125 / 140
第6章 魔法の靴
11
しおりを挟む
やはり姉さんは、もうここの世界の人なのか…
ジュンヤはしみじみと、そう感じている。
どこか…遠くの存在になったような気がして、目の前のその人を見て、
何だか寂しい思いでいっぱいだ。
先頭の馬車は、すでについていて、さり気なく男が彼女に
近付いている。
「この子たち…キミの知り合い?」
親し気に話しかける。
彼女も自然な表情でうなづくと、
「そうよ。私の弟と、知り合いの子よ」
ジュンヤたちにも聞こえるようにと、ハッキリとした声でそう言う。
柚のことも、認めたのか?
(やっぱり…姉さん、気付いているんだ)
ジュンヤはキュッと、柚の手を握ると、グッと涙をこらえた。
「そう、はじめまして」
あらためて王子は、ジュンヤと柚に顔を向ける。
柚はピョコンと、頭を下げると、
「はじめましてじゃないでしょ!
もう、会ったでしょ」
おませな口調でそう言うと、鼻の頭にシワを寄せる。
「あっ、そうだった。さっき会った」
こりゃあ、まいったなぁ~
彼は楽しそうに笑う。
もしかしたら、子供のことが好きなのかもしれない。
そんな王子のことを、チラッと横目で見ると、
「あなた…お母さんに、よく似ているわねぇ」
その女性は、器用に大きなお腹をかばうようにして、しゃがみ込むと、
柚と目を合わせる。
「ママのこと、知っているの?」
柚が驚いた顔をするので、
「もちろん!」
にこやかに微笑む。
「私はね、あなたのお母さんに、助けられたのよ」
優しく微笑むと、王子の方をチラリと見詰めた。
ジュンヤはしみじみと、そう感じている。
どこか…遠くの存在になったような気がして、目の前のその人を見て、
何だか寂しい思いでいっぱいだ。
先頭の馬車は、すでについていて、さり気なく男が彼女に
近付いている。
「この子たち…キミの知り合い?」
親し気に話しかける。
彼女も自然な表情でうなづくと、
「そうよ。私の弟と、知り合いの子よ」
ジュンヤたちにも聞こえるようにと、ハッキリとした声でそう言う。
柚のことも、認めたのか?
(やっぱり…姉さん、気付いているんだ)
ジュンヤはキュッと、柚の手を握ると、グッと涙をこらえた。
「そう、はじめまして」
あらためて王子は、ジュンヤと柚に顔を向ける。
柚はピョコンと、頭を下げると、
「はじめましてじゃないでしょ!
もう、会ったでしょ」
おませな口調でそう言うと、鼻の頭にシワを寄せる。
「あっ、そうだった。さっき会った」
こりゃあ、まいったなぁ~
彼は楽しそうに笑う。
もしかしたら、子供のことが好きなのかもしれない。
そんな王子のことを、チラッと横目で見ると、
「あなた…お母さんに、よく似ているわねぇ」
その女性は、器用に大きなお腹をかばうようにして、しゃがみ込むと、
柚と目を合わせる。
「ママのこと、知っているの?」
柚が驚いた顔をするので、
「もちろん!」
にこやかに微笑む。
「私はね、あなたのお母さんに、助けられたのよ」
優しく微笑むと、王子の方をチラリと見詰めた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
9
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる