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Scene 8 シンデレラは眠れない

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  エラのまずしたことは…誰よりも早く起きることでした。
早起きは苦ではありません。
元々継母の家にいた時にでも、一人で家事をこなすために、
夜明け前から起きるのが、常でしたから…

まだ真っ暗なうちに、体を起こすと…
せっせと床磨きをし、明るくなると、洗濯機にを回し、
コメを炊く…
まさか、タイムトリップをしても、この暮らしを続けるとは
思いませんでした。
なんだか今にも継母がやってきそう!
冷蔵庫を開けて、カスミと自分のために、お弁当を
作ります。
カスミはエラのために、お弁当箱を買ってくれました。
花の模様のある、かわいいお弁当箱です。
「もらってもいいの?」
そう聞くと、カスミは満面の笑みで、
「もちろん!」とうなづきます。
「だって、こんな毎日、お弁当作ってくれるんだもん。
 当然よ!」
そう言われると…今まで感じたことのない感情が、
ジアジワと、足元から上がってくるようで、未だかつてない
喜びを感じるのでした。
それから再び、晩御飯のための準備と、洗濯物を干すこと。
空を見上げて、ひとつずつハンガーにかけて行くと…
太陽の日差しを感じて…とても清々しい幸せを感じるのでした。




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