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第18章 さようなら、桜ハウス
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「やめてよぉ、そんなんじゃあないからぁ」
レイコさんは恥ずかしそうに、手を振る。
「でも、そのために お金を貯めてきたんでしょ?」
「んーまぁ、それもあるけど…
昔、連帯保証人になって、借金を背負わされたこともあるからねぇ」
しみじみとした様子で、彼女は遠い目をした。
「そうなんだぁ」
普段のレイコさんは、いっつもスッピンで、ブランドものとは縁のない。
Tシャツに短パンでペッタンコのサンダルだ。
もちろん派手な服も、アクセサリーも何もしない。
欲しいとも思わないのだ。
『戦闘服なら、古着屋さんだよ 』
そう豪語する、筋金入りの節約家だ。
なんで屋内の仕事を探さないのか…と不思議に思っていたけれども。
「接客業が好きなの」
レイコさんは言う。
「自分は、学歴はないし、頭も悪いし、
手に職ないし…」言いながら、少しも悲壮感が、みじんにも感じられない。
「それに、十人並みの器量だし…
これくらいしか、取り柄がないからねぇ」
そう言いながら、何とか解決策はないものか、と待子は思う。
「食堂とか、カフェにすればいいのに」
そうは思うけれど…今はただ、昔お世話になった人へ、恩返ししたい、というのだ。
なんだか 素敵だなぁと、マイコほどではないけれど…
待子は羨ましく思っていた。
それでもその目標に向かって、せっせとたゆまぬ努力をしていた、
ということを、彼女にかかわる人たちは、早々に気付いていた。
「でも…だまされたりするからねぇ~
お金持ちにはトンと、縁がないのよねぇ」
結構深刻な話だけれど、自分で言いながらクスクス笑った。
するとすっとどこかから帰って来た中田さんが
「いいんじゃない?そういう人がいるから…
救われる人がいるのよ」
ポソリと言うと、さっさと荷物をまとめ始めた。
レイコさんは恥ずかしそうに、手を振る。
「でも、そのために お金を貯めてきたんでしょ?」
「んーまぁ、それもあるけど…
昔、連帯保証人になって、借金を背負わされたこともあるからねぇ」
しみじみとした様子で、彼女は遠い目をした。
「そうなんだぁ」
普段のレイコさんは、いっつもスッピンで、ブランドものとは縁のない。
Tシャツに短パンでペッタンコのサンダルだ。
もちろん派手な服も、アクセサリーも何もしない。
欲しいとも思わないのだ。
『戦闘服なら、古着屋さんだよ 』
そう豪語する、筋金入りの節約家だ。
なんで屋内の仕事を探さないのか…と不思議に思っていたけれども。
「接客業が好きなの」
レイコさんは言う。
「自分は、学歴はないし、頭も悪いし、
手に職ないし…」言いながら、少しも悲壮感が、みじんにも感じられない。
「それに、十人並みの器量だし…
これくらいしか、取り柄がないからねぇ」
そう言いながら、何とか解決策はないものか、と待子は思う。
「食堂とか、カフェにすればいいのに」
そうは思うけれど…今はただ、昔お世話になった人へ、恩返ししたい、というのだ。
なんだか 素敵だなぁと、マイコほどではないけれど…
待子は羨ましく思っていた。
それでもその目標に向かって、せっせとたゆまぬ努力をしていた、
ということを、彼女にかかわる人たちは、早々に気付いていた。
「でも…だまされたりするからねぇ~
お金持ちにはトンと、縁がないのよねぇ」
結構深刻な話だけれど、自分で言いながらクスクス笑った。
するとすっとどこかから帰って来た中田さんが
「いいんじゃない?そういう人がいるから…
救われる人がいるのよ」
ポソリと言うと、さっさと荷物をまとめ始めた。
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