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第2章 あなたはだぁれ?
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「えっ」
もう、いいの?
てっきり、このまま…家に帰してもらえない、と思い込んでいた柚は、
ホッとして、気が抜ける。
おばあさんは、ポカンとしている柚を見ると、
「だって、帰りたいんでしょ?」
パンパンと両手でスカートを叩くと、いつの間にか杖を手にしている。
「でも…」
帰りたいのは、山々だけど…
柚は道がわからないのだ。
オドオドとして、そのおばあさんを見上げると、
「あぁ~そうだったわねぇ」
柚の顏を見て、ようやく思い出したようだ。
まったく、世話がやけるわねぇ~と言いながらも、
「あっち」
杖で、さっき来た道を指し示すと、
「まず、大きな通りに出て、そのまま左に行くと、公園に出て来るから、
そこからまっすぐに行けばいいわ」
淡々と杖で、左、まっすぐ、と方角を示して、柚に説明をする。
理解したのかどうか…
柚は大きな瞳を見開いて、黙ってそれを聞いている。
そんな柚に気が付くと、
「ほら、エラが心配しているわよ。
早く帰ってあげなさい」
ふっと優しい声になる。
(やっぱり、ママのこと、知っているんだ)
ポカンと口を開けて、聞いている柚に向かい
「その目!あの子に、そっくり!」
感慨深そうに、柚を見詰める。
「ユウちゃんも…ママに、心配をかけたらダメよ」
困った子だねぇ~
まるで本物のおばあちゃんのように、苦笑いを浮かべる。
「ありがとう」
ペコリと頭を下げると、柚は言われた通りに歩き始める。
そうしてふいに振り返ると
「やっぱり、あなたは…おばあちゃんなんでしょ?」
そう声をかけようとしたら、その人の姿は、影も形もなかった…
もう、いいの?
てっきり、このまま…家に帰してもらえない、と思い込んでいた柚は、
ホッとして、気が抜ける。
おばあさんは、ポカンとしている柚を見ると、
「だって、帰りたいんでしょ?」
パンパンと両手でスカートを叩くと、いつの間にか杖を手にしている。
「でも…」
帰りたいのは、山々だけど…
柚は道がわからないのだ。
オドオドとして、そのおばあさんを見上げると、
「あぁ~そうだったわねぇ」
柚の顏を見て、ようやく思い出したようだ。
まったく、世話がやけるわねぇ~と言いながらも、
「あっち」
杖で、さっき来た道を指し示すと、
「まず、大きな通りに出て、そのまま左に行くと、公園に出て来るから、
そこからまっすぐに行けばいいわ」
淡々と杖で、左、まっすぐ、と方角を示して、柚に説明をする。
理解したのかどうか…
柚は大きな瞳を見開いて、黙ってそれを聞いている。
そんな柚に気が付くと、
「ほら、エラが心配しているわよ。
早く帰ってあげなさい」
ふっと優しい声になる。
(やっぱり、ママのこと、知っているんだ)
ポカンと口を開けて、聞いている柚に向かい
「その目!あの子に、そっくり!」
感慨深そうに、柚を見詰める。
「ユウちゃんも…ママに、心配をかけたらダメよ」
困った子だねぇ~
まるで本物のおばあちゃんのように、苦笑いを浮かべる。
「ありがとう」
ペコリと頭を下げると、柚は言われた通りに歩き始める。
そうしてふいに振り返ると
「やっぱり、あなたは…おばあちゃんなんでしょ?」
そう声をかけようとしたら、その人の姿は、影も形もなかった…
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