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Scene11  シンデレラは時を越えて

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  その様子に気付いたのか、礼美が柱の側で、ピョンピョン跳ねて、
「こっち、こっち!」
大きく手を振ります。
近付いて来るなり、すぐに、
「今日のお手伝いの人たちは?」と聞くので、
「現地集合よ。そろそろ着くはず…」
メグミさんは、にこやかに告げました。
それでも礼美が近付いて来て、さっさと受付を済ま
せると、
みんなの分のピンクのリボンを受け取りました。
このリボン…参加者の人たちの印なのですが、エラは渡された
リボンを、一体どこにつければいいのだろう?と、いじっています。
するとメグミさんが、その様子に気が付いて、
「どこでもいいのよ、目につけば。
 肩でもいいし、胸のところでもいい。端っこでもいいわ。
とにかく、つけていることがわかれば‥」
と言うと、エラの左腕のところに、サッと取り付けました。
「これでいいんじゃない?」と言うと、礼美も
「あっ、私もつけよう」
と言って、エラと同じ場所につけました。

 人がドンドン増えてきて…ロビーも結構人であふれています。
それを見て取ると、
「控室へ行きましょ」
そう言うと、礼美はエラの手を取って、事務所の脇をすり抜けました。
よく見ると、時折脇を通り抜ける人がいるので、エラも我に返り、
黙って後をついて行きます。
 ズンズン廊下を歩いて行くと、次第に人の喧騒もなくなり、
ピンと張りつめる緊張感が、流れていました。

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