ダンナ様はエスパー?

daisysacky

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第4章  まさかの奇跡…

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(私って、ホントバカだなぁ)
 自分の世間知らずを、心の底から呪った。
まさか自分の身内に、こんな風に思われているなんて!
ホント、おめでたいヤツだな。
じゃあ、わたしは…どうしたらいいの?
何度も何度も思っているうちに、灯里は笑うことが出来なくなった。


「どうしたの?」
 すぐに久志が、灯里の異変に気が付いた。
「大丈夫よ、ごめんなさい…」
つい心配をかけたくなくて、彼にも言えなくなってしまう。
夜も中々寝付けずに、何度も寝返りをうって、
まんじりもせずに、朝を迎える…
日に日に顔色が悪くなる灯里の姿を目の当たりにして、
久志は心を痛めた。
「どうしたらいいんだろう?」
ひそかに、出産経験のある同僚に、相談をしてみる。
すると「あら」と驚いた顔をすると、
「奥さんが、おめでた?
 それはおめでとうございます!」とにこやかにする。
「どうしたらいいんですか?」
困った顔をする彼を見て、
「あなたのような人でも…わからないことって、あるのね!」
ひやかすように、彼女は笑う。
だが彼の視線を感じると、あわてて笑いを引っ込め、
「大丈夫よ、すぐにきっと、落ち着くわ。
 ただ問題は…あなたの態度よね!
 迷わずお母さんよりも、彼女を選ばないと…
 さらに事態は厄介な方向に、進むわ」
やけに確信を持った言い方で、彼女はそう答える。
「えっ、そうなのか?」
「そう、責任重大よ」
「大げさだなぁ~」
わざと笑い飛ばそうとするけれど、同僚はじぃっとその姿を見つめ、
「あなたのその態度!
 おそらく彼女を、傷付けていると思うわ」
静かにそうキッパリと言った。
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