ダンナ様はエスパー？

第2章 謎の隣人VSお姑さん！

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「学校でもいきなり、『今日はテストがあるよ』とか、
　先生の服の色を当てたりね。
　テスト問題を当てたりはしないけど…
　それでもあまりにちょくちょくあると、みんな奇妙に思っていたみたい」
「えっ、そうなんですか？」
お姑さんに言われて初めて…自分が何も知らなかったことに、
愕然とする。
ちっとも知らなかった…
久志さんは、そんなことを、これっぽっちも言わないのだから…
灯里は寂しく思う。

「もっとも…テストがあるとわかっていたとしても…
　テスト問題を予想することは、出来なかったけどね」
お姑さんは、ケラケラと楽しそうに灯里を見る。
「大体ねぇ、何かあるようだぞ、というのはわかるらしいみたいだけど…
　ホント、詰めが甘いのよねぇ～」
（ずいぶんな言いようだなぁ）
灯里はなぜだか、久志さんが、可哀そうに思えて来た。
「もともと優しい男の子だから…」
お姑さんは、台所用品を見ると
「ずいぶん贅沢なものを、買ったものねぇ～」
やや不満そうな顔で、灯里を見る。
「あまり、人を驚かすのが好きではなかったみたい…
　黙って人に言わなくなったりしたし、
　やっぱり後で…教えてあげた方が、よかったのかなぁ」
何か気に病んでいるようだった。
しみじみとした口調で、言うので…
「久志さんらしいですねぇ」
　これには灯里は、心の底からうなづいた。
　おそらく、言いたくても言えなくて、心を痛めているのだろうなぁ
そんな風に思っていたなんて…！
「だからね！あの子は優しいから、あなたに遠慮して、言えないことも、
　たくさんあるのよ」
まだ何か問題でもあるのだろうか？
「あなたも、出来るだけ…察してあげなさいね」
その言葉が、ぐるぐると灯里の頭の中で、渦を巻いていた。