ダンナ様はエスパー？

第９章 やっぱり、あなたは…？

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　あの時の灯里は、ちょっとナーバスだった。
あまりにも過保護にされるので、つい反発をしてしまったのだ。

「久志さん、誰にでも優しいから」
　義母に対しても、自分のことをかばってはくれない…というのが、
1番の不満だった。
「そもそも灯里はね、贅沢なのよ」
いきなりアリサがボソリ、と言う。
自分は結婚が出来ないので、余計に…何を贅沢なことを、言ってるんだ、
とカチンときたのだ。

「えっ、だって…」
いつもは、何でもはいはいと、言いなりになってくれるアリサが、
今日は、珍しくたしなめるので…
予想外の行動に、灯里は驚いて、口を閉じた。

　はぁ～
アリサはため息をつく。
「まぁねぇ～
　でも、久志さんは、中々出来たダンナさんだと思うわよ。
　普通は、こんなに優しくはない…と思うし…」
そう言われると、灯里はグウの音も出ない。
「でもまぁ～
　なんだったら、調べてみるのも、いいかもねぇ」
何だか風向きが変わった。
「えっ？」
まさかアリサが、そう言うとは思わなかった
「なんで？」
思わず聞き返す。

　電話の向こうでは、しばらく沈黙が続いた。
アリサもやっぱり…久志のことを、変わっていると思っているのだろうか？
「私の知り合いに、久志さんのことを、知っている人がいるか、
　聞いてみて、あげましょうか？」
いきなりそんなことを言い出すので…灯里はひどく動揺していた。