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Scene 3  ふしぎの国のシンデレラ

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 あまりにも、エラが無邪気に驚くので、カスミは
怒る気持ちも消え失せて、
(この子は、途方もなく山の中にでも、隔離されて
 いたのか、とてつもなく重い病気で、長いこと
 入院していたために、外の世界を知らないのだ)
と、ムリヤリ自分を納得させました。
そうでもしないと、この反応は異常で・・・犯罪
にでも絡んでいなければ、つじつまが合わないのでした。
 
 エラはそんなことになっているとは、露知らず・・
なんとここは、不思議な国なのだろう・・・と、
目を輝かせるのです。
本来の目的・・・早く元の世界へ戻る・・・ということなど、すっかりかすんでしまうような、そんな気持ちになったのです。
一方カスミは、
「この子は、自分の敵ではない」
という結論を、わりと簡単に到達しました。
だからといって、エラのことを、認めたわけではありません。そうではなく、やはりカスミの大好きな
『お兄ちゃん』を取り巻く女の1人であることは、まぎれもない真実で・・・。
カスミを苦しめたのは、そんなエラのことを心配して、前よりも足しげくシュウヘイが、エラの顏を
見にやって来ることだったのです。
シュウヘイは「そんなつもりはないよ」と言うけれど、女の直感を侮ってはいけません。
シュウヘイの中に、エラへの感情が芽生え始めて
いることは、はたから見ても、明らかだったのです。



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