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Scene12  シンデレラはガラスの靴をはいて

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  取り残された、エラと信子。
お互いに戸惑った顔を見合わせると、
「巻き込んじゃって、ごめんね」
 自然とエラは、謝罪の言葉を口にします。
信子は未だ、呆然として、立ちすくんでいました。
まだ何も、信子は事情が呑み込めていないようです。
エラをチラリと、盗み見ると、
「エミさんって…なにもの?」
警戒するように、信子はちょっと身を引きます。
なにもの…と聞かれても、エラは一体、何と答えたらいいのか、
わかりません…
困った顏で、
「別に怪しい者じゃないわ」
ようやくそう言うと、それにも信子は、疑うような目付きで
エラを見返しました。
その様子からは、まだ身をぎゅっと固くして、自分の身を
敵から防御している見えました。
どうやらまだ、納得していない様子なので、
「ちょっと遠い所から来たの」と言います。
「どのくらい遠いの?外国?」
「うーん」
さすがにエラも、少し考え込むと…
「まぁ。そんなようなものかなぁ」とだけ言うと、笑って
ごまかそうとしました…

いくら言葉を尽くしたところで‥まともな生活をしてきた人たちは、
すぐには理解が出来ないことでしょう…
そうひそかに思ったので…エラにははっきりとは、答えられないのです。
またしてもエラは迷う…
自分の考えていることは、間違っているのだろうか…と。
だけどもう、かかわってしまいました。
今ならまだ、止めることが出来る…
どこまで話したらいいものかどうか、わかりません。
案の定信子は、キュッと警戒したのを、覚えているようです。
「一体、これから何があるの?
 どうして、私も一緒に行くの?」とだけ聞きました。




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