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Scene10 シンデレラを取り戻せ!

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  シンデレラ、と耳にすると、しおれていた王子の表情は、一気に
明るくなり、
「それは、ホントか?」
飛びつかんばかりに、魔法使いの手をつかむと、潤んだ瞳で見つめます。
「あらあら、こんなおばあさんでも…
 シンデレラとなると、手だって握るのねぇ」
笑いながら言うので…王子はあわてて手を放しました。

 自分の剣を奪われた、大臣の息子は…にらみつけるように、
魔法使いを見つめると、
「それならシンデレラは、今、どこにいるんだ?」
つい、詰問口調になります。
「いい加減なことを言うと…ためにならんぞ」
憎々し気に言うと…
「さぁ?」
魔法使いは、肩をすくめると、さらに大臣の息子は、
いきりたつようにしました。
「まさか…おまえが隠しているのでは、あるまいな」と言うと…
「御冗談を!」と言って、魔法使いは、大きな身振りで、
大いに笑う…
「私なら、そんな面倒くさいこと、しませんよ!
 それよりも、すぐに連れてきますね!」
キッパリと言うので…それはそうかと、思い直すようにしました。
「それならなんで、シンデレラが帰って来ると、わかるんだ?」
大臣の息子がさらに、追求の手を緩めないので、
「知りたいですか?」
魔法使いは、思わせぶりに、余裕の笑みを浮かべると…
「それなら、あなた達にだけは、教えてあげるわ」
ふと、懐に手を入れると…水晶の玉を取り出しました。
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