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第5章 誰のものでもない私…
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だが望むとも望まないともかかわらず…
避けては通れないことがある。
いつものように、久志を送り出した後、もはや恒例行事のように、
お隣さんが
「あら!ずいぶんお腹、大きくなってきたわね!」
やっぱり例のごとく、ヒョコッと顔をのぞかせて、灯里に話しかけてきた。
おっ、きた!
思わず身構える彼女は
(ねぇ~見張っているの?
それとも、盗聴でもしているの?)
またもいつもの疑問が、頭にもたげてくる。
それにしてもお隣さんは、一体どんな風に暮らしているのか、
全く物音ひとつ聞こえてはこないのだ。
(むしろ、本当にここで住んでいるの?)
いささか疑問ではある。
まさか、エスパー?
それともストーカー?(誰の?)
やっぱり変わった人だわ、と灯里はひそかにそう思う。
だがそんなことは、一切無頓着なのか、相変わらずズカズカと
近付いてきて、
「あなたたち~ほんっとに、仲良しなのね!
朝から、あてられるわぁ~」と笑う。
(いやいや、のぞいているからでしょ?)
「そんなこと、ないですぅ~」
困ったように、苦笑いを浮かべるのもまた、いつもの風景。
この人は、いつまでたっても、懲りない人ね…
灯里はすでに、怒りを通り越して、あきれ果てていた。
「で、お姑さんはどう?
また来てるの?」
どうやらそっちの方が、気になるらしい。
それにしても、不思議なことに…
この2人、意外と馬が合うようだ。
「いいえ、最近は来てませんねぇ」
そういえば、このところ、見かけないなぁ~と思う。
お陰でとても平穏無事な日々だ。
ホッとしていることなど、とても口にすべきではないな、と
ひそかに彼女は心にとめた。
避けては通れないことがある。
いつものように、久志を送り出した後、もはや恒例行事のように、
お隣さんが
「あら!ずいぶんお腹、大きくなってきたわね!」
やっぱり例のごとく、ヒョコッと顔をのぞかせて、灯里に話しかけてきた。
おっ、きた!
思わず身構える彼女は
(ねぇ~見張っているの?
それとも、盗聴でもしているの?)
またもいつもの疑問が、頭にもたげてくる。
それにしてもお隣さんは、一体どんな風に暮らしているのか、
全く物音ひとつ聞こえてはこないのだ。
(むしろ、本当にここで住んでいるの?)
いささか疑問ではある。
まさか、エスパー?
それともストーカー?(誰の?)
やっぱり変わった人だわ、と灯里はひそかにそう思う。
だがそんなことは、一切無頓着なのか、相変わらずズカズカと
近付いてきて、
「あなたたち~ほんっとに、仲良しなのね!
朝から、あてられるわぁ~」と笑う。
(いやいや、のぞいているからでしょ?)
「そんなこと、ないですぅ~」
困ったように、苦笑いを浮かべるのもまた、いつもの風景。
この人は、いつまでたっても、懲りない人ね…
灯里はすでに、怒りを通り越して、あきれ果てていた。
「で、お姑さんはどう?
また来てるの?」
どうやらそっちの方が、気になるらしい。
それにしても、不思議なことに…
この2人、意外と馬が合うようだ。
「いいえ、最近は来てませんねぇ」
そういえば、このところ、見かけないなぁ~と思う。
お陰でとても平穏無事な日々だ。
ホッとしていることなど、とても口にすべきではないな、と
ひそかに彼女は心にとめた。
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