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第15章 いのち短し 恋せよ乙女?
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「どうしよう?」
「とりあえず、風野さんは 学校へ行って!」
「でも…」
待子と佐伯さんは、顔を見合わせる。
するとクマガイさんが、佐伯さんの方に向き直ると
「よかったら…どうしてこんなことになったのか、
わかるだけでいいから、教えて」と言った。
お互いに、顔を見合わせている、待子と佐伯さんに、あらためて椅子を
すすめると、
「とりあえず、コーヒーでいい?」
ふと、軽い調子でクマガイさんが言うと、身軽にスッと立ち上がり、
そうして奥の方へと、姿を消した。
「ね、ホントによかったのかしら?」
遠慮がちに佐伯さんは、待子をうかがうように見る。
「いいんじゃない?
ここ、ひよりちゃんもいるし、この際甘えようよ」
待子自身としては、この昼寝のクマのようなクマオトコのことは、
正直あまりよくは知らないのだけれど…
「でも何だか、優しそうな人ね!」
ポツンと言う佐伯さんの言葉に、
「そうなの」とうなづきつつも、胸の奥がチクンと痛んだ。
(一体、どうしてなの?)
そう思うけれど…佐伯さんは気付いていない様子だ。
「何だかね、ホワンとしていて、安心するのよね。
あの人といると…」
そう言いつつも、待子は初めて、佐伯さんの横顔が、
とても美しいことに嫉妬した。
「こんなむさくるしい所で、悪いねぇ」
今さらのように、クマガイさんは言うと、すぐにマグカップを2つ持って、
こちらへ戻って来た。
「手渡しでゴメンね!
ここには お盆などという、シャレたものなどないからねぇ」
言い訳のように言う姿も、ちっとも嫌味がない。
なんでこんなに、ホッコリするのだろう…
そう思っていたら、あの有名なアニメの、トトロになんとなく
似ているからだ…と、ふと待子は気付くのだった。
「とりあえず、風野さんは 学校へ行って!」
「でも…」
待子と佐伯さんは、顔を見合わせる。
するとクマガイさんが、佐伯さんの方に向き直ると
「よかったら…どうしてこんなことになったのか、
わかるだけでいいから、教えて」と言った。
お互いに、顔を見合わせている、待子と佐伯さんに、あらためて椅子を
すすめると、
「とりあえず、コーヒーでいい?」
ふと、軽い調子でクマガイさんが言うと、身軽にスッと立ち上がり、
そうして奥の方へと、姿を消した。
「ね、ホントによかったのかしら?」
遠慮がちに佐伯さんは、待子をうかがうように見る。
「いいんじゃない?
ここ、ひよりちゃんもいるし、この際甘えようよ」
待子自身としては、この昼寝のクマのようなクマオトコのことは、
正直あまりよくは知らないのだけれど…
「でも何だか、優しそうな人ね!」
ポツンと言う佐伯さんの言葉に、
「そうなの」とうなづきつつも、胸の奥がチクンと痛んだ。
(一体、どうしてなの?)
そう思うけれど…佐伯さんは気付いていない様子だ。
「何だかね、ホワンとしていて、安心するのよね。
あの人といると…」
そう言いつつも、待子は初めて、佐伯さんの横顔が、
とても美しいことに嫉妬した。
「こんなむさくるしい所で、悪いねぇ」
今さらのように、クマガイさんは言うと、すぐにマグカップを2つ持って、
こちらへ戻って来た。
「手渡しでゴメンね!
ここには お盆などという、シャレたものなどないからねぇ」
言い訳のように言う姿も、ちっとも嫌味がない。
なんでこんなに、ホッコリするのだろう…
そう思っていたら、あの有名なアニメの、トトロになんとなく
似ているからだ…と、ふと待子は気付くのだった。
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