ダンナ様はエスパー？

第8章 私を探さないで…

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「うーん、あの子の場合…それは難しいでしょうねぇ」
　アリサはわざと、難しい顔をして、久志を見た。
「で、勝算はあるの？」
いきなりアリサが向き直る。
「へっ？」
勝算って…
さすがに久志が戸惑うと
「うーん、それはどうかなぁ」と考え込む。
「こういう時…女性が一番、頼りになるんだけど…」
彼の困った声が響く。
「女性？私も灯里も女性なんだけどねぇ」
おかしな久志さん！
クスクスとアリサが笑う。
機嫌は悪くないようだ。
「あ、そうでした。失礼しました」
ギクシャクと、あわてて頭を下げる。
（それとも、なぁに？私…女じゃあないって言うの？）
　だが久志が、何だかとても、困っているように見えて、
怒る気にもなれない。

「そういえば…あの子、今何か月なんだろう？」
どっちみち、聞かれても、アリサにはわからない…
「さぁ？何か月目だっけ？」
自分の子供のことなのに…
男って、こんなもの？
やっぱり困ったように、頭をかく久志を見て、
アリサはかなり、落胆をかくせなかった。
「それじゃあ…私もお供しましょうか？」
何だか久志1人に任せるのは、何だか心配だ…と、アリサは思う。
久志はすぐに「いえ」と頭を振ると
「それには及びません。ボク1人で」
キッパリと言い切る。
「でも…」
そんなので、本当に灯里が見つかるのだろうか？
アリサはやや、心配になった。