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第5章 すべては夢になりにけり
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「なぁんだ、そういうこと?」
柚はニコッと笑うと、
「それじゃあねぇ、王子様のいる所へ、行けばいいよ」
大真面目で、そう言う。
「王子様?」
えっ?
いきなり王子様と言われて、ジュンヤはキョトンとする。
(姉さんの所じゃ、ないのか?)
すると柚が、ぐいっとジュンヤの手を引っ張る。
「ジュンヤくん、お城へ行こう」
まるで公園へ行こう、というノリでそう言う。
わかっているのか?
「お城?」
「うん」
え~っ?
場所を知っているのか?
何だか、とんでもないことに、なってきたぞぉ~
ジュンヤは戸惑いつつも、柚と目を見合わせ、途方に暮れた顔をする。
「で、どうやって行ったらいい?」
クルリと振り返り、魔法使いに声をかけよう…と思っていたら、
いつの間にか、その姿が消えている。
「えっ?おい、ちょっと!」
何なんだよ!
こんな知らない所へ、連れて来ておいて、肝心な時に、トンズラか?
(おい、いい加減にしろよぉ)
ジュンヤは心の中で、毒づく。
「だったら、どうやって、行けばいいんだ?」
万策が尽きた。
こんな知らない所で、知らない小さな女の子と、のたれ死をするのか?
(いやだ!)
頭を抱え込みたくなった。
すると柚が「こっちだよ」といきなりトコトコと、歩き出す。
「えっ?おい、ちょっと!」
こんな所で、さらに迷子になるなんて…
シャレにならないぞ!
あわててジュンヤが、追いかける。
だが柚は、怖がることもなく、平気な顔で、スタスタと歩き続けた。
柚はニコッと笑うと、
「それじゃあねぇ、王子様のいる所へ、行けばいいよ」
大真面目で、そう言う。
「王子様?」
えっ?
いきなり王子様と言われて、ジュンヤはキョトンとする。
(姉さんの所じゃ、ないのか?)
すると柚が、ぐいっとジュンヤの手を引っ張る。
「ジュンヤくん、お城へ行こう」
まるで公園へ行こう、というノリでそう言う。
わかっているのか?
「お城?」
「うん」
え~っ?
場所を知っているのか?
何だか、とんでもないことに、なってきたぞぉ~
ジュンヤは戸惑いつつも、柚と目を見合わせ、途方に暮れた顔をする。
「で、どうやって行ったらいい?」
クルリと振り返り、魔法使いに声をかけよう…と思っていたら、
いつの間にか、その姿が消えている。
「えっ?おい、ちょっと!」
何なんだよ!
こんな知らない所へ、連れて来ておいて、肝心な時に、トンズラか?
(おい、いい加減にしろよぉ)
ジュンヤは心の中で、毒づく。
「だったら、どうやって、行けばいいんだ?」
万策が尽きた。
こんな知らない所で、知らない小さな女の子と、のたれ死をするのか?
(いやだ!)
頭を抱え込みたくなった。
すると柚が「こっちだよ」といきなりトコトコと、歩き出す。
「えっ?おい、ちょっと!」
こんな所で、さらに迷子になるなんて…
シャレにならないぞ!
あわててジュンヤが、追いかける。
だが柚は、怖がることもなく、平気な顔で、スタスタと歩き続けた。
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