顔をして言う。
「だって、みんなが親切で、私たちを守ってくれるし」
少し寂しそうに、ひよりちゃんは待子の顔を見上げる。
ひよりちゃんの顔は…この家から逃げ出した時よりも、だいぶ落ち着いた表情に
なっている。
おそらく生活が少し、落ち着いてきたのだろう…
普通の小学生は、こんな風に、大人の事情とか、顔色を
気にしないものなのだろうが…
この子は、おそらく物心がつく前から…常に気にして生きていた、と
わかるのだ。
なぜだかとても、けなげに見えてきた。
「ねぇ~また、帰って来ない?ここへ」
思わずポロリ…と、待子は言ってしまう…
この家にいた頃のひよりちゃんは…もっとイキイキとしていたはずだ。
「えっ?」
先ほどまで、笑顔でいたひよりちゃんの顔いろが変わる。
「えっ?いいのかなぁ」
遠慮がちに言うけれども、すがる目で、待子を見上げるので…
さすがに『しまった』とあわてて口を手で押さえた。
「ごめん、変なことを言って!
ただ、みんなで…ひよりちゃん達のこと、守ってあげられないかなぁと、
思っただけ」
そう言いながらも、なんだかとてもいいアイディアのように思われた。
そうして、なんだかそれが、出来そうな気がしてきたのだ。
何を根拠に?と思うけれど、ただ単純に、またみんなで暮らせたら…
と、待子は思うのだ。
「部屋はまだ、そのままにしてあるの。
いつでも、帰って来れるはずだよ」
ポツリとひよりちゃんに言うと、
「いいなぁ、それ」
小声で、ひよりちゃんは、つぶやいた。
とても寂しそうな顔をして。
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