シンデレラの娘たち

daisysacky

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第2章 あなたはだぁれ?

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「えっ、なんで?」
 柚はキツネにつままれた気分だ。
だって、確かにポケットに入れたはず…
(あれ?)
柚は思わず、ポケットに手を突っ込む。
「ほら!」
何かが手に触れたので、取り出してみると…
それは、アイスキャンディーの当たり棒だった。
ふふふふ…
その人は、黒い手袋をはめた手を、口元に当てる。
「ほらね」
意味あり気にそう言うと、ニヤリと柚に向かって、笑ってみせる。
「あなた…お父さんに似ているの?
 お母さんはとても明るくて、元気な子だったわ」
今度も、ぶれることなく、ハッキリと言う。
「どうして?」
柚には、わけがわからない。
思わず、その人の前に立つ。
「どうしておばあさんが…そのガラスを持っているの?
 どこで拾ったの?
 それとも、同じものが、落ちていたの?」
 
 なんで?
 どうして?
 とても、信じられない、と柚は頑張る。
だって、大好きなママが、こんな黒ずくめのおばあさんと、知り合い
だなんて…
聞いたこともないし、どうしても信じられなかったからだ。
 だが、その人は気を悪くすることなく、
「人を見た目だけで、判断するのはよくないわよ」
そうハッキリと言った。
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