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第7章 あの子を守れ!
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「何かありましたか?」
久志がわざと、その人に声をかけて、ピタッと足を止めると
「いえ、何も」
お隣さんはバツの悪そうな顔をして、ガチャガチャと鍵を開けた。
「おかえりなさい!
そんな怖い顔をして、どうしたの?」
灯里が心配そうに、久志を見上げる。
「えっ?別に」
「だって久志さん、お隣さんのこと、苦手なんでしょ?」
いきなりズバリと核心を突かれる。
そんなこと、言ったっけ?
思わずポカンとして、彼女の顔を見つめた。
(彼女…こう見えて、よく気が付くんだよなぁ)
そのことを思い出し、久志はニッコリと微笑んだ。
「あぁ、困ったよ!
メールボックスの所から、ずーっとついて来るから…
正直、どうしようかと思ったよ!」
目をグリグリさせて、オーバーなくらいに肩をすくめるけれど…
実際 それは本当のことだったので、笑うに笑えない。
「それは…大変だったね!
ご苦労様でした」
心からいたわるように、灯里は久志の手を、キョウッと握りしめる。
「ホント、まいったよ!
そうそう、おかあさんが来たんだって?」
さり気ない調子で、彼女に聞く。
彼女は、一瞬ビクッと肩をわずかに震わせると、
「えっ、どうして知っているの?」
まだ話していないというのに…と、動揺を隠せなかった。
なんだ…
久志は平然とした様子を装って、うかがうような顔で
「さっき、お隣さんに、聞いたんだ」
彼女に報告する。
何かかかわりがないか、と視線を巡らせるけれど、
「そっかぁ~」
それ以上聞くこともなく、灯里は静かにうなづいた。
久志がわざと、その人に声をかけて、ピタッと足を止めると
「いえ、何も」
お隣さんはバツの悪そうな顔をして、ガチャガチャと鍵を開けた。
「おかえりなさい!
そんな怖い顔をして、どうしたの?」
灯里が心配そうに、久志を見上げる。
「えっ?別に」
「だって久志さん、お隣さんのこと、苦手なんでしょ?」
いきなりズバリと核心を突かれる。
そんなこと、言ったっけ?
思わずポカンとして、彼女の顔を見つめた。
(彼女…こう見えて、よく気が付くんだよなぁ)
そのことを思い出し、久志はニッコリと微笑んだ。
「あぁ、困ったよ!
メールボックスの所から、ずーっとついて来るから…
正直、どうしようかと思ったよ!」
目をグリグリさせて、オーバーなくらいに肩をすくめるけれど…
実際 それは本当のことだったので、笑うに笑えない。
「それは…大変だったね!
ご苦労様でした」
心からいたわるように、灯里は久志の手を、キョウッと握りしめる。
「ホント、まいったよ!
そうそう、おかあさんが来たんだって?」
さり気ない調子で、彼女に聞く。
彼女は、一瞬ビクッと肩をわずかに震わせると、
「えっ、どうして知っているの?」
まだ話していないというのに…と、動揺を隠せなかった。
なんだ…
久志は平然とした様子を装って、うかがうような顔で
「さっき、お隣さんに、聞いたんだ」
彼女に報告する。
何かかかわりがないか、と視線を巡らせるけれど、
「そっかぁ~」
それ以上聞くこともなく、灯里は静かにうなづいた。
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