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Scene12  シンデレラはガラスの靴をはいて

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  大家さんの言葉に、エラはドキンとします。
大家さんは、すべてを見越しているかのように、エラを見つめると…
「あなたのすることで、その人の運命が大きく変わる、ということ…
 もっと理解した方がいいわね」
それは静かな口調でした。
その言葉を聞くと…エラの中で再び迷いが生じてきました。
「あなたにとっても、大きな選択になるから…
 よく考えて、行動しないとね。
 取返しのつかないことに、ならないように…」
静かにそう言うと、エラは大きくうなづきました。
それから先ほどまでの、怖いくらいのオーラは陰をひそめ、急に
ニッコリ微笑むと、
「もっとも、私には全く、理解できないけれどね」
またいつもの、穏やかな口調に戻りました。

 もちろん、それが本当なのかどうか…エラにはさっぱり
わかりません。
じっと玄関で困った顏でたたずんでいると…今更のように
「あっ」とつぶやくと、大きく手を広げ、
「信子ちゃんも、礼美さんも、カスミさんも、来てるわよ!」
と言うと、大家さんは、エラの置いた荷物を拾い上げると、
エラの肩に、手をふれます。
「みんなで、打ち上げパーティーするんですって!
 さぁ、早くいらっしゃい」
そう言うが早いか、さっと身をひるがえすと、家の奥に
入って行きました。
先ほどまで、自分の選択が正しい‥と、かなりの自信を持っていたのだが…
ここへきて、まさかの想定外の出来事もあり、大きな迷いが
生まれます…
タイムリミットまであと少し…
一体、どうしたらいいのだろう…
エラはしばらく、靴箱の側で、立ち尽くしました。








 
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