ダンナ様はエスパー?

daisysacky

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第9章   やっぱり、あなたは…?

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「キミが無事でよかった!
 生きた心地が、しなかったよ」
 まるで子供のように、灯里をしっかりと抱きしめていた。
それからおもむろに、久志は顔を上げる。

「でも…しばらくは、安静にしないといけない。
 今日は本当に、怖い思いをさせて、すまない…」
ギュッと灯里の手を握り締めた。
「えっ、どうして?」
 どうして久志さんが、謝るの?
 悪いのは…ちゃんと確認しなかった、私よ、と灯里は思う。
だが久志が頭を振ると
「キミは少しも悪くない」
キッパリとそう言うと、久志は顔をゆがめた。
どういうことなのか、わからない…
だが久志は、それ以上語ろうとはしない。
「あっ!実はお隣さんが…大活躍だったんだ」
ふいに久志は、思い出したように言う。
「お隣さんが?」
だが…おぼろげながらも、覚えている。
あの人が…見知らぬ女の人から、自分のことを守ってくれたのだ。

「でも…あの女の人は、誰?」
 人違いでしょ?と思うけれど…
なぜか久志の表情が硬いままだ。
「あの女の人って、誰?」
 いきなり声がする。
「あっ、アリサ!」
 丁度病室の入り口のところで、アリサがこちらを向いて、
立っていた。
「来てくれたのか?」
灯里の視線に気が付いて、久志が振り返る。
「当然でしょ?
 親友が倒れた、というのに、無視は出来ないわ」
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