シンデレラの娘たち

daisysacky

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第6章 魔法の靴

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 やはり姉さんは、もうここの世界の人なのか…
ジュンヤはしみじみと、そう感じている。
どこか…遠くの存在になったような気がして、目の前のその人を見て、
何だか寂しい思いでいっぱいだ。

 先頭の馬車は、すでについていて、さり気なく男が彼女に
近付いている。
「この子たち…キミの知り合い?」
親し気に話しかける。
彼女も自然な表情でうなづくと、
「そうよ。私の弟と、知り合いの子よ」
ジュンヤたちにも聞こえるようにと、ハッキリとした声でそう言う。
柚のことも、認めたのか?
(やっぱり…姉さん、気付いているんだ)
ジュンヤはキュッと、柚の手を握ると、グッと涙をこらえた。

「そう、はじめまして」
 あらためて王子は、ジュンヤと柚に顔を向ける。
柚はピョコンと、頭を下げると、
「はじめましてじゃないでしょ!
 もう、会ったでしょ」
おませな口調でそう言うと、鼻の頭にシワを寄せる。
「あっ、そうだった。さっき会った」
 こりゃあ、まいったなぁ~
彼は楽しそうに笑う。

 もしかしたら、子供のことが好きなのかもしれない。
そんな王子のことを、チラッと横目で見ると、
「あなた…お母さんに、よく似ているわねぇ」
その女性は、器用に大きなお腹をかばうようにして、しゃがみ込むと、
柚と目を合わせる。
「ママのこと、知っているの?」
柚が驚いた顔をするので、
「もちろん!」
にこやかに微笑む。
「私はね、あなたのお母さんに、助けられたのよ」
優しく微笑むと、王子の方をチラリと見詰めた。
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