ダンナ様はエスパー?

daisysacky

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第1章  甘い生活?

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「そうねぇ~」
 はぐらかすように、アリサは笑う。
「今は…仕事が恋人みたいなものかな!
 とても…恋をする余裕なんて、ないわ」
憂鬱そうでもなく、むしろサバサバとした顔をしている。
すると灯里はヘラッと笑い、
「あらぁ?確か…可愛がっている子が、いるんじゃなかったっけ?」
澄ました顔で言う。
「どうして…それを?」
アリサはあわてたように、灯里の顔を見た。
 フフフ…
灯里は不敵な笑いを浮かべる。
「そんなの…私にだって、わかるわよぉ」
顏に書いてあるもの、と言うと
「えっ、どこどこ?」
アリサは鏡を見る。
ポーカーフェイスのつもりでも…
最近とみに、アリサの表情が柔らかくなった、と巷の噂だ。
いくら鈍い自分でも…そんなことくらいは、お見通しだ。
「いいなぁ~楽しそうで!」
こんな時…仕事をやめなければよかったのに…
灯里はちょっぴりガッカリした。
だがそんなことくらいで、へこたれるわけにはいけない…

「また、働けば?」
気楽な調子で、アリサが言うけれど…
1度仕事をやめてしまったら…次を探すのが、結構大変なのだ。
「ダンナさんが、反対してるの?」
やや眉をしかめて、アリサが言う。
「ううん、むしろ…やめなくてもいいよ、と言ってくれた
 くらいよ」
 そう…
むしろ久志さんは、私のすることには、基本 反対はしないのだ。
「だって、本人の自由でしょ?
 やめたかったら、やめてもいいし」
彼は至極当然という顔をして、まっすぐな瞳を向ける。
「ボクは、君に付き合うよ」
楽しそうに、彼はそう言った。
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